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ベッティングでリターンが得られる範囲をモデル化する方法

ベッティングリターン分布の数学

利益の標準偏差が教えてくれることとは?

未熟なベッティングキャリアはどのくらい続く可能性がありますか?

ベッティングでリターンが得られる範囲をモデル化する方法

ベッターは、どの対象にどのくらいベットしたか、どのくらい利益を得ることができるか(優先順位が異なる場合もある)で頭がいっぱいになっていることが多くあります。 1回のベットでいくら勝つかが重要ですが、ベッターはより多くのベットサンプルに対してのリターンを考慮する必要があります。ベッティングでリターンが得られる範囲をどのようにモデル化するのでしょうか? 詳しくは続きをお読みください。

最近ツイッターで、有名なツイッターのレース予想屋のリターンを確認しました。1,015回のナップの後(その日最高評価の予想)、レベルステークスのターンオーバーに占める利益は-4.3%でした。

「これは、全体の利益を試す適切なサンプルです」

私は良く考えずにそう言いました。何千もの予想はやはりかなり多いものですよね? 確かに、つい先月、ランダム性がこれほど大きなサンプルに対して、結果にどのような影響を与える可能性があるかを再び議論したばかりでした。

それにもかかわらず、私たちに、問題の予想屋が以前言ったように「インターネット上で最高の競馬予測」を提供していないかもしれないということを信じるに足る合理的な理由はあるのでしょうか。

私のツイッターのフォロワーの1人は、こう発言しました。「あなたの主張に反対するわけではありませんが・・・1,000回のベットは何かを結論づけるのに十分な数でしょうか?」と。

私は少し考えた後で、おそらく十分ではないだろうと思いました。私は返答しました。

「確かにそうですね。勝利したナップの平均オッズは2.62です。これ以外の、負けた3分の2(オッズは示されていない)がわずかに高いオッズだったとし(そのために負けました)、全体で約3.00としましょう。

1,015件のベットのサンプルに対して得られる予想標準偏差は約0.045(4.5%)になります。長期的な予測は-4.5%だとします。サンプルの予想標準偏差はこれに近づいていくでしょう。または、予想が差し引きゼロだったとします。残念ながら、それからおよそ1標準偏差内に入りますが、必然的な変化の領域内に十分入っています。

それでは、+4.5%と予想しましょう。およそ2標準偏差内、あるいは約2.5%の確率内に入ります。それでも、長期的予測では+4.5%だったと言えますが、不運だったでしょう。しかしながら、より高い期待リターンを得るためには、1,015回のベットの結果がただの不運だったと主張するのはますます難しくなります。 

では、利益の予想標準偏差の4.5%という数字はどのようにして導き出したのでしょうか? この記事の目的は、それを正確に説明することと、どのようにして私たちの予想と実際のベッティングの成績とを比較して判断する際にこれを活用するかを説明することです。

ベッティングリターン分布の数学

ベットは50:50のプロポジション、勝つか負けるかです。2018年11月、私は二項分布を使用して、無作為性に影響されるベットのサンプルの勝ちと負けについて、考えられる分布を表現する方法について説明しました。それぞれ勝率pが「真」のn回のベットのサンプルでは、サンプルの勝率の標準偏差、またはスプレッドは以下の式で求められます。

modelling-returns-formula1.png

たとえば、100回のベットで、各ベットの勝率が50%である場合、勝率は50%であると予想され、標準偏差は5%になります。言い換えると、起こり得る結果の約3分の2が45%から55%の間に収まり、それらの約95%が40%から60%の間に収まるということになります。 

勝ち負けは気にせずに、実際の利益についてはどうでしょうか? 上記の式に少しだけ、ベッティングオッズも含めて変更を加える必要があります。そこで、各ベットのオッズをoとすると、発生し得る収益(あるいはターンオーバーに占める利益)の標準偏差は以下の式で求められます。 

modelling-returns-formula2.png

この例では、実際は甘すぎるコイントスですが、ブックメーカーによるイーブンマネーベットのオッズに対する私たちの「真の」勝率を60%としています。100回のベットから発生し得る収益の標準偏差は9.798%または予想される収益の約20%になります。

フェアオッズの場合、o = 1/pとなり、上記の式は以下のようになります。

modelling-returns-formula3.png

この特殊なケースは、ベッターが元を取る予想(収益= 0%)である場合にしか実際は当てはまりませんが、未熟なベッターがブックメーカーのマージンを被ったり、ベテランのベッターがそれに打ち勝ったりといったことがあっても、oと1/pとの間の差は一般に小さいため、単純化するために問題なく使用することができます。これを示したのが下図です。

modelling-returns-in-article1.jpg

この例では、この手軽な式を使用すると、pの値が何であっても必ず標準偏差が10%になります。しかし、40%から60%の間の勝率に対する実際の標準偏差にかなり近いものとなっています。少なくともピナクルでは、イーブンマネーベットでの勝率が最低でも40%になるベッターはいないはずです。 

ピナクルのマージンの多くが、ベットの1~3%です。オッズ2.00でマージンが2%だと、勝率は約49%になります。(実際の100回のベットの収益の標準偏差は9.998%になります)同様に、世界で最も優れたハンディキャップベッターは、勝率が55%から56%付近になります。(100回のベットの収益の標準偏差は9.928%になります) 

利益の標準偏差が教えてくれることとは?

