ブックメーカーの帳尻が合う頻度は?

帳尻を合わせる

ベッターのバイアスを利用する

ブックメーキングの簡単な説明

ブックメーカーの帳尻が合う頻度は?

ブックメーカーの仕事が単に、利益を確保するための「帳尻合わせ」だというのは、よくある思い違いです。ブックメーカーは多くの場合、マーケットで利用できるすべてのオプションのリスクを管理しますが、必ずしも想定通りにはいかないかもしれません。ブックメーカーの帳尻が合う頻度について、詳しくは続きをお読み下さい。

私は昨年、本命-大穴バイアスに注目し、ブックメーカーの視点からオッズの設定を検証する記事を書きました。検証結果から、合理的で、利益を最大化し、リスクを最小化するブックメーカーにとって、オッズに本命-大穴バイアスを導入することが最適となることが多いとわかりました。

私は、ブックメーカーの視点からオッズの設定と分散を考察する別の記事を書きたいと思いました。この記事では、特定のマーケットでブックメーカーの帳尻が合う(結果に関わらず利益を挙げる)可能性、およびベッターのバイアスがかかった場合の最適なオッズ設定の戦略を検証します。

帳尻を合わせる

ブックメーカーは常に帳尻を合わせようとしているわけではありません。ブックメーカーは、多くのクライアントよりも資金が豊富であるとすると、優れた予想を立てていると考えている場合は特に、分散を歓迎するのが一般的です。ブックメーカーが毎分、毎時間、あるいは毎日でも帳尻を合わせようとしていると信じるのは、普通は単純化し過ぎです。

2つのブックメーカーがコイン投げへのオッズの提供を希望していると仮定しましょう。両者とも、真の確率では表になる確率が50%、裏になる確率が50%であると認識しています。一方はマージンを5%に、他方は2%にしたいと考えています。そこで、それぞれオッズを1.90と1.96に設定します。 

100人のスクエアベッターが、同じ額のベットを行うことを決定します。ベッターは真の確率を知らないので、最終的なバッキングの結果はランダム(50:50)になると想定されます。これがどういうことなのかブックメーカーの視点から理解するために、私はブックメーカーごとにこの状況を5,000回シミュレーションしました。 

コインを投げる前のポジションの範囲を以下のチャートで見ることができます。左がマージン2%のブックメーカーで、右は5%です。ブックメーカーの可能性のあるポジションは縦に並んでいます。例えば、100回のベットでレイイングを行った後では、マージン2%のブックメーカーの最も極端なポジションは、コインの表が出た場合が-33.3%、裏が出た場合が+37.3%となりました。これは、ウェージャーが68:32に分かれる場合に発生するポジションです。

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マージン5%のブックメーカーでは、シミュレーションの37%で帳尻が合いました。マージン2%のブックメーカーでは、たった15%でした。この帳尻が合う割合は、500回、1,000回、5,000回のベット後はどうなるでしょうか?

ベットの数

マージン2%

マージン5%

$100

15%

37%

500

31%

75%

1,000

46%

89%

5,000

84%

100%

予想通り、ブックメーカーがレイイングできるベットの数が増えるほど、帳尻が合う可能性が高くなります。マージンが低いブックメーカーにとっては(真の確率を知っていて、シャープのいないマーケットであっても)、特定のマーケットで帳尻を合わせることが非常に難しいとわかります。 

ベッターのバイアスを利用する

ここで、マージン2%のブックメーカーが、顧客基盤のベッティング設定に関する情報を持っており、ベッターが表にバッキングする可能性を60%と予想するとします。どのような場合にマーケットにオッズを提供するべきでしょうか?

