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4 17, 2020
4 17, 2020

VALORANTとCS:GOの比較:プロの見解

VALORANTとCS:GOの類似点

VALORANTとCS:GOの相違点

CS:GOの戦略をVALORANTに応用できるか?

VALORANTとCS:GOの比較

VALORANTとCS:GOの比較:プロの見解

eスポーツシーンに突如現れたVALORANTは、人気タイトルの有望株として勢いを増しているところです。VALORANTとCS:GOの類似点や相違点に関する疑問は数多くあります。そこで、CS:GOの元プロプレイヤーの協力を得て、VALORANTとCS:GOを比較し、深く分析しました。

Riot Gamesの新作タクティカルFPS「VALORANT」に関する熱狂は、ここ最近、すさまじいレベルにまで達しています。実に幸運なことに、私はアルファ版のオンラインブートキャンプ中にこれをプレイする機会を得ることができました。そして、クローズドベータ版が始まって以降は、この新作ゲームについて何かを発見する日々が続いています(これまで何とか約100時間プレイしました)。

個人的な感想ですが、現時点でVALORANTのメタは、そのDNAの約90パーセントがCS:GOと同じです

ご存じない方のために自己紹介しておくと、私はCounter-Strike: Global Offensiveの元プロプレイヤーです。CSのプレイ歴は約20年で、2012年から2018年までは、それで生計を立てていました。そういったことから、VALORANTとCS:GOとの比較について、非常に多くの質問が寄せられています。

比較するにあたり、まず2つのゲームで完全に一致する概念、つまり攻撃側と防衛側の5対5の対戦を中核とするアプローチから始めたいと思います。次に、ニュアンスやより細かい部分を見ながら、ゲームの共通点について説明します。この記事では最終的に、VALORANTとCS:GOは同じ木から伸びた別の枝のようだということ、つまり芯となる部分は非常に似ているが、一部の要素が根本的な違いを生み出しているということを示す予定です。

VALORANTとCS:GOの類似点

ビデオゲームのまったくの初心者に対しては、次のように説明するのが最も簡単です。VALORANTはチーム制のゲームで、攻撃側の5人はスパイクを置くか敵を全滅させることで、ラウンド勝利を目指します。防衛側の5人は、スパイクの設置を阻止するか、敵を全滅させなければなりません。

「スパイク」という用語を「爆弾」に置き換えると、この定義はそのままCS:GOに適用できます。この2つのゲームの基礎的な部分は完全に同一です。つまり、勝利を目的とする場合、CS:GOで何年も微調整してきた原則のほとんどが、VALORANTでも機能するということです。情報収集こそが、このゲームの本質です。

攻撃側は、防衛側が攻略目標のどこに配置されているのかを特定し、スタックを避け、あらゆる序盤の侵攻をコントロールし、敵を討つ必要があります。防衛側は、十分な量の戦力を備えて効率的に防衛できるよう、できる限り早く、どの攻略目標が攻撃されるかを特定する必要があります。

強いロビーを相手にする場合は、敵をうまく攻撃し、フェイントをかけ、忍び寄り、仲間と連携することが普通です。個人的な感想としては、現時点においてVALORANTのメタは、そのDNAの約90パーセントをCS:GOと同じくしています。

そのため、CS:GOプレイヤーは最初から少し快適にプレイでき、ゲームにおいて主導的役割を果たし、慣れたやり方でゲームを形成していくことができるかもしれません。時間とともに、競争力の高いトップレベルがどう進化するかを見ていく必要があるでしょう。

VALORANTとCS:GOの相違点

両ゲームに共通する要素の一部には、小さいながらも重要な違いが見られます。たとえば、銃、マップ、動き、およびエコノミーシステム等の違いです。これらは、やや境界があいまいです。まず武器については、VALORANTとCS:GOの間でペアを作らない方が難しいほどです。

OperatorはAWPのようなもので、VandalはAK-47に似ており、PhantomはM4と同等で、SheriffはDesert Eagleだと言えばわかるでしょう。それぞれの武器については、まさにCS:GOと同様に、一般的な共通のスプレーパターンがあるようです。VALORANTでは、この掃射に6発目または7発目の弾丸からランダム性の要素が導入され、これによって全体の制御が往々にして難しくなります。この点で、ゲームの方向性が別れます。

それぞれのマップにはその独自性を定める特異要素があります。その構造はよく知られたパターンに従っているものの、これがCS:GOとの差を生み、特有のジレンマを持たせています

それぞれ発射速度が異なり、場合によってダメージまで異なるファイア(左クリック)とオルトファイア(右クリック)が存在することは、CS:GOプレイヤーにとってはかなり珍しい点です。また、VALORANTの方が、リセット時間(正確性を維持するためにショット間で必要となる待ち時間の長さ)が長いようだということも追加したいと思います。