では、最初に紹介した例に戻り、収益の標準偏差が私たちに教えてくれることについて明らかにしていきましょう。1,015回のレベルステークスのベット(n)に対する平均賭け金が3.00(o)、予想では-4.3%で示されている「真の」勝率が32%(p)とすると、上記の式から収益の標準偏差は4.39%(または簡便式を使用すると4.44%)になります。 

ベッティングで収益が得られる予想周辺の分布は、次に示すようになるでしょう。これらは、ExcelのNORMDIST関数を使用して簡単に作成することができます。理論上はこれらの分布は二項分布で、それゆえに離散的ですが、上記の約30のサンプルでは、(連続した)正規分布が非常に信頼性の高い近似方法であり、こうしたグラフをExcelで作図するのに適しています。 

modelling-returns-in-article2.jpg

青い曲線の下の領域は合計100%になります。このシナリオでは、実際の収益が予想と一致しているとしています。しかしながら、オッズが非常に高いため、発生し得る収益は、最も確率が高い結果を平らにして、かなり幅広く分布しており、この-4.3%はその時点の10%未満となります。 

そのツイッターフォロワーは、最初の私の観察に質問したでしょうか? おそらく、したでしょう。明らかに、最高の競馬予測情報の代表ではありませんが、こうした情報サービスがマイナスの予測をしていることが明らかであるわけではありません。このシナリオでは、発生し得る収益の13.65%が収益性があり、これは統計的に受け入れられる境界内に収まっています。予想屋は、-4.3%よりも良い予想を立てているかもしれません。その場合は単に不運なだけです。

あるいは、最初に説明したように、予想屋の予想が差し引きゼロであった場合はどうでしょうか? その場合の分布は次のようになります。このシナリオでの収益率16.13%は、実際の成績を下回っており、不運という可能性を排除するほどに非常に高くなっています。

modelling-returns-in-article3.jpg

予想が+4.3%であった場合はどうでしょうか? 分布はこのようになります。これでも、結果は2.76%で、実際の結果よりも成績は悪くなります。小さいことですが、私たちは本当に、不運を完全に除去できたと判断できるのでしょうか? その結果は40人の予想屋のうち1人以上の場合であり、例えば4,000人の予想屋のうち1人以上の場合はもっと悪くなるでしょう。

modelling-returns-in-article4.jpg

最後に、この予想屋が、インターネット上で最高のレース予想をし、またよりありそうな、ターンオーバーに占める利益が10%になることが分かると主張したとしましょう。発生し得る収益は以下のような分布になります。

modelling-returns-in-article5.jpg

このうちおよそ2%は損失をこうむりますが、観察された4.3%よりも悪い結果となるのは1,000分の1以下になります。おそらく今こそが、この予想屋を自信過剰バイアスのために呼ぶときでしょう。

平均オッズ、収益とベット数が分かっていれば、発生し得る収益の予想標準偏差を計算し、目的の分布にマッチするようにプロットすることができます。私がここで実施したように、私たちが実際に達成したことを、私たちが達成できると思うことについてのさまざまな意見と対比することが可能です。

何が起こるかについての意見(たとえば1%未満、あるいは0.1%未満)を考えれば、実際の収益が発生する可能性がわずかしかない場合は、予想を検証することを考えなければなりません。

ベッティングオッズの変更

発生し得るベッティングの収益の分布は、ベッティングオッズが異なる場合にどのように変化するでしょうか? 以下は、予想が差し引きゼロとなるシナリオです。

modelling-returns-in-article6.jpg

オッズが高いほど、結果の分散やスプレッドが大きくなるのは驚くことではありません。もちろん、こうした差し引きゼロのシナリオでは、分散(または標準偏差の二乗)はオッズマイナス1と直接比例します。

より高いオッズでのベットは、ただ幸運であるというだけで予想よりも大きく良い結果を得られるチャンスが広がるということです(分布の端は収益が高いほど太くなる)。もちろん、この分布は対称であるため、この逆も残念ながら真です。

