テニスはスコアシステムが独特なため、プリゲームとインプレイの両方のベットにもってこいのスポーツです。試合に勝つには相手よりも多くのセットを獲得しなければなりませんが、試合に勝っても相手により多くのゲームやポイントを取られることもあります。WTA の全試合、そして ATP のほとんどの試合は、3 セットマッチで行われています。この記事は、2010 年から 2018 年 8 月までの 3 セットマッチの試合における第 1・第 2 セットのオッズと統計に関して解説します。
2010 年以降、ATP では 18,000 試合以上 、WTA では 20,000 試合以上の 3 セットマッチの試合が行われてきました。50 人のトップランクの ATP と WTA の選手を分析し、ストレートセットで勝つのが得意なのは誰か、また、第 1 セットを取られて第 2 セットからの逆転が得意なのは誰か、見てみました。
第 1 セット
以前の記事では、Pinnacle のマッチ獲得者の最終価格は非常に効率的、つまり、実際の確率がよく現れているということをご説明しました。第 1 セットの獲得者も非常によく利用され流動性の高いベットオプションで、第 1 セットを獲得することと試合に勝つことの関係を理解することは非常に重要です。下のチャートは、様々な試合の勝者と間接的確率の範囲の関係をまとめたものです。
短いセットの結果ほどばらつきが大きくなるため、間接的確率が低い場合、第 1 セットの勝率は試合の勝率よりも高い (そしてその逆も言える) ということが予想されます。試合と第 1 セットの勝率の差は、ATP の試合では間接的確率に関わらず平均で 1.5 パーセント高くなっています。
Pinnacle の第 1 セットマーケットの調査によると、この違いが常にオッズに反映されているとは限らない可能性があります。試合に勝つことと第 1 セットを獲得することの相互関係は、ATP と WTA の両方の試合であまり変わらないようです。これは、WTA よりも ATP で不利な選手に第 1 セットで賭けることが、より有益であるということかもしれません。
下のチャートには、選手が試合に勝つ間接的確率と第 1 セットの勝率を平均的に比較した結果がまとめられています。間接的確率はマージンで調整されていません。オレンジの線は ATP と WTA での第 1 セットでの平均勝率を示しています。
オレンジの線よりも大幅に上 (下) の選手は、平均的にオッズが示すよりも高い (低い) 頻度で第 1 セットを獲得しています。例えば、Kyrgios は試合に勝つ間接的確率の平均が 65% (平均オッズ 1.55) で、67% の試合で第 1 セットを獲得しており、これは同じ間接的確率の ATP 平均の 59% よりも高い頻度です。つまり、彼はキャリア全体で第 1 セット獲得に賭ける有力な候補であることを意味しています。
オッズと比較して平均よりも頻繁に第 1 セットを獲得している選手には、(ATP) Federer、Zverev A、Kyrgios、Khachanov、Fucscovics、Gojowczyk、(WTA) Konta、Mertens、Buzarnescu、Sabalenka がいます。オッズが示すよりも低い頻度で第 1 セットを獲得している選手には、(ATP) Cecchinato、Marterer、Tiafoe、Goffin、(WTA) Bencic、Krunic、Martic、Sasnovich がいます。
第 2 セット
第 1 セットが終了すると、インプレイベッターに第 2 セットと試合の有利な価格を見つけるチャンスが訪れます。下のチャートは、上のチャートに緑で第 2 セットの勝率を加えたものです。
ATP の試合では、間接的確率が 10% 未満 (10.0 を超えるオッズ) の選手が第 1 セットよりも第 2 セットで良い成績を挙げています。これは、試合が進むにつれ非常に不利な選手の抵抗が弱まると思われる中、やや予想に反する結果です。
そのような抵抗の弱まりは、試合の間接的勝率が 20% から 40% (2.5 から 5.0 のオッズ) の不利な選手に見られます。この範囲の選手の第 2 セットでの勝率は第 1 セットの勝率よりも約 2 パーセント低くなっています。WTA の試合では、第 1 セットと第 2 セットでのパフォーマンスに、すべてのオッズ範囲で大した差がありません。
