FIFA世界ランキング
FIFA世界ランキングは、各国のナショナルチームを勝利ゲームに基づいて比較するシステムです。また、ビッグマッチや主要トーナメントで勝利したり、強い対戦相手に勝利するとポイントが加算されます。
FIFAは1992年にこのランキングシステムを導入しました。それ以降、ドイツ、フランス、ベルギー、イタリア、スペイン、オランダ、アルゼンチン、ブラジルの8チームがランキングで1位の座を支配し続けています。
チームの相対的な強さがきちんと反映されていないという批判を受け、FIFAは2006年のワールドカップ後にランキング方法を改訂しました。これにより、対象となる試合結果が、過去8年から過去4年間の結果に変更されています。
チームの評価の計算は、4年間のポイントの加重平均に基づいています。ランキングは約1カ月に1度発表され、その間に行われた試合は、次のランキングに反映されることになります。
イロレーティング
イロレーティングシステムは、もう1つのランキング算出方法です。この方法はもともと、2人制ゲームの技術レベルを評価するために、アメリカのマスターレベルのチェスプレーヤーであり物理学者でもある、ハンガリー生まれのアルパド・イロが考案したものです。
イロレーティングシステムには、実際の結果と、試合前の評価に基づく予測の両方を対象として、チームの評価を補正する機能があります。
考案されて以来、この方法はいくつかのスポーツに採り入れられており、現在はサッカーチームのパフォーマンスの評価に広く使用されています。FIFAランキングと同様、イロレーティングも信頼されているレーティングシステムです。FIFAランキングとの大きな違いは、1試合ごとにポイントが更新される点です。
そのため、イロシステムは、実際の結果と、試合前の評価に基づく予測の両方を対象として、チームの評価を補正するシステムとみなされています。イロレーティングの算出方法に関する詳細については、「イロレーティングのサッカーベットへの応用」の記事をご一読ください。
ヨーロッパのナショナルチームの最新の結果とイロレーティングのポイントについては、World Football Elo Ratings: Europe(ワールドフットボールイロレーティング:ヨーロッパ) (eloratings. net)をご覧ください。
以下は、それぞれのランキングシステムに照らした、ヨーロッパのトップ10チームです。
トップ10ヨーロッパチーム
|
FIFAランキング* |
スコア |
|
イロレーティング** |
スコア |
ベルギー |
1364 |
ドイツ |
2037 |
||
ドイツ |
1309 |
スペイン |
1977 |
||
スペイン |
1277 |
フランス |
1947 |
||
ポルトガル |
1184 |
イギリス |
1934 |
||
イギリス |
1069 |
ベルギー |
1896 |
||
オーストリア |
1067 |
ポルトガル |
1885 |
||
トルコ |
983 |
オランダ*** |
1880 |
||
スイス |
974 |
イタリア |
1844 |
||
イタリア |
959 |
ウクライナ |
1797 |
||
オランダ*** |
931 |
トルコ |
1797 |
*最終更新日:2016年5月5日
**2016年5月2日時点
***Euro 2016で敗退
FIFA対イロの勝者は…
2つのリストを比較すると、フランスに大きな違いが見られます。フランスはイロ方式では3位ですが、FIFA方式ではトップ10にも入っておらず、ヨーロッパで14位にランク付けされています。
FIFAランキングには、大きなトーナメントの開催予定国の順位が低下するという共通の現象があります。Euro 2016の開催国であるフランスにもこのことが当てはまります。2014年のワールドカップ後に世界ランキング10位まで上り詰めたフランスは、 これまで17試合中11試合に勝利し、Pinnacleのオッズも4.060*で、7月に行われるアンリ・ドロネー杯で優勝する確率は実に24.6%を示しているにもかかわらず、FIFAランキングでは21位と低迷しています。
フランスはイロ方式では3位ですが、FIFA方式ではヨーロッパで14位にランク付けされています。
フランス代表は2014年のブラジル大会以降、親善試合でしかプレーしていませんが、他国の代表は主に予選試合でプレーしています。FIFAランキングの計算では、予選試合は親善試合の2.5倍重要とされており、このことがFIFAランキングでフランスが低く位置付けられている理由だとわかります。
イロレーティングは継続的に更新されています。また、FIFAがチームの過去4年間の結果を見るのに対し、イロレーティングではこれまでのすべての結果が考慮されます。この2つを合わせて考えると、Euro 2016のベッティングを行う際により信頼できるランキングシステムがおわかりになるでしょう。
アムステルダム大学は2009年、8つのサッカーランキング算出方法を比較研究した結果を公開しました。それによると、サッカーの試合の予測ツールとして最も優れているのはイロレーティングであり、男子サッカーのFIFAランキング方式はあまり機能を果たしていないとされています。
興味深いことに、この研究では、FIFA女子ランキングが男子のランキングよりもはるかに機能していることがわかりました。なぜでしょうか?その理由は、女子のランキングでは、イロレーティングのアルゴリズムを採り入れて、各試合後にランキングを更新しているからだといえます。
どのランキングシステムが一番よいか、もうおわかりですね。Euro 2016の最新のオッズを見てみましょう。ヨーロッパチャンピオンシップとワールドチャンピオンシップで優勝するのはドイツでしょうか?あるいは1998年と同じように、フランスはホームアドバンテージを活かすことができるでしょうか?