引き続き、マーケットにはシャープがいないと仮定します。ブックメーカーが表のオッズを1.96、裏のオッズを1.96で維持すると、予測リターンは一定で+1.96%のままです。しかしながら、レイイングするベットが約100回を超えると、帳尻が合う可能性がなくなります。ベットが5,000回になった後でポジションの範囲がどうなりそうか見てみましょう。このチャートは5,000通りのシミュレーションを示しています。当然、ブックメーカーにとって好ましい結果は裏が出ることです。 

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この条件では、ブックメーカーは効率的にオッズを設定していますが、ベッターの「不合理」のために帳尻が合うことはありません。ブックメーカーは、帳尻が合う可能性を最大限に高めたい場合、予測されるウェージャーの比率から外れたオッズをマーケットに提供します。2%のマージンが比例的に分配されると、おおよそのオッズは表1.63、裏2.45となります。このオッズで5,000回のベットでレイイングを行うと、ポジションの範囲は次のようになります。

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ブックメーカーが帳尻を合わせる可能性は84%に上がりましたが、予測リターンは同じ+1.96%のままです。スクエアからのベットのみを受け付けるブックメーカーは非効率的なオッズを提供しようとするので、真の確率よりもクライアントの不合理をよく反映することがわかります。このような操作によって、予測リターンを犠牲にしなくても、低分散のメリットが得られます。 

どのような場合にマーケットにオッズを提供するかは、ブックメーカーのリスク選好度に応じて決定します。引き続き上記の例で考えます。以下のチャートでは、様々なオッズの暗示的確率に対するブックメーカーの予測リターンを描画しています。 

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暗示的確率が真の確率(ここでは50%)と、その結果に対するウェージャーの比率の予測値(60%)の中間点になるようにオッズが設定された場合、予測リターンが最も高くなります。ブックメーカーは、表のオッズを1.78(暗示的確率55%)に設定することで、予測リターンを最大にできます。表が出るオッズを1.78、裏で2.18と設定したマーケットでは、分散はどうなっているでしょうか? 

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この例では、結果に対するオッズを下げるインセンティブが常に存在することを示しており、それが非能率的で、高い割合を占めるウェージャーを引き寄せると寛大なブックメーカーは信じています。

次に、ブックメーカーがオッズを効率的に設定し、クライアントの設定におけるバイアスを無視するか特定しない場合、帳尻が合う可能性がどうなるか考えてみましょう。効率的なオッズ(表と裏どちらも1.96)を設定しますが、ベッターが表にベットする可能性がわからないとします。下のチャートでは、このベットの割合を45%から55%の範囲で描画しました。

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レイイングされたベットの比率が真の暗示的確率(50%)から少しでも外れると、帳尻が合う可能性はすぐに小さくなります。例えば、ブックメーカーが1,000回のベットでレイイングを行って、表にベットする可能性を46%としてレイイングする場合、帳尻が合う可能性は45%(表にベットする可能性を50%としてレイイングする場合)からたった3%に減少します。

低マージンのブックメーカーが特定のマーケットで帳尻を合わせるのがどれだけ大変かわかってきました。オッズがイーブンマネーから離れると、この作業は難しくなるばかりです。

ブックメーキングの簡単な説明

この分析は、いくつかの厳しい仮定、つまり真の確率を認識している、ベッターの設定を正確に評価している、およびシャープのパンターがいないという仮定に基づいていました。これらの仮定を緩和すると、帳尻を合わせることはさらに難しくなるでしょう。

実際には、ブックメーカーには真の確率がわからず、ベッターは様々な金額をベットし、Pinnacleではシャープが非効率的だと信じるオッズに罰を与えようとします。シャープが参加すると、ブックメーカーが推定の真の確率とは異なるオッズを提供することでスクエアを利用することが限られてきます。

「効率的」だと信じるオッズとはかけ離れたオッズを最終的に設定するかどうかは、多くの要因に左右されます。このような要因として、ブックメーカーとシャープの相対的なリスク選好度、シャープのベット金額に対するスクエアの比率、および各グループがマーケットに参加するタイミングなどがあります。

簡単に説明すると、ブックメーキングというのは、不確かさを定量化し、ベッターの行動を予測し、経時的に分散を管理する、追いつ追われつのゲームです。繊細かつ多彩な面もあれば、シンプルかつ予測可能な面もあるのです。

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