データなしで予測する方法

過去に基づいて未来を考察

シカゴには何人のピアノ調律師がいますか。

超予測者と優れた判断力プロジェクト

優れた予測の10の掟

データなしで予測する方法

Mayweather対McGregorというUFCとボクシングの対決は、前例がないという理由だけで、スポーツファンやベッターの心をつかんでいます。これは論争や憶測を生む格好の材料を提供していますが、何らかの確実性を持って結果を予測しようとしている人にとっては大きな悩みの種となっています。予測は未来の姿を伝える過去に頼っているからです。それでは、このかつてない状況でベッターは何をすべきでしょうか。ノーベル賞を受賞した原子物理学者が開発したアプローチを利用することができます。

予測は定量的科学です。過去のデータが多ければ多いほど、システムやモデルを介して未来がどのようなものになるかを正確に描く可能性が高まります。 

これまでの知識を基盤とすれば、あるイベントに対する新たな影響力をデータセット内から明確にすることで、これまでの考え方よりも正確な予測が可能になるでしょう。好例として、天気予報やPremier Leagueアウトライトベッティングが挙げられます。

ただし、データがなければ、定性分析を行うことになります。つまり、起こり得ることについての論拠を築くのです。これは指を濡らして風向きを見るよりもましとは思えないかもしれませんが、科学がフェルミ方式という形で助けてくれています。

Enrico Fermiは著名な物理学者で、原子力時代の立役者と見なされていました。1938年にノーベル賞を受賞しており、また、世界初の原子炉の生みの親でした。さらに、利用可能な限られた情報の中で合理的に計算することは不可能と考えられているものを定量化するために素早く推測を行うというアプローチでも知られています。

ただし、データがなければ、定性分析を行うことになります。つまり、起こり得ることについての論拠を築くのです。これは指を濡らして風向きを見るよりもましとは思えないかもしれませんが、科学がフェルミ方式という形で助けてくれています。

このアプローチを教えるとき、Fermiは次のような質問を学生に投げかけたとされています。

シカゴには何人のピアノ調律師がいますか。

これはひっかけ問題ではありません。少し時間を取ってこの質問について考え、一連の二次的な質問と推測に基づいて還元的な根拠を書き留めてください。そうすることで、本題に対する合理的な答えに(Googleに頼ることなく)たどり着くことができます。読み進める前にそれを行ってください。

次の二次的な質問を自問すると(または、同じような論理でも、若干異なる点がある質問を追っていくと)、答えの手がかりにたどり着くでしょう。

  • シカゴにピアノは何台ありますか。
  • 毎年、どれくらいの頻度でピアノを調律しますか。
  • ピアノを調律するのにどのくらい時間がかかりますか。
  • ピアノ調律師の年間の平均作業時間は何時間ですか。

最初の3つの質問に対して推測を用いると、シカゴで年間にどれくらいの時間がピアノの調律にあてられているかを計算できます。それを調律師が1年で調律にあてる時間数で割ると、対応するピアノの台数についての合理的な推測にたどり着きます。もちろん、質問1、2、3の情報を得るには、さらに二次的な質問に分解していく必要があります。

質問1については、米国の他の都市についての知識を使って、シカゴの人口を推測する必要があるかもしれません。200~250万人あたりと推測するかもしれません(実際には2016年で270万人)。

次に、その人口の何パーセントがピアノを所有しているかを考える必要があります。これは経験則では100人に1台になるかもしれません(人口について多いほうの推測を使用した場合は約25,000台)。次に、バー、クラブ、学校などの数を考慮すると、その普及率は倍となり、100人に2台、つまり50,000台となります。

質問2と3は、もちろんその分野の知識がなければ、直感頼りです。ピアノは1年に約1回調律し、かかる時間はだいたい2時間です。質問4は、自分自身の経験、または標準的な休暇がある平均的な週5日の常勤による作業時間を基にすることができます。

1年に1回の調律を必要とするピアノが50,000台あり、それぞれの調律に2時間かかるとすると、調律時間は100,000時間になります。これを、調律師の平均年間作業時間の1,600時間で割ると、シカゴには62.5人のピアノ調律師がいることになります。

明確な答えはありませんが、イエローページの分析(Daniel Levitinの厚意による)から、重複を含めて83という数字になりました。もし、55~70という数字を導いていれば上々です。

答えの精度については、ご自身が採用したアプローチほどは気に病まないでください。このような考え方は、Mayweather対McGregorのベッティングと同様に、データがない場合の正確な予測につながります。この質問へのアプローチの仕方がよくわからない場合は、この記事の残りの部分を読み、別の抽象的な質問にもう一度取り組んでみてください。

