,
close
3 10, 2021
3 10, 2021

s1mpleとZywOoに関する新たな検討

相手側

アクションがある場所に行く

チームとして勝ち、チームとして負ける

新たな章

s1mpleとZywOoに関する新たな検討

CS:GOでは、s1mpleとZywOoは稀代の天才と考えられています。そこで、Duncan "Thorin" Shieldsが、世界最高のプレイヤーを名乗るための彼らの競争をより総合的な視点から検討します。

この未曽有の3年間、世界最高プレイヤーの座を争うプレイヤーは変わらずこの2人、Oleksandr "s1mple" KostylievとMathieu "ZywOo" Herbautであるようです。彼らのチームでの尽力と影響力は、明らかで大きいものです。彼らはこの分野であまりに突出しているため、2人にとってのついていない日、ついていない週が、他の多くのプレイヤーにとっては十分に良い、またはふつうの日や週であるほどです。

彼らの類まれなるスキルは観客を驚かせ、その統計的なすごさは多くのマニアをうならせていますが、このゲームで最も興味深い「比較と対比」は何かということについては、結局のところ個人の好み、すなわち、どの注目点がより気になるか、どの要素が最も重要と思うかによるようです。

代わりに、彼らの苦境を総合的な視点で考えていきましょう。彼らの状況に目を向け、それぞれが闘うものについて新たな実態を明らかにしていきます。

相手側

チームのT側でのプレイを観察すると、言葉にするまでもなく、多くのことがすぐにわかります。どのプレイヤーにリソース(空間、時間、ユーティリティなど)が与えられるかがわかり、プレイヤーが担当しがちな役割が明らかになり、プレイヤーがどのチームメイトをどれくらい信頼しているかということや、全体的なゲームのプランを推測できることさえあります。

長年プロとしてプレイする場合のシンプルな原則として、個々のプレイヤーは、自分のポジションをどのように、どこでプレイするかについて、かなり多くの手段を持つようになります。

しかし、ここで無視されがちなのが、ささやかながらもそれとわかる示唆、プレイヤーがどのようにゲームの相手側(CT側)にアプローチするかという点です。

長年プロとしてプレイする場合のシンプルな原則として、個々のプレイヤーは、自分のポジションをどのように、どこでプレイするか、ローテーションでのタイミング、ブーストやユーティリティの使用といった特定の場所でのセットアップについても、かなり多くの手段を持つようになります。

参謀的な視点でT側のプレイを支配するゲーム内リーダーでも、相手側に対してはるかに甘いことが多く、プレイヤーは自分のやりやすさに従って適切なアクションを決め、ゲームを読むことができます。

アクションがある場所に行く

CT側では、誰も“s1mple”のようなプレイはしませんし、インパクト近くでもプレイしません。彼には、自分のスポットをプレイする手段だけでなく、自分のスポーン位置さえ決める究極的な手段もありそうに思えます。“s1mple”が2018年にMirageのCT側でZeusと交代したことを思い出す人もいるでしょう。NAVIの防御で従来弱かったスポットは、場合により、世界最強のプレイヤーにカバーされるようになっていました。

2020年、この考え方は限界まで進みます。“s1mple”はどこにでも現れる可能性があり、常にCT側にいるようだ。T側のチームはこのことをゲームプランに組み込まざるを得なくなり、NAVIのCT側の調整はさらにややこしくなりました。この手法は、ゲームで最も強力な武器を解放するだけではありません。“s1mple”がチームの防御の穴を埋められるようになります。ラウンドから締め出されて、不可能な一発勝負または退避だけが選択肢ということもなくなります。

クレジット: Virre CSGO

一方、“ZywOo”もずば抜けたプレイヤーで、スポットを奪い、ありえないほど高い個人レベルでプレイしますが、AWPを獲得したり特定のプレイヤーをカバーするためにローテーションします。同様に、“ZywOo”は自分のペースでゲームをプレイし、IGL、コーチ、チームメイトの呼びかけに応えて調整します。

“s1mple”は一見、控えてゲームを成り行きにまかせているようですが、まるで彼自身がIGLであるかのごとく、現在のゲームプランがNAVIの勝利に十分でないとわかると、ゲームを支配し、自分の思うままに動かそうとします。“ZywOo”が照準線とスキルでゲームを動かす一方、“s1mple”はNAVIのシステムをショートさせ、自分の手で対処するタイミングを知ることで影響力を増しています。

誰のリードに従うか?

どちらのスーパースターにも、従来型の偉大なゲーム内リーダーがいません。実際にそのようなリーダーがいたら、彼らのチームが常にトップに固定されると主張する人もいるでしょう。ですが、2人は決して同じ状況にいるわけではありません。

昨年のキャンペーン後、多くの人がゲームのエリートコーチの1人としてVitalityの“XTQZZZ”を挙げています。たとえば、彼の影響力により、新しいIGLとして“apEX”を、また“misutaaa”と“Nivera”を元ベテランロースターに迎え、コントリビューターとして“shox”を呼びましたが、攻撃の流れを支配しているわけではありません。

クレジット:Thorin via Thorin Clips

反対に、NAVIに目を向けると、“B1ad3”の影響力に関する答えよりも、彼のコーチングについて多くの疑問が浮かび上がります。スキルと攻撃面で優れた人材を持つチームは、ときにメンバーについては遅れているように見えます。彼らは優れた要素を持つベテランのチーム以外には難しい戦術や複雑なことを試みようとして、「善の敵」である「完璧さ」に苦悩しているようです。では、誰が“B1ad3”をCS:GOのベストコーチの1人と呼んでいるのでしょうか? 答えは、NAVIが折々で残しているすばらしい結果を考えるとわかります。

