11 25, 2016
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Joe Petaへのインタビュー – 株式トレーダーからベッティングの専門家へ

Joe Petaへのインタビュー – 株式トレーダーからベッティングの専門家へ
ピナクルでは先日、救急車にひかれ、負傷中に勤務先の投資銀行を解雇されたのち、野球ベッティングに活路を見出した、ウォール街の株式トレーダーの物語『Trading Bases』の書評を行いました。今回のインタビューはその続編的な企画です。優れた野球ベッティングモデルを開発し、その経緯を本に記したJoe Petaという人物について、さらに深く掘り下げていきます。そしてJoeが考えるベッティングの未来や、ブックメーカーよりも優位に立つためのアドバイスを学びましょう。

あなたはとあるディナーパーティに来ています。『Trading Bases』を読んでいる人や、知っている人は一人もいません。どうやってご自身のことや、自分の実績を紹介しますか?

私を見ても誰だか分かる人は少ないでしょうが…そうですね、「Charlie RoseやBilly Beane、Maria Bartiromoが絶賛した本を書き、彼らからインタビューを受けた者です」と答えておきましょうか。

なぜ、自分の強みを捨てようと?モデルを公開せずに、賭けを続けてもよかったのでは? 

その手の不安はなかったですね。理由はいくつかあります。まず、モデルは常に進化します。私のモデルも基本的な枠組みは5年前と変わりませんが、当時から引き継いでいるいくつかの部分は今になって、とても使えないとゾッとしています。次に、私のモデルによって、野球マーケットの全体的な値付けに影響が及ぶとは到底思えないからです。

「私は2012年のフルシーズンで、投資家にとっては12~14%のリターンを期待できるエッジがあると計算しました」

最後に、あの本の趣旨は、金融業界の資産管理術と、野球のセイバーメトリクス的な側面、そしてスポーツベッティングの間で共通する、極めて重要な論理的思考法を称賛することにありました。 

賭けを続けることに関して言うと、私は2012年のフルシーズンで、投資家にとってはおそらく12~14%のリターンを期待できるエッジがあると計算しました。ラスベガスで上限額を稼ぐよりも早く、100万ドルの投資金を倍にできると読んだわけです。なので、期待リターンは12%としましょう。200万ドルなら24万ドルです。 

ヘッジファンドのマネージャーの場合、利益配分は伝統的に20%ほど。この場合なら4万8千ドルの収入です。他の専門職の給料と比べても、勝負にならないでしょうね。

戦略を編み出すのにはどのくらいの時間がかかったのでしょう? ベッティングの初年度はどうでしたか?何がモチベーションとなったのでしょうか?

私はプログラムを書けないので、千年以上かかってもおかしくなかったですよ!実際のところ、2年間は試行錯誤の連続でした。モチベーションとなったのは、自分が怪我をしていて働けないという事実。療養中でも夢中になれる何かが必要だったのです。

あなたが今、ご自身のベッティングモデルを用いるとしたら、何を基準にブックメーカーを選びますか?

間違いなく、ハンデのシビアさでしょう。私はこの本の中で、モデルベースのベッターにとって野球ベッティングが魅力的な市場である理由を、多くのページを割いて説明しています。もちろん、最大の魅力は低マージンを約束する「ダイムライン」です。 このラインを守っているブックメーカーなら、仮に少々儲けが減っても、最初にそこを狙いますね。

とは言え、敢えて触れてはいませんが「上限」の問題もあります。私は元々マーケットメーカー勤務のプロの株式トレーダーで、今自分がやっていることはすべて、基本的にはカスタマーサービスだと考えています。本書やマーケットメーカーの役割が金儲けにあることは明白ですが、資金力のあるベッターと、リスクを恐れない投資家を結びつけることこそ、何よりも意義のある役割なのではないでしょうか。

スポーツベッティングは今後、どういった方向へ進むとお考えですか?ベッティング戦略やモデルを用いるベッターは増えるでしょうか?

今後は法人組織を介した「エンティティベッティング」が増えていくでしょう。こうしたベッティングは、事業者が新商品をオファーすることで活性化され、事業のブックメーカー的な部分での成功が導かれると考えます。何より重要なのは、プリンシパル的ビジネスから、エージェント的ビジネスへと徐々に移行していくことでしょう。

究極的には、単純に資本をリスクに晒すのではなく、既存資本を維持しつつ利益を回収できるような、進化したモデルを導入することで、ビジネスの規模はもっと成長していくはずです。

個人レベルでの困難は乗り越えられる。あなたの本を読むと、そのことが明白に伝わってきます。ご自身のベッティングモデルや、その結果に関しても、何らかの困難を克服してきたのでしょうか?