1 試合の中での第 1 セットと第 2 セットの結果にある程度の相互関係が予想できるでしょう。第 1 セットの結果別の第 2 セットの勝率を下のグラフにまとめました。オレンジの線は、間接的確率/オッズごとの第 2 セットの平均勝率です。緑の線は第 1 セットを獲得した場合の第 2 セットの勝率で、青い線は第 1 セットを取られた場合の第 2 セットの勝率です。
予想通り、第 2 セットでの勝率は第 1 セットに勝った選手のほうが高く、テニスにおける勢いの効果を示しています。WTA の試合での緑と青の線のギャップは平均で 6 パーセント大きく、WTA のの試合のほうが勢いによる影響が強いことを示しています。
また、ATP で非常に不利な (オッズが 10.0 を超える) 選手が第 1 セットを取られても、12.2% の試合で第 2 セットを獲得しているのも、興味深い発見です。これは第 1 セットの勝率 (12.0%) よりも高い頻度です。つまり、ATP では非常に不利な選手が第 2 セットを獲得することに賭けることは、第 1 セットに賭けるよりも有益である可能性があります。これは第 1 セットを取られた場合に特に言えます。本命のオッズが第 2 セットのインプレイで下がる可能性が高いからです。では、第 1 セットの終わりに第 2 ベットに賭ける有力な候補はどの選手でしょうか?
有力選手
次のチャートは、各選手の第 1 セットを獲得した場合の第 2 セットの勝率を示したものです。オレンジの平均線を大きく上回っている選手は、それぞれのオッズの選手の平均よりも高い頻度で (第 1 セットに続き) 2 セット連続で獲得しているため、有力な候補です。
これらの選手には (ATP) Tsitsipas、Chardy、Gasquet、Del Potro、Bautista Agut、Coric がいます。WTA の試合では、現在の上位 50 位以内の選手のほとんどが有力候補です。オッズの割に最高の記録を保持している選手は、Osaka、Sasnovich、Krunic、Sakkari、Strycova です。
(ATP) Shapovalov、Haase、Tiafoe、Rublev などのオレンジの平均線を下回っている選手達は、第 1 セットを取った後そのままストレートで試合を終わらせる頻度が高くありません。例えば、Shapovalov (試合に勝つ間接的確率 48%) は第 1 セットを獲得した場合、48% の試合でしか第 2 セットを獲得していません。ATP の平均はこれよりも大幅に高く、約 59% です。WTA では、Putintseva が上位 50 位の中で最も確率が低く、第 1 セットを獲得した試合の 44% で第 2 セットを取られています。
巻き返し
不利な状況から勢いを逆転できることは、テニス選手にとって重要なことです。次のチャートは、各選手の第 1 セットを取られた場合の第 2 セットの勝率を示したものです。セットダウンの状態で第 2 セットを獲得するのが得意な選手は誰でしょう?
オッズの割には、オレンジの線を上回っている選手が平均よりも高い頻度で第 1 セットを取られた後に第 2 セットを獲得しています。このような選手には、(ATP) Dzumhur、Isner、Kyrgios、Tsitsipas、Edmund、Zverev A、(WTA) Sasnovich、Sabalenka、Sakkari、Muguruza、Williams が挙げられます。オレンジの線よりも下の選手は、セットダウンからの逆転の頻度が比較的低くなっています。
(ATP) Gojowczyk、Rublev、Chung、Carreno Busta、Del Potro、Nadal、(WTA) Putintseva、Zhang、Krunic、Osaka、Radwanska などの選手が、セットダウンから第 3 セットに持ち込むことが最も苦手なようです。
テニスのセットベット
この記事の分析には天気やコートの状態、モチベーション、怪我などの試合全体でオッズに影響を与える要素が考慮されていませんが、マーケットと選手の統計を理解することは、テニスの試合前や試合中のベットを検討する上で重要な知識となります。
Pinnacle の高い限度額とウィナー歓迎のポリシーでは、ベッターの皆様に有益なベットが存在する限りそれをご活用いただけるようになっています。