ベット履歴の長さの変更

また、ベット履歴の長さが分布に与える影響も確認できます。上記の式は、収益の標準偏差が、ベット数の平方根に不可逆に比例していることを示しています。ひいては、100回のイーブンマネーベットからの差し引きゼロの予想(10%)は、10,000回のベットの同等の成績(1%)よりも10倍の分布となっています。その他の例を一部、以下に示します。 

modelling-returns-in-article7.jpg

ベット履歴の長さが長くなり、高さが高くなると分布が狭くなるのは、基本的に大数の法則を視覚的に表しています。サンプルが大きいほど、達成する内容が実際の期待値の尺度となる可能性が高くなります。

未熟なベッティングキャリアはどのくらい続く可能性がありますか?

最後の思考実験として、-2.5%の未熟なピナクルのハンディキャッパーが未熟であると判明するのにどのくらいの時間がかかるかを考えてみましょう。ある人の予想収益の標準偏差を知ることは、いくつかのヒントとなり得ます。

以下の表は、さまざまなベッティングオッズに対する一連のベットの後に、ハンディキャッパーがまだ勝っている可能性を示しています。

oベッティングオッズでのn回のベット後に収益を得ている確率

oベッティングオッズでのn回のベット後に収益を得ている確率

-

ベッティングオッズ(o)

ベット数(n)

1.5回

2回

3回

5回

10回

100

36.34%

40.13%

42.94%

44.98%

46.64%

500

21.73%

28.80%

34.54%

38.89%

42.53%

1,000

13.46%

21.45%

28.68%

34.49%

39.49%

5,000

0.67%

3.85%

10.42%

18.61%

27.56%

10,000

0.02%

0.62%

3.76%

10.35%

19.97%

マージンの小さいブックメーカーでは、少しの運が良ければ、特にオッズが高い場合は長持ちします。もちろん、運が悪ければ、オッズが高くなればなるほど破産への道のりはずっと早くなります。

これも同様の表ですが、ここでは10%の損失をこうむる確率を示しています。これは単に、変動がより大きいこと(および発生し得る収益がより広い分布していること)の結果です。

oベッティングオッズでのn回のベット後に10%の損失を受けている確率

oベッティングオッズでのn回のベット後に10%の損失を受けている確率

-

ベッティングオッズ(o)

ベット数(n)

1.5回

2回

3回

5回

10回

100

14.73%

22.66%

29.68%

35.25%

40.02%

500

0.95%

4.67%

11.63%

19.86%

28.59%

1,000

0.05%

0.88%

4.57%

11.56%

21.20%

5,000

0.00%

0.00%

0.01%

0.37%

3.69%

10,000

0.00%

0.00%

0.00%

0.01%

0.57%

現実世界のベット履歴を使用した式は、どの程度堅固でしょうか?

最後に、この計算式が、あるオッズの範囲にベットするときに収益の標準偏差を予想する場合、どれほど堅固であるかを疑問に思うかもしれません。これまでのところ、私はすべてのベットが同じオッズであると単純に仮定しました。もちろん、多くのベッターがあらゆる種類の金額でベットしています。ベッティングオッズの平均値を取得するだけで、信頼できる収益の標準偏差の値を得ることはできるでしょうか? 

マージンの小さいブックメーカーでは、少しの運が良ければ、特にオッズが高い場合は長持ちします。運が悪ければ、オッズが高くなればなるほど破産への道のりはずっと早くなります。

この記事の冒頭の予想屋の成績に戻り、(公開されない負けた予想を含め)欠けているオッズを人工的に埋めて平均オッズを3.00にしました。実際のオッズのスプレッドは、最も低いオッズ8/11(1.73)から高いオッズ14/1(15.0)まで広大なものでした。

Excelの乱数ジェネレータを使用して、すべてのベットに対する予想値が-4.3%の場合の結果をシミュレートして、10万回のモンテカルロシミュレーションを実行すると、1,015回のベットサンプルに対して10万の異なる収益が得られました。収益の平均は-4.297%で、これらの収益の標準偏差は4.373%でした。これは許容誤差内で、私の式から予想した4.389%とほぼ同じ値が導き出されています。

中には、偶然によってベッティングの成績が上がる可能性を予想するこの方法と私のt検定方法との類似性に気付いたかもしれません。基本的に、この2つの方法は、やり方が非常に似通っています。実際、サンプルサイズが小さい場合(n > 30)でも、二項分布、正規分布、t分布は本質的に同じものです。

この記事が好みや成績に応じてベッターが抱くさまざまな予想範囲をより良く視覚化することができているといいのですが。

ベッティング成績を検定するためのt検定計算機に加えて、自分自身の成績を検定することができる収益分布計算機も利用できるようになりました。

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