マップに関して言うならば、それぞれのマップにはその独自性を定める特異要素があります。その構造はよく知られたパターンに従っているものの、これがCS:GOとの差を生み、特有のジレンマを持たせているのです。

Bindには一方向のテレポートができるゲートが2つあり、Splitにはそこから正確に撃てるロープがあり、Havenには攻略目標が3つあります。これらの基本的な特性はどれも、私にとってはまったく目新しいもので、マップ、ローテーション、セットアップ、サイトの奪取等について、新しい考え方を探す必要が生じています。

全体的な動きはCounter-Strikeと非常に近いままですが、大きなポイントとして、ナイフを持っている場合と火器を持っている場合とでは、かなり動きが異なるという点が挙げられます。火器を抜いていると動きが遅く感じられますが、ナイフを手にしているとほぼ浮いているかのように、CS:GOよりもかなり速く動けます。ナイフを持って歩いていたのではリスクが高くなりますが、迅速に対処できる距離を考えると、大きな影響が出る可能性があります。これはVALORANTならではです。

最後にエコノミーですが、これは勝ち負けのボーナスの仕組みが中心となります。まさにCS:GOと同じように「エコラウンド」をプレイしなければなりませんし、武器を選択する必要があります。独特の違いは、ラウンドの最初の時点で、TABを押すと相手側の財政状況がはっきり確認できるという点です。CS:GOでは、ゲーム中に相手のエコノミーサイクルを推測して正しく評価することがゲームの主な要素の1つですが、VALORANTにその要素はまったくありません。

代わりに、入手可能な情報に基づいて、相手側の武器を正確に予測する必要があります。これらの要素、銃、マップ、動き、マネーシステムはいずれも、コアアイデンティティと構造が両方のゲームで共通しているものですが、それぞれにひねりがあり、VALORANTを知っていく中でマスターする必要があるでしょう。

VALORANTとCS:GOの注目すべきその他の相違点

皆さんがご存じの通り、この2つのゲームをまったくの別物にしているのが、10人のエージェントの存在です。エージェントとは固有のキャラクターであり、3つのアビリティと1つのアルティメットアビリティの固有のセットを備えています。厳格な純粋主義のCounter-Strikeプレイヤーにとって、これは火星で目を覚めし、新しい惑星に気付くのに等しいものです。炎の壁、毒や氷、地震、蘇生、またその他のトラップワイヤーが、ゲームプレイで戦略的に大きな影響力を持ちます。

VALORANTで完ぺきなプレイヤーになりたいと考えるのであれば、これらのエージェントとそのアビリティのセット、クールダウン、範囲、効果、および相乗効果の可能性のそれぞれについて学ぶ以外ありません。

私の考えとしては、これらのアビリティは、勝つために追跡し、特定し、予測しなければならない「ユーティリティとリソース」です。このゲームでは、戦略に新しいレイヤーが追加されています。個人的な話ですが、私はこれらのアビリティを考慮しなかったために、完全にコントロールしていると思っていたラウンドで負けました。アビリティにより、一瞬で完全に情勢をひっくり返すことができます。CS:GOプレイヤーが一番覚えなければならないのは、間違いなくこの部分です。

VALORANTとCS:GOの比較:最後に

最後になりますが、私は数えきれないほど何度も、VALORANTはCS:GOに取って代わるだろうかという質問を受けてきました。しかし個人的には、それはないと考えています。Counter-Strikeには常に極めて忠実なコミュニティがあり、今日まで文字通り複数の世代を感動させてきたわけですが、それだけが理由ではありません。この2つのゲームはまったくの別物であり、さまざまな人々や好みを惹き付ける可能性があり、また実際にそうなると思うからです。

核となる構造的な要素は明らかに共通していますが、2つのゲームには細かい部分での違いがあり、将来的に共存することになるでしょう。観客、プレイヤー、その他の配信者について明らかに重複があるとしても、両方のコミュニティが、もう一方のタイトルが話題にあがる大会からも利益を得られるに違いありません。結局のところ、CS:GOのファンは皆、十分長い間Kriegの弱体化を待ってきたのです。

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筆者について

Mathieu Quiquerez

Now retired from being a professional player for teams including LDLC and Titan, Mathieu “Maniac” Quiquerez has become a widely recognised CS:GO analyst, featuring at events such as ESL One New York and the BLAST Pro Series. Alongside his immense knowledge of the game and its past iterations (having competed in CS:GO, CS: Source and CS 1.6), Mathieu is also the third highest earning Swiss esports player of all time.

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