サッカーは得点の入りにくいゲームです。そのため、ペナルティキックが勝敗を分けることも珍しくありません。ペナルティキックはサッカーチームにとって恐ろしく重要なものですが、ベッティングにおいても同じくらい重要と言えるのでしょうか?ベッターはデータを使って、ペナルティの価値を判断できるのでしょうか?答えを知りたければ、ぜひこの記事をお読みください。
ペナルティとは?
ペナルティキックの込み入った話をする前に、読者によってはサッカーにおけるペナルティの意味合いについて説明が必要かもしれません。簡単に言うと「ペナルティキックは、プレイヤーが自陣のペナルティエリア内で直接フリーキックに相当する反則行為(ファウルやハンドなど)を犯した場合に与えられる」ものです。
ペナルティキックを与えられた攻撃側のプレイヤーは、ゴールの中央まで12ヤード離れたペナルティマーク上から、シュートを打つことができます。ボールが蹴られた瞬間からインプレーとなり、キーパーがシュートを防ぐか、シュートがフレームに当たった場合、プレーは通常どおりに再開されます(ただし、 ペナルティのキッカーが 最初にボールに触れることはできません。こぼれ球はシュートやクリアが可能です)。
サッカーでペナルティが与えられる頻度は?
ペナルティキックがサッカーベッティングに与える影響を判断するにあたって最初にやるべきは、ペナルティキックの状況が発生する頻度を知ることでしょう。もちろん、サッカーの試合がすべて同じということはなく、各シーズンのペナルティ数もリーグによって異なります。
明確なパターンを持たない、複合的な戦略を用いるプレイヤーは一般的に、平均以上のペナルティ成功率を誇ります。
サッカーではペナルティが与えられる頻度を検証すると同時に、ペナルティが成功する確率も分析することが重要です。ゴールまで12ヤードの位置からのフリーキックは得点する大チャンスです。その一方で、ペナルティが外れるケースも意外と多かったりします。
@PenaltyKickStatが収集したデータを用いて、欧州5大サッカーリーグの各リーグにおいてペナルティが与えられる頻度と、過去3シーズンのペナルティキック成功率をまとめると、下の表のようになります。
ペナルティの恩恵をもっとも受けているチームは?
サッカーチームがペナルティを獲得する確率と、与える確率は異なります。そのため、ペナルティを与えるよりも、得るほうが多いチームを知っておくことは、サッカーベッターにとって有益かもしれません。下の表は、獲得/許諾ペナルティ数の比率が優れている、 欧州5大サッカーリーグの上位10チームを示したものです。
ペナルティの恩恵をもっとも受けているチームは?
高度なペナルティキック戦略
ペナルティがいつ与えられるのか予想するのはベッターにとって困難である一方、プレイヤーがシュートを決める確率や、キーパーがペナルティを防ぐ確率はずっと容易に計算できます。
ペナルティキックの状況にゲーム理論を適用すれば、ベッターはペナルティキックの成否の裏にある数学への理解を深められるでしょう。ペナルティを蹴るプレイヤーは、キーパーがボールの行方を予想することを困難にさせる戦略 -すなわち、「複合的戦略」を編み出す必要があります。
通常時間帯でのペナルティキックとの明白な違いのひとつは、PK戦ではペナルティキックの成功率が75.8%から70%に低下するということ。
プレイヤーがボールを蹴る際、どちらの足を好むのか。この傾向によって、ペナルティキックの「得意なサイド」が決まります(すなわち、利き足が右のプレイヤーは通常、自分の体の右から左へ向かってシュートを打ちます。利き足が左ならその逆です)。理想的な成功率を達成するには、ペナルティのキッカーはこの蹴り足について、完全にランダムな選択を行う必要があります - ゲーム理論によれば、キッカーは61.5%の確率で「得意なサイド」を選択するそうです。
だからこそ、明確なパターンを持たない、 複合的戦略を用いるプレイヤー(現在のPremier Leagueでは、Yaya Toure、Harry Kane、Mark Nobleらが該当)は、平均以上のペナルティ成功率を達成できるわけです。リーグの平均成功率は80%ですが、彼らは85%の確率でペナルティキックを成功させています。
ゲーム理論を使ってペナルティキックを詳細に分析することは可能である一方、限界はあります。こうしたアプローチでは、ゴール中央へシュートするという選択肢や、キーパーが動くのを待ってから蹴るという現代サッカーのテクニックが考慮されません。実際、Eden Hazard、Christian Benteke、Mario Balotelliといったプレイヤーがこういった戦略を得意としています。
通常のペナルティ対PK戦のペナルティ
サッカーの試合では通常のペナルティに加えて、ペナルティキック戦(PK戦)という形でもペナルティキックが実施されます。PK戦でのペナルティがサッカーベッティングに与える影響は、90分の試合中に行われるペナルティに比べてずっと少ないと言えるでしょう(特定の大会のアウトライト市場や「トゥ・クオリファイ」市場へ頻繁にベットするベッターは反論するかもしれませんが)。
それでも、通常時間帯でのペナルティとPK戦でのペナルティの違いを検討するのは興味深いものです。明白な違いのひとつが、PK戦ではペナルティキックの成功率が75.8%(上のデータを使用)から70%に低下するということ。
低調な成功率の理由としては、不慣れなキッカーが蹴らざるを得ない、シュートする方向がランダムでない(キーパーがセーブしやすい)、そしてもちろん、トーナメント戦でのペナルティキックには大きなプレッシャーがかかるといったことが挙げられます。
ペナルティキックの興味深いデータ
今回紹介したデータは、ベッターがサッカーベッティングにおけるペナルティキックの価値を理解するのに役立つでしょうが、シーズンを通しての得点数や失点数に照らして、ペナルティの価値を考えられるようになると、さらにデータの有用性が増してくるはずです。
以下に、必ずしもベッティングの役に立つとは限りませんが、興味深いデータをいくつか紹介します。
- Yaya Toureは欧州5大サッカーリーグの現役選手中、もっとも優秀なペナルティキッカーである - 15回のペナルティキックで成功率100%。
- Matt Le Tissierは、キャリアで20回以上ペナルティを蹴ったプレイヤー中、最高の成功率を誇る - 49回蹴って48回成功(98%)。
- Martin Palermoは、1試合で3本のペナルティを外したことがある(1999年のArgentina対Columbia戦)- 1人のプレイヤーによる、1試合でのワースト記録。
- Diego Alvesは、欧州5大サッカーリーグで最高のペナルティキックセーブ率を誇る - 49回中、 23得点を許したのみ(47%)。
- Jean-Francois Gilletは、1試合で3本のペナルティキックを防いだ(2015年10月のMechelen対Anderlecht戦)。Cammy Bellも同じ偉業を達成している(2016年9月のDundee United対Dunfermline戦)。
- 90分制の1試合における、最多ペナルティ発生数は5回 - 1989年のCrystal Palace対Brighton & Hove Albion戦。
- Mohamed Jedidiは、1試合でのペナルティキック最多やり直し記録を持つ - 同選手は様々なルール違反により、同じペナルティキックを6回も蹴り直した(2004年のオリンピック、チュニジア対モンテネグロ戦)。
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