プロの株式トレーダーとして10年以上働いてきたおかげで、私はリスクや、資本をリスクに晒すことの利点や欠点については自信を持って取り扱うことができます。なので、何かをためらったことは思い当たりません。

セイバーメトリクスは明らかに、あなたのモデルの重要な基盤を担っていました。あなたのモデル(あるいはSIERAのようなスタッツ)は進化したでしょうか? あるいは今後進化していくと?ベッターが利用できる戦略はもっと増えていくのでしょうか? それともブックメーカーはすべて織り込み済みなのでしょうか?

私が思うに、守備力の測定や予測が、今のマーケットで最大の非効率を生んでいるのではないでしょうか。野球の素晴らしい点は、実に様々な情報が手に入るので、すべてのベッターがそれぞれのやり方で計算や判断を行えるということ。

ダイムラインのおかげでマージンが少ない、野球のようなマーケットでは、様々なベッターが様々なモデルを用いて、ありとあらゆる「正解」にたどりつくことができる。そのため、市場は常に調整を余儀なくされるのです。

『Trading Bases』の出版後、テクノロジーは進化したでしょうか? 例えばデータ分析やソーシャルメディアはベッターを助ける、あるいは妨害するとお考えですか?

確実に言えるのは2012年の出版後、デイリー・ファンタジー・スポーツでのベッティングが爆発的に増加し、プログラマーとデータアナリストの巨大なグループが誕生したこと。彼らは私よりも、はるかに洗練された能力を持っています。

株式取引での経験が、あなたのモデルの成功には不可欠だったようです。それ以外にも、成功に役立った技術や経験はありますか?

資本配分の観点からのポートフォリオ管理ですね。株式取引と同じように思われるかもしれませんが、実際はかなり違います。本書の中でも触れていますが、私はベッターの多くがケリーの公式を誤って使用していると強く感じています。

「野球における守備力の測定や予測が、今のマーケットで最大の非効率を生んでいるのではないでしょうか」

ヘッジファンドやミューチュアルファンドの管理経験があると、リスクや変動幅、そして何より「取り替えのきくレベル」のアセットに対して、鋭敏な感覚を養うことができます。S&P 500のような株価指数に対しても。

野球のようなオルタナティブファンドの運用は、同額のリスクで、より高い期待リターンを探し当てる訓練とも言えます。それができた瞬間、あなたは有力な投資手段を手に入れたことに気づくでしょう。そしてどうかご安心を。他の多くのベッターたちが読んでいる本を見る限り、彼らが途方もないリスクを負っていることは間違いありません。

独自のモデルを開発しようと考えているベッターたちにアドバイスはありますか?ベッターの卵たちは何から始めたらよいでしょうか? そして成功するための秘訣とは?

必要なのは極めて論理的であること。それと同時に、極めて創造的でなければなりません。素晴らしいことに、興味さえあれば、モデルの構築に必要なものはすべてネット上に公開されています。

野球の得点システムは独特ですし、ベッティングの分野にはこだわっていますか? あるいは他のスポーツにモデルを適用してみたことは? 

実際のところ、他のスポーツ、大半はカレッジフットボールでモデルベースのベッティングをあれこれ試したことはあります。ですが、自分のモデルではありません。単なる資産配分ストラクチャーです。もっとも、胴元の取り分が限られているという点で、野球は特別です。他のスポーツでは見られません。今のところは、ですが。

ウォール街からスポーツベッティングへと転身したあなたは特殊なレアケースなのでしょうか? あるいはスポーツベッティングそれ自体が投資対象と見られるようになってきていると?

スポーツベッティングが本当の意味で、代替的な投資対象となるには、ビジネスのオフショア的およびブリック・アンド・モルタル的な両面において、多くの構造的変化が起きる必要があります。それでも、いつかはそうなるでしょうね。

ピースはすべてそろっていますから。あとは上記でも触れたようなイノベーションが数多く起きるかにかかっています。Joeの話をもっと詳しく知りたい方は、

ピナクルの「review of Trading Bases(『Trading Bases』書評)」の記事をお読みください。

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