同様に、“apEX”はIGLとしての役割について不本意な尊敬を集めており、Vitalityは2020年で最も安定したチームになりました。NAVIの“Boombl4”は、依然としてミームや大きなフラギングの功績について話題になります。誰が彼のIGLとしての長所を説明できるでしょうか? 何回ラウンドが失敗に終わったか、何度“s1mple”がフィニッシュラインでチームを引っ張ったかを考えると、“apEX”と“ZywOo”とは違う意味で“Boombl4”が支持されることは簡単にわかります。

チームとして勝ち、チームとして負ける

“s1mple”と“ZywOo”の最もすばらしく、お互いに引けを取らないところは、最高のプレイをして、チームが勝っても負けても引き分けでも、サーバーでのベストプレイヤーになる能力です。ファンにとっては、これ以上ない世界一同士の決闘の組み合わせでしょう。

とはいえ、Counter-Strikeは単なるチーム戦ではなく、チームの連携と実行能力が個人の能力を上回るゲームです。そういうわけで、2018年はAstralisがCounter-Strike最高のチームであり、“s1mple”が史上最高のCSプレイをしていたかどうかは関係ありませんでした。そうした意味で、たとえ“s1mple”が十二分に相応しいトロフィーを獲得できなかったことがストレスでも、物事には十分な秩序がありました。

“s1mple”のチームは2つの重要な点、すなわち役割の適性と様式的な面が弱いと言えます。そして、Vitalityには、重要な経験と、まさに個人の役割の適性と調和の能力によって、フラギングをそれほど重要としないプレイヤーが揃っています。

“s1mple”のチームは2つの重要な点、すなわち役割の適性と様式的な面が弱いと言えます。前者が修正されれば、NAVIの実際の射撃能力(Vitality全体よりわずかに高く、ときに感心するほど)は、十分に重要なものになるでしょう。NAVIの問題は彼らのスタイルがばらばらなことですが、NAVIが実際にチャンピオンのように思えた当時は、大きなフラギングの功績によってその問題が見えなくなっていました。

一方のVitalityには、重要な経験とフラギングをそれほど重要としないプレイヤーが揃っています。これは、まさに個々の役割の適正と、昨年のVitalityの勝利に働いた効果的かつ一貫性のあるスタイルを調和して作り出す能力によるものです。

もちろん、どちらのシナリオも今私たちが議論しているプレイヤーに相応しいものです。“ZywOo”の若さと経験の少なさは、ロールプレイに励むベテランのメンバーに囲まれているため、それほど重要になりません。“s1mple”の個人プレイは何年も前に驚くべき高みへと到達し、ここ近年はIGLやコーチレベルでゲームを理解することに専念しています。そのため、彼はチームを適切に引き継ぐことができ、必要な場合には自分の目的通りに動かすことができます。

それぞれの現在の環境を交換すると面白いことになるかもしれません。どちらかのプレイヤーを応援しているなら、交換した環境がそのパフォーマンスをどう助け、どう損なうことになるのか、頭の中で予測してみる価値はあります。

1回のゲームに勝ちたいなら、フラギングして、そのキルで相応しい影響を与えます。トーナメントで勝ちたいなら、経験を積んで、自分の役割と、チームのスタイルという大きな枠にそれをどう適用するかを理解しているプレイヤーを揃えます。FaZeとAstralisという従来の対比では、すぐに目を引くような違いが際立つはずです。

新たな章

Counter-Strikeで2人のプレイヤーが持つすばらしい能力は、当然取り上げることもできませんが、あてにもできません。彼らが今後も活躍し続け、長期間のひどいスランプに陥ることもない、というのは、ほとんど不可能です。それにもかかわらず、テニスのフェデラーとナダルの戦いと比べて、彼らの戦いが長く続くと想像し始めるととてもワクワクします。

そのため、“ZywOo”の成長とチームの変化シナリオは、私が一番期待しているものです。彼が史上最高のプレイヤー(しかもまだ絶頂期)と直接対決することを期待するのはすでに不公平ですが、彼は経験を積み、抜きつ抜かれつの競争で本命になることを目指していくと思われます。

クレジット:Official ZywOo  zakmp4による編集済み

“ZywOo”はティア1のフルタイムのプロとしてまだ3年目を終えていません。しかもオフラインイベントが開催されていたはずの期間に、あまり大会が開かれなかったことを考えると、このフランスの天才のすばらしさには、驚くばかりです。そうした驚きの成り行きを考えると、彼が次の“s1mple"なのかと考えても良い時期になりました。彼が史上最高のプレイヤーの称号に挑む軌跡に目を向けていきましょう。2人のどちらかを超えるプレイヤーは現れないでしょう。彼らはすでに私たちが望む以上のものを見せてくれているのではないでしょうか?

この競争を大切にしましょう。このような争いは二度とないかもしれません。

eスポーツ ホーム
最新のeスポーツオッズはこちらでご覧ください
  • タグ

筆者について

Duncan Shields

Duncan "Thorin" Shieldsは、eスポーツの歴史家です。2001年からCounter-Strike、League of Legends、StarCraftなどのゲーム業界に携わっています。高名なジャーナリストでスタジオアナリストでもあるThorinが、幅広い専門知識を活かした新たなコラムをPinnacleに届けます。

詳しく見る 閉じる