Euro 2016予選、ワールドカップ2018南米予選、ヨーロッパ各地のフレンドリーマッチなどで休止していたヨーロッパの主要リーグですが、今は準備万端で勝負のときを待っています。
スペインリーグの目玉は何と言っても、Real Madridがホームに宿敵Barcelonaを迎える、最初のEl Clásicoです。Real Madridは3点差で先行するBarcelonaに追いつき、さらに同じ都市を拠点とするAtléticoを突き放すのが狙いです。
至高の戦い
2009年にCristiano RonaldoがReal Madridに入団して以来、彼とBarcelonaのLionel Messiという、ともに世代を代表する卓越したプレイヤー同士の対決が、El Clásicoでは中心となりました。しかし二人のスーパースターは、どちらもコンディションに不安を抱えています。
MessiはBarcelonaで直近のリーグ戦を6試合欠場しており、怪我から復帰して早々にBernabeuへと向かうことになります。とはいえ、当たり前のように数多くの大会日程をこなしているBarcelonaですし、祖国の代表チームからの圧力もあって、Messiはおそらくベンチスタートになるでしょう。
対照的にRonaldoはリーグ戦に出場し続けていますが、いずれMadridを去るのではないかとの見方が強まっています。リーグ戦の最初の3試合で7点を挙げたうえ、Champions Leagueでも最初の2試合で5点を決めるなど、シーズン序盤にゴールを量産した彼ですが、最近の試合では控えに甘んじています。
BarcelonaはMessi抜きでどう戦う?
普通に考えて、Messiほどの実力を持つ選手の代わりを見つけるのは困難でしょう。しかし、体格は小さくとも、Barcelonaは攻撃力の高い選手が多く、Messiの不在の影響を感じさせません。
直近の24試合のうち、19試合で両チームが得点を挙げています。この期間にスコアレスで終わったのは1試合のみで、3点以上が入った試合は17試合ありました。
BarcelonaがLa Liga優勝を遂げた2014/15シーズン、Messiはほとんど全試合に出場しました。この間、チームの1試合当たりの平均枠内シュート数は7本強で、相手に許した枠内シュート数は2.5本弱でした。
2015/16シーズンにおいても、Messiがチームで稼働していた5試合の枠内シュート数はおおむね同程度に保たれています。彼の欠場中は若干減りましたが、それでも1試合あたり7本は維持しています。
Barcelonaに関して少し懸念されるのは、今シーズンは相手に許すシュート数が昨シーズンと比べて1試合当たり1本以上増えているということです。
相手に許した枠内シュート数が1試合当たり3.5本強というのはすばらしい守備力に違いありませんが、BarcelonaがLa Ligaで優勝した2014/15シーズンと比べると約50%も増えています。また、今シーズンの失点数はすでに、昨シーズンの合計失点数まであと9ゴールに迫っています。
Ronaldoの不在をものともしないReal
最近のRonaldoの移籍についての噂は、彼のゴールが減った一因かもしれません。負傷者も続出していますが、それでもチーム全体には影響していないようです。昨シーズンのRealの枠内シュート数は1試合当たり7.5本を記録し、相手に許した枠内シュート数は1試合当たり3.5本でした。Rafa Benitezが指揮を執る今シーズンは、どちらの数値もやや増えています。
Madridの守備はたいていBarcelonaほど堅くありませんが、今シーズンはリーグ戦での失点数が5点少なくなっています。ただし相手に許した枠内シュート数の平均は上昇傾向にあります。
El Clásico – 一騎打ちの行方
伝統的なライバル関係を抜きにしても、El Clásicoは重要です。なぜなら、両チームともLa Ligaの他チームとの試合ではほぼ勝ちが決まっていますが、1シーズンに2回行われるこの試合では勝ち点を落とす可能性が高いからです。
両チームが直接対決するのは、La Ligaだけに限りません。MessiとRonaldoがそれぞれ入団してから現在まで、両チームはCopa del Rey、Spanish Super Cup、UEFA Champions League準決勝でも試合を行っています。
2009年11月以降に行われた24試合では、Barcelona(全大会で11勝)がReal Madrid(6勝)よりも優勢です。MadridはCopa del Reyで7度の引き分けを経験していますが、そのうちの1つ、2011年の決勝では延長戦にRonaldoのゴールで勝利を挙げています。
直近の24試合のうち、19試合で両チームが得点を挙げています。先ほど例に挙げたCopa del Reyの決勝は90分間スコアレスで終わった唯一の試合であり、3ゴール以上入った試合は17試合あります。2009年以降、ホームチームが得られるアドバンテージはそれほど大きくなく、ビジターチームの22試合中7勝に対し、ホームチームは9勝となっています。
結論
両チームのクオリティに疑問の余地はなく、Luis EnriqueとRafa Benitezの両監督は恐らくLionel MessiとCristiano Ronaldoをそれぞれ土曜の晩にスタメン起用したいと考えているでしょう。ただし、統計を見る限りでは、この二人だけが勝敗を分ける要因とは言えません。
これは両チームの持つ強みです。Messiが今週末のスタメン起用に耐えうるコンディションでなかったとしても、チームが持つ攻撃力や最近のNeymarやLuis Suarezの調子を見れば、敵地で勝ち点を拾える可能性は高いことがLuis Enriqueにはわかっています。