ピアノ調律師の質問は、たとえば、面接時の質問としてGoogleで使用され、「エンパイアステートビルの重さはどれくらいか」のような同様の質問とともに、推理力の形成に役立ってきました。

ブックメーカーは、予言する職業ではありません。何かが発生する可能性についての測定値をオッズという形式で提供しているにすぎません。その点に関して、ピナクルは、一定のルールに従い、確実かつ利用可能で優良な過去データが存在する、確立されたスポーツによって裏付けされています。

超予測者 - 優れた判断力プロジェクト

フェルミ方式は、Philip TetlockとDan Gardnerによる優れた著書である『Super-Forecasting: The art & science of prediction』で取り上げられています。この著書では、背景として優れた判断力プロジェクトを使用し、予測の科学の発展を紹介しています。

4年以上にわたり、Tetlockは「20,000人の知的好奇心の強い一般人」をGJPに招聘してさまざまな地政学的な難しい問題の結果を予測させました。このチームは、国家の利益に直接影響を与える重大な政治的、経済的な出来事に関する予測の基準の向上に重きを置く米国のインテリジェンスコミュニティ内の機関IARPA(インテリジェンス高等研究計画活動)によって行われた多岐にわたる取り組みの一部でした。

IARPAは、GJPやその一般人参加者を含めて、その分野の一流の科学者に率いられた5つのチームを参画させた予測トーナメントを開催しました。5年以上にわたりIARPAは500に近い質問を提起し、毎日同じ時間に回答を提出させました。

精度はブライアスコアを使用して測定しました。これは、予測の確実性の強度の差分と実際の結果(二乗)を加算することによって予測値を評価します。信頼要因によって予測を求めることで同等な測定への信頼を評価します。また、これは適切に予測屋と区別するための優れた手法です。

ブックメーカーは、予言する職業ではありません。何かが発生する可能性についての測定値をオッズという形式で提供しているにすぎません。その点に関して、ピナクルは、一定のルールに従い、確実かつ利用可能で優良な過去データが存在する、確立されたスポーツによって裏付けされています。

次に、今まで起きていた既知の物事に基づいてモデルを構築し、オッズを公開するという形で表現された未来の成果というチャンスを適切に理解することにつながります。

ただし、新しいお客様の心を動かし、ピナクルの魅力を既存のユーザーに広めるには、主軸のオファーの範囲を越え、過去の試合の断片的な記録があるかもしれない新しいスポーツや主流でないスポーツにまで手を伸ばす必要があります。eスポーツ、スペシャル、選挙がその好例です。

選挙はそう頻繁に行われるものでなく、さまざまな異なる状況があるので、過去のデータにほとんど価値はありません。多くの理由により世論調査は信頼できず、ニュースに依存するのはかなり危険です。そのため、ブックメーカーはたびたび政治ベッティングに失敗しています

未勝利馬レースの難しさ

もう1つの好例として未勝利馬レースが挙げられます(ピナクルは競馬をオファーしていませんが、参考として役に立ちます)。

未勝利馬の他に初出走馬を含めた2歳馬のレースは、信頼できる情報がほとんどないベッティングイベントの好例です。さらに悪いことに、馬が初めて競馬場に足を踏み入れたときにトラブルに巻き込まれた場合は、ほぼ間違えなく、レースはあっという間に終わります。

調教師や馬主の観点からすると、競走馬にレースをさせるという有意義な体験を与えるという点で成功を測定できるかもしれませんが、レースで走ったことがない馬の才能をどのように予測しますか。

  • ピアノの調律師の問題に従った演繹的な質問をしてみましょう。
  • 馬の血統はどれだけ優れていますか。ブリーダーはどの程度の成功を収めていますか。
  • 調教師はどうでしょうか。初出走の勝利馬の記録と、同じコース距離以上の記録はどうですか。
  • 未勝利馬戦での騎手の記録はどうですか。

これらの質問によって、馬の勝算を合理的に推測できるようになります。理想としては、レーティングと組み合わせ、ブライアスコアを使用して、マーケットに対する信頼レベルを正確に評価します。

このような点で、一見すると解決が困難と思われるこのような種類の問題が、ベッターにとってのチャンスを表しています。極めて重要な差はありますが、ブックメーカーは同じ立場にあるからです。信頼できるモデルや数字がないため、ピナクルのトレーダーは自分たちの経験と知識に加え、フェルミタイプのアプローチに頼ることになります。

