従来のブックメーカーで提供されるオッズより、もっと良いオッズで賭けたいと思うベッターたちの間で、ベット取引所の人気が高まっています。多くの人は、取引所でベッティングすれば、必ずブックメーカーよりも良いバリューが得られると考えます。実際にそうなのでしょうか? 続きを読んでお確かめください。
ベット取引所とは
ここ10年の間に、ベット取引所は認知度が高まりました。特に、ベッターが以前よりも多くの知識を持ち、ベットをする際の選択肢が限定されていると気付いたことが背景にあります。取引所の場合、オッズの意味やベットの行い方は従来のスポーツブックと同じですが、いくつか違いもあります。
従来のスポーツブックにおいては、ブックメーカーとして機能する会社です。ブックメーカーは提供するオッズと上限額を決定し、負けたベッターからお金を手に入れ、勝ったベッターに配当金を支払います。ベット取引所のサービスではベッター同士を競わせ、特定のイベントの結果に関して、両者に「レイ」(オッズを提供する)と「バック」(ベットする)の選択肢を与えます。
ベット取引所は、ベッターが稼いだ利益にコミッションを課すことで利益を得ます(通常は2~5%です)。これに対し、ブックメーカーはオッズを提供することで利益を確保しますが、このオッズはイベントの実際の確率を正確に反映しているわけではありません。ブックメーカーはオッズに調整を加えますが、これはマージンと呼ばれます。
ベット取引所の長所と短所
ベット取引所は、ユーザーがベットを提供する(またはベットする)ためのプラットフォームにすぎません。色々とメリットはありますが、いくつかの不都合な点は見過ごされがちです。ベット取引所でベッティングをする最大の利点の1つは、スポーツブックと違って、取引所が利益を稼ぐためにベッティングマージンに依存していないことです。つまり、取引所でベットするベッターは、平均的なスポーツブックでベットするよりも良いオッズを利用することができます。
取引所を使って特定のイベントにベットしたければ、そのマーケットでオッズを提供するのに十分な知識を持っていると自負する人が必要です。
ベット取引所のサービスにはこの他にも(一部のベッターにとっては最も有益な)メリットがあります。マーケットをトレードすることで利益を確保できるということです。自分が「バック」した時のオッズよりも小さいオッズで「レイ」する行為(またはその逆)は、しばしば「グリーニングアップ」と呼ばれます。これは、あるイベントに関して起こりうるすべての結果がグリーンで表示され、どれだけの利益を得られるか分かることに由来します。
ベット取引所で提供されるオッズは平均的なブックメーカーよりもバリューが良いかもしれませんが、賭けられる金額はマーケットの流動性によって決まります。損失のリスクよりも得られるリターンを大きくしたければ、少ない金額で妥協するか、同じベットを(同じオッズで)提供するベッターが現れるのを待って、賭け金と得られるリターンを増やすしかないでしょう。
取引所でのベットは、自分の希望よりも低い上限額でベットしなければならない場合があるうえ、マーケットでベットを提供する他のユーザーに依存することになります。取引所を使って特定のイベントにベットしたければ、そのマーケットでオッズを提供するのに十分な知識を持っていると自負する人が必要です。
ピナクルが平均的なブックメーカーと違う理由
ここまで挙げたメリットの多くは、あなたが平均的なブックメーカーで賭けている場合に該当します。しかし、ピナクルは他とは違う独自のサービスを提供しており、ベット取引所が常にブックメーカーよりも良いバリューを提供するという主張に疑問を呈しています。
オンラインで最も低い限度額を設定していることで知られるピナクルは、他のどのブックメーカーよりも良いオッズを提供しています。ベット取引所が示すオッズは、ピナクルのオッズより高いかもしれません(それでも、ピナクルのマージンは2%という低さですが)。しかし、ベット取引所が提示するオッズは、コミッション率を反映していません。最高のバリューを利用したければ、コミッションの支払いが長期的な利益に与える影響について考える必要があります。
- ベッティングマージンの計算方法に関する記事をお読みください。
ピナクルはマージンが低いことに加え、オンラインで最高の限度額を設定しています。本格的にベッティングをするなら、賭けられる金額の大きさも、賭ける際のオッズと同じくらい重要です。平均的なブックメーカーとベット取引所は、どちらも1回のベットで賭けられる金額に上限を設けています。ピナクルでは、そうした上限を設けていません。
オッズだけを見ていては、バリューを理解することはできません。本格的なベッターなら、最高のバリューを提供するのは誰なのかを見極めるために、ベットできる上限額や利用できるマーケットの数も考慮するでしょう。
ピナクルの場合、Premier LeagueやNBA、NFLの試合で€40,000のベットは珍しくありません。大きなイベントでは上限額が€100,000を超えるのが普通です。ピナクルでは他社よりも高い上限額に加え、ベットしてから数秒以内に高い上限額で再びベットできる再ベット機能を備えています(ただし、各ベットの後にオッズを若干調整する場合があります)。
ピナクルの運営方法や上限額の高さ、ベット利用者の数、高いスキルを持ったトレーダーから成るチームがオッズを管理しているという事実があるから、ベット取引所よりも多様なマーケットを提供しているのです。
フィンランドのサッカー、ブラジルのバスケットボール、イタリアのバレーボールといった無名のマーケットでも、ピナクルなら問題ありません。たいてい、無名なマーケットの方が優位に立つのは容易ですから、本格的なベッターはそのバリューを理解できるでしょう。
アカウントの制限や閉鎖は、ブックメーカーからベット取引所へ顧客が流出する大きな要因となっていました。ピナクルでは常にウィナーを歓迎しているため、こうした問題も起きません。特定のスポーツに対する専門的知識や貴重な情報を持っているユーザーや、アービトラージベッティングのチャンスを見出せるユーザーであっても、ピナクルは常にベッティングへの参加を歓迎しています。
ブックメーカーとベット取引所のオッズ比較
ピナクル、平均的なブックメーカー、ベット取引所が提供するオッズの違いを定量化するため、簡単なテストをしてみましょう。Premier Leagueの2016/17シーズン(サンプル数380試合)を利用します。ピナクルと平均的なブックメーカーの1X2のクロージングオッズを抽出し、公平な(マージンなしの)オッズに対数関数を適用してベット取引所のオッズを算出すると、3者のうちどれが最高のオッズを提供しているのかが分かります。
2016/17シーズンの380試合でベッターが毎回€10を賭け、毎回正しく勝者を予想した場合、下記の利益が得られることになります。
上記のベット取引所の利益数値は、標準的な5%のコミッションで計算しています。より低いコミッション率でベットすることは可能ですが、ベット取引所はベッターが稼いだ利益に応じてコミッション率を20%まで上げることもできます(ベッターが得た利益に加え、ベットしたマーケットの数、過去に支払ったコミッションの金額も計算に入れられます)。
上記の結果を見ると、ピナクルでベッティングした方が多くの利益を得られることになりますが、データのサンプルがやや小さいことも頭に入れておかなくてはなりません(対象としているのは、1つのスポーツの特定の1つのリーグにおける、1つのマーケットのみです)。
ベットする際のオッズも、ベッティングの1つの要素に過ぎません(最も重要な要素ではありますが)。オッズだけを見ていては、バリューを理解することはできません。本格的なベッターなら、最高のバリューを提供するのは誰なのかを見極めるために、ベットできる上限額や利用できるマーケットの数も考慮するでしょう。