スポーツベッターの一番の仕事は(願わくば)開始した時よりも多くのお金で終了することです。全てのベットで勝つ人はだれもいませんが、負けたベットをカバーできるくらい十分勝つことができれば、勝者からの利益は(願わくば)敗者で負けたステーク(賭け金)よりも大きいはずです。すなわち、収益全体は(願わくば)持っているベットの合計金額よりも大きくなります。問題は、良い収益とは何か、です。
ROI(投資利益率)とは?
これに答えることは簡単ではありません。1本の糸の長さがどれくらいかを聞くことほど曖昧なことはありませんが、検討するためのポイントはいくつかあります。
最初に、持っているベットが多いほど、つまりステーク(賭け金)のお金の額が大きければ大きいほど、絶対的な利益(またはそれに関する損失)が大きくなる可能性があります。異なるベット数と異なるステーク(賭け金)を持つベッティング履歴を比較するために、何らかの標準的な尺度があると便利でしょう。
明らかに、2人のベッターは同じではありません。利用するべき一般的な指標は、パーセンテージとして表示される投資利益率(またはROI)として知られているものです。また、これは売上高利益率(POT)や利回りと呼ばれることもあります。これらは全て基本的に同等です。
ROIは、ベッターに収益されるお金の合計を、掛け金の合計で割ることによって、簡単に計算されます。
あるベッターが一連のベットで$1,000を賭けて、全ての勝ち負けを合計して、$1,050になった場合、ROIは$1,050/$1,000 = 1.05つまり105%になります。純利益は$50であり、その時の売上高利益率は$50/$1,000 = 0.05つまり5%になります。
また、これは利回りとして知られています。その2つを関連付けると、POT= ROI – 1(つまり100%)になります。ROIやPOTといった指標を利用することで、異なるベッターが、異なるステーク(賭け金)する優先とベット数とを比較することができるのは明らかです。
1人のベッターが全てのステーク(賭け金)に$1を賭けて、500回のベットで$600の収益後、120%(POT = 20%)のROIを示すことになります。もう1人のベッターが全てのステーク(賭け金)に$1,000を賭けて、10,000回のベットと$12,000,000の収益後、最初のベッターと同じROI(とPOT)を示すことになります。
明らかに2人目の方が絶対的な利益をはるかに多く得ていますが、ROI(とPOT)によって、彼らのパフォーマンスにおける成功(スキルや運による)を比較することができます。
ベッティング履歴の長さ
120%のROIは、もう1つの120%のROIと常に同じでしょうか?答えはノーです。その理由は2つあります。
スポーツベッターはバイアスをスキルに置き換えることが可能に
最初はベッティング履歴の長さであり、時間においてではなく、ベット数を表わします。全てのベッティングは、コイントスのように、確率の法則に従います。コインを10回トスして6回表が出た場合、そのコインが表に偏っていたと結論付けられるでしょうか?
間違いなくできないでしょう。それに対して、1,000回トスして600回表が出た場合、そのコインが偏っていなかったと信じるのは愚かな人だけでしょう。その記録が長ければ長いほど、期待された結果からの逸脱が、偶然以外の何かによる可能性が高いです。
コイントスの場合、それはバイアスのあるコインですが、スポーツベッターの場合、スキルのあるバイアスに置き換えることができます。
これをさらに説明するために、2つのベッティング履歴を検討しましょう。全てのベッティングオッズは2.00でありフェア(ブックメーカーのマージンなし)であり、50%の勝率を意味し、そして両方のベッターに105%(つまり5%の利回り)が還元されました。
唯一の違いは長さです。最初のベッターは250回ベットし、2番目のベッターは2,500回ベットしました。以下の図表は、各ベッターが何のスキルも持っていないと想定して、幸運または不運(の機会)という理由だけで経験しうる可能性のある結果の範囲を説明しています。
最初のベッターの可能性の幅(250ベット)は、青い曲線で表されています。実際の利回り(5%)は黒い垂直ラインで示されています。黒いラインの左右にある青い曲線の下の部分を見てください。
その大きさは、5%以下または以上の利回り(105%のROI)を実際に達成する確率と同等です。
右の部分は、青い曲線の下にある合計部分の約21.5%であり、より幸運なら、このベッターには実際の結果よりも良い結果を出す機会が21.5%あることを意味します。このベッターにスキルがあると言うのは間違いなく言い過ぎです。
2,500回ベットした2番目のベッターの可能性の範囲は、オレンジの曲線で示されています。再び、5%の利回り(105%のROI)を達成したことが分かっていますが、今回、より良い結果を出す可能性は、はるかに小さく、実際には1%以下です。
確かに、本当に幸運であったと主張することもできますが、最初のベッターの場合よりも結果を出すのが困難になります。その代わり、2番目のベッターの場合、幸運以外の何かが実際の結果に影響を及ぼしていると主張することは容易です。
ベッターが不正をしていないと想定すると、最も分かりやすい説明はスキルです。
そのため、現在、ROIがいかに優れているかを判断する際の最初の要素があります。この例では、両方のROIも同じですが、2番目のベッターの方が優れています。運ではなくスキルの結果であると主張しやすいからです。
言うまでもなく、運は最終的に尽きますが、スキルだけは将来の利益につながる持続的なものです。
それ以外の状況が全て同等であれば、2人のベッターは同じ利回りを持ち、より優れているのは長い記録を所持しているベッターです。
ベッティングオッズの影響
当然ながら、それ以外の状況が全て同等であることは稀であり、ベットの好みが異なるベッターの間で最も明らかな違いは、ベッティングオッズにあります。異なる長さのベット記録で行ったのと同じ方法で、異なるオッズでベットする2人のベッターを比較することができます。
アジアンハンディキャップベッターまたはUSのポイントスプレッドベッターは、一般的に、2.000前後のオッズでベットします。
それに対して、単勝競馬の専門家は、平均オッズが10.000以上の記録を出している可能性があります。直感的に、どんなものを目にすることになると思いますか?ちょっと見てみましょう。
下記の図で2人のベッターは、現在、両者とも2,500回のベット記録を持っています。確率論によって定義された、可能性のあるパフォーマンスの幅は、再び、青い曲線(オッズ=10.000)とオレンジの曲線(オッズ=2.000)によって示されています。
再び、利回り=5%ラインの左右にある曲線下の相対的な部分を見ましょう。
より長いオッズをベットすることでより大きいポジティブな収益を得ることが可能に
記録の長さが同じであるにもかかわらず、10のオッズでベットするベッターにとって、5%の利回りを偶然に(スキルなしで)起こるだけの可能性の方がはるかに高いです。これは、より低い確率のイベントが幸運と悪運によって大きく影響を及ぼされるというだけの理由で生じます。
より長いオッズでベットすると、幸運によってのみ、より大きいポジティブな収益(と利回り)を得ることができます。しかし、その反対は、上の図が説明するように、悪運によってその反対を得ることになります。
実際、10.000のオッズでベットするベッターにとって、2.000のオッズでベットするベッターの5%利回り(またはベッター)が実現する小さい可能性を一致させるには、ベットする記録を約22,000回のベットに増やす必要があります!