優れた予測をするための10の掟

ベッターやブックメーカーが従来のスポーツマーケットから離れ、Mayweather対McGregorに立ち戻らせるエキゾチックなベッティングの領域に入ると、GJPが直面した課題は、ベッターやブックメーカーが直面したものと何ら変わりません。ピナクルはボクシングやMMAのハンディキャップについては合理的な考え方をしてきましたが、ボクサー対総合格闘技家によって、フェルミタイプの問題が本質的に引き起こされています(ベッターは下に示すライブオッズやオッズ動向チャートを使用して試行し解決できます)。

ここで、朗報があります。GJPの結果に基づいて、これらのアマチュアの予測屋の基本的な予測レベルを引き上げることが実験的に証明されている、極めて実用的なものがいくつか存在します。

Tetlockは実際に、GJPの経験に基づいて優れた予測の10の掟を作り上げました。詳細については、www.goodjudgementproject.comを参照してください。著書を読むほうが良いのですが、このサイトに手短にまとめられており、ベッティングと、該当する場合は、Mayweather対McGregorの問題にも適用できます。

無作為試験を使用して、Tetlockはこれらの原則が記載されているガイドブックを読んでいる人はブライアスコアが10%上がることを証明しました。ベッターとして長期的な利益へと向かうには十分かもしれません。

1 - 自分の多大な努力が報われる可能性が高い問題に集中し、明白なことや手に負えない問題は無視してください。Premier Leagueについて市場がまだ考慮していないことを見つけるチャンスはほぼありません。現実的なレベル、つまり、合理的な時間と努力で価値を見つけ出すことができると想定することが現実的なゴルディロックスゾーンを見つけます。

2 - 大きな問題を一連の小さな問題に分割してください。たとえば、「MayweatherとMcGregorでどちらが勝つか」、「McGregorはどんなボクシングフォームをしているか」、「それぞれの動機は何か」、「McGregorはどんなファイティングスタイルで、そのスタイルでのMayweatherの勝率はどれくらいか」などです。数値と信頼度を自分の答えに割り当てます。

3 - 内部的な観点と第三者からの観点とのバランスを取ってください。Mayweather対McGregorについては、ボクシングのみ、またはMMAのみの評価にとらわれないことが必要です。McGregorはMMAコミュニティ内に多数のファンがいます。彼らは大勢でMcGregorを応援していると信じ切っていますが、それらの内面的な観点はここでは重要でしょうか。同様に、ボクシングファンはMMAについてどれだけのことを知っているのでしょうか。両方の観点のバランスを取るようにしてください。

4 - 新しい情報は過不足なく補うようにしてください。これは、基本的に新しい証拠を組み込むベイズアプローチを助長しますが、自分の立場を守るのと同等に、新しい情報への過度な反応に対する警告にもなります。これは、経験と情報源の価値の重さによって異なります。この対戦について多くの人がオンラインで語るでしょう。最も信頼のおける情報源を探すことに時間をかけてください。

5 - 自分の偏見と戦ってください。ボクシングを知っていて、Mayweatherの勝利以外が見えないのであれば、自分と戦ってMayweatherが負ける可能性や、またその逆も考えてください。

6 - 直感を確率に変えてください。経験豊かな予測屋は「間違いなくMayweatherだ」や「McGregorに勝ち目はない」だけでなく、より幅広い言葉を持っています。彼らのアプローチは、弁舌ではなく確率で測定された、より意味のある評価を反映します。 

7 - 過信と自信不足のバランスを取ることを学んでください。つまり、何もせずに先延ばしにすることと、チャンスを失って、測定に基づく評価を行わずにすべてをそのままにすることのバランスを取ります。

8 - 同じ厳密さで失敗と成功の両方を分析してください。間違うことよりも悪いことは、どこにミスがあったかを認めないことです。同様に、正しい決断を下していても結果が違っていたり、その逆もあり得ます。

 9 - 他の人の長所を引き出し、自分の長所を他の人に引き出してもらいます。これは、GJPというチームの性質に関連しています。そのため、組織の一員として活動している場合や、ソーシャルメディアで積極的に活動しており、自分の努力をシェアし、建設的な批判を受け入れたり与えたりすることを望んでいる場合にのみ関連してきます。

10 - 自分の善意を実行に移すことによってのみ向上がもたらされます。ベッティングを気晴らしとみなすのはかまいません。ただし、長い目で見たときの勝利は期待しないでください。これが不満であれば、システマチックかつ系統立った考え方で、時間と労力をベッティングにかける必要があります。

ベッティングリソース - あなたのベッティングをパワーアップ

オンライン最高クラスの充実度を誇るピナクルのベッティングリソースでは、専門家によるベッティングのアドバイスをご覧いただけます。ベッティング経験の長さを問わず、ベッターの皆様がパワーアップできる知識をお伝えすることが目的です。