現在、ROIがいかに優れているかを判断する際の2番目の要素があります。それ以外の状況が全て同等であれば、2人のベッターは同じ利回りを持ち、良い方のベッターがより短いオッズを達成していることになります。
このことから、優れた利回り(ROI)がより長いオッズにベットするベッターから期待され、より短いオッズのベッターと同等のスキルがあると想定されると結論付けられます。利回りの重要性はより大きいかもしれませんが、必ずしもスキルがより高いことを証明するものではありません。
ベッティングオッズ(とベッティング履歴の長さ)を考慮しない限り、2人の異なるベッターの利回りを比較しスキルの証拠を見つけるたことは、本当に公正な比較ではありません。
ベッティングスキルの1つの指標としての可能性
それでは、最初の質問に戻りましょう:優れたROIを実現するには?ROIの質(または利回り)は、ベッティング履歴の長さとベッティングオッズの大きさの両方によって影響を及ぼされることが分かっています。
この両方の要素を分析する際、あらゆる可能な結果の範囲内で、特定の結果を見る可能性を検討し分析しました。
間違いなく、つまり、2人のベッターのパフォーマンスを比較するには、単純にROIだけでなく、可能性を比較する方が良いということです。なぜなら、特定の結果が出る可能性は、ベッターの基本的なスキルを示す意味のある尺度だからです。
その時、そうすることによって、異なるオッズを利用するベッターからどのようなROIが期待されるか、より良く理解することができます。
下記2つのグラフにこのことを示し、3つの可能性あるレベルを検討しました。すなわち、結果が偶然起こる10%の可能性、1%の可能性、0.1%の可能性です。
先に説明したように、あることが純粋に偶然(幸運)によって起こりうる可能性が小さければ小さいほど、偶然だけが結果に影響を及ぼすのではないと考える自信をもつことができます。
しかしながら、これらの可能性の数値は、ベッターにスキルがある90%、99%、99.9%の確立と同等ではないと理解することは重要です。これは純粋に質的な関係であり、量的な関係ではありません。
最初のグラフは、スポーツベッティングマーケットの大半にある一般的なオッズ範囲を対象としており、多くのスポーツベッターによって一般的に好まれています。
例えば、偶然生じる確率が1%のみである結果のベッター(赤いライン)は、1.5のオッズから期待される利回りが約5%になることが分かります(ROI = 105%)。
同様のスキルがあるベッターが3.000のオッズをベットすると、期待される利回りは10%以上になります。
これらの関係をさらに長いオッズに拡大したことを説明するのが2番目のグラフ(下記)であり、例えばゴルフや競馬の単勝マーケットなど、より多くの走者がいるマーケットを対象としています。
同じベッターが20.000のオッズをベットすると、35%以上の利回りを示すと期待されます(ROI = 135%)。
このことから、このような長いオッズでベットしているベッターがそれほど大きな利回りを示していない場合、より短いオッズでベットしている人ほどのスキルはなく、赤い曲線より下にあるオッズの利回り曲線に座することになる、と結論付けられます。
すなわち、ベッターが、3.000のオッズによる同等の利回りよりも、5.000のオッズの方が15%の利回りを示す可能性が約10倍あり、14.000のオッズの方がそれを示す可能性はさらに10倍高くなります。
結論
ROIはベッティングにおいて全て同じではありません。1人のベッターのROIがもう1人のベッターのそれよりも2倍大きいという理由だけで、必ずしもよりスキルのあるベッターになるとは限りません。より大きな利回りは、より短いベッティング履歴のみからだけではなく、より長いオッズにベットすることからも期待されます。
短期的に見れば、利回りは高いほうが良く感じるでしょうが、収益性の持続可能性な収益性を左右する要素は、ベッターのスキルレベルです。
この記事で可能性の概念をもう少し掘り下げることで、優れたROIを実現するのは何かを、より良くご理解して頂けると思います。
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