新しい言い方をするなら、「ブックメーカーにはベットを受理する業者と、ドレスメーカーのような業者の2種類がある」ということです。初めて聞く人は少々面食らうかもしれません。ブックメーカーはどこもベットを受理しているのでは? ドレスメーカーとブックメーカーに何の関係があるのでしょうか? まず最初の質問ですが、ベットの受理は場合によります。どういうことでしょう? つまり、どのようなタイプのブックメーカーでベットしているか、そしてあなたがどのようなタイプのベッターかによるのです。ドレスについてはこの後話します。
2020年6月、Pinnacleに私の記事が掲載されました。それは、多くのブックメーカーが勝っているベッターのアカウントを制限し、時には閉鎖までして話題にのぼっていることに関して、その理由を考察したものです。Pinnacleはそのようなブックメーカーではありません。まずはっきりさせておきたいのは、「勝っている」とは必ずしも(少なくとも短期的に)利益が得られるという意味ではありません。ここでの意味は期待される収益性のことです。ベットを何度か試してみると、ベッターは勝ったり負けたりしますが、その要因の大部分は運があるかないかです。
ブックメーカーが本当に関心を抱いているのは、顧客が期待値を手にしているかどうかです。すなわち、運の良し悪しが相殺された後に顧客がどのような利益を出すとブックメーカーが考えるかです。結果だけを見ていると、その答えを得るには長い時間がかかるでしょう。一方、ブックメーカーは別の方法を使ってずっと早くかなり正確な評価を行うことができます。例えばベッターがベットした後にオッズがどう動くか、ベッターの クロージングラインの値がどうなるかといったことです。
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PinnacleをフォローPinnacleと他のブックメーカーとの違い
なぜ一部のブックメーカーは勝っている顧客を制限し、Pinnacleはそうしないのでしょうか? 以前述べたことの繰り返しにならないように簡単に言うと、使用するブックメーキングモデルが異なるからです。Pinnacleはより伝統的なブックメーカーだと思われているかもしれません。オッズとラインを設定して、それに打ち勝とうという顧客の意欲をかき立てます。顧客は本当に正しくプレイすれば勝てます。しかしPinnacleは彼らがベッティング市場に持ち込む情報を使用して、自身のデータ分析とオッズ作成を改善します。こうして、勝っているベッターはPinnacleを成功に導く有効な要因となるのです。Pinnacleはデータ分析を行うブックメーカーです。
対照的に、勝者を制限するブックメーカーは、より批判的な業界評者からドレスメーカーのようだとレッテルを貼られてきました。つまり商品を正面のウィンドウに飾ってお客様を引き付けますが、最もお買い得な商品に注文が殺到したらアクセスを制限するのです。批評家は、ブックメーカーとはオッズを設定してベットを受理するビジネスであって、ドレスメーカーではないと主張しています。
このようなブックメーカーは娯楽提供者に近く、期待値を求めることより、市場のバラエティ、ボーナス、オッズの上昇、その他のオファーに関心がある娯楽志向のベッターを引き付けます。実際、娯楽向けブックメーカーの顧客の多くは期待値とは何かを知らないでしょう。つまり、彼らはデータ分析を専門的に追究するよりも、マーケティングと販売促進に注力しているのです。
- 記事: あなたはどのタイプのベッター?
このようなマーケティングには代償が伴います。成功するには、顧客を心底魅了するオッズを設定する必要があります。しかしほとんどの娯楽重視のブックメーカーは、Pinnacleよりもベッティングマージンを大きく設定しています。これは、Pinnacleのような伝統的なブックメーカーのオッズに勝つために、期待値の有用性がもっと上がるようになるまでどちらか一方にバイアスをかける必要があることを意味します。このバイアスがかかった狙い目を体系的に見つけられるベッターは、制限を受ける可能性が高くなります。娯楽重視のブックメーカーにとって、オッズの設定方法を踏まえてベッターが賭けたいように賭け続けると、単に利益にならないのです。
伝統的なブックメーカーと娯楽重視のブックメーカーのオッズの設定がそれほど違うという証拠は何でしょう? それを探る一つの方法は、ベッターが市場のベストオッズでベッティングする場合に得られる仮説利益を見てみることです。さて、何が見えるでしょうか? 伝統的なデータ分析ブックメーカーのPinnacleでは、(Pinnacleの意見によると)オッズを常に、または少なくとも平均して、そのマージンで予測される範囲で利益が出るように設定しているはずです。娯楽重視のブックメーカーもマージンから大きく外れることは望んでいませんが、その販売促進広告モデルにより、一般的にマージンが少ない伝統的なブックメーカーに打ち勝つために、より大きな差をつける必要があります。
ということは、Pinnacleのオッズが市場でベストである場合に、それにベットして得られる利益は、そうでない場合とほぼ同じになることを意味するはずです。それに対して、娯楽重視のブックメーカーが市場でベストオッズを提示した場合、そのオッズで得られる利益はマージンが暗示する値を超えるはずだと予測するべきです。データを解析して結果を見てみましょう。
ベッターはどうすればベストバリューを見つけられるのでしょうか?
20年にわたり、私はサッカーの試合のベッティングオッズと試合結果を収集してそのような調査を行ってきました。2019年と2020年の欧州国内リーグサッカーシーズンの初めから、22の個別の部門でサッカーの試合のクロージングオッズのデータセットを取りました。その際、16,974試合、299,619個のホーム、ドロー、アウェイの個別のクロージングオッズデータをクリーニングし、エラーを取り除きました。採用したオッズのブックメーカーはPinnacle、bet365、Bwin、Interwetten、William Hill、BetVictorの6社です。
各ブックメーカーのオッズについて、そのうちのどれがいつベストプライスになっているかを個別にチェックし、オッズ比較サービスのOdds Portalで入手できる、より大規模な市場と比較しました。市場のベストオッズはPinnacleが5,727回、bet365が3,470回、Bwinが1,916回、Interwettenが1,051回、William Hillが634回、BetVictorが2,234回でした。Pinnacleが一番多いのは、マージンが最小であることを考えると驚くことではありません。
Pinnacleが一番多いのは、マージンが最小であることを考えると驚くことではありません。
下の棒グラフは、6社のブックメーカーそれぞれの3つのデータを比較しています。青い棒線はベッターが被ると予想される損失のパーセンテージで、サンプルとした試合でのブックメーカーの平均ベッティングマージンから直接計算したものです。オレンジの棒線は、ステークがフラットで各単一価格にベッターが賭けた場合にベッターが被る、実際の仮説損失パーセンテージを表しています。市場のオッズにバイアスがない場合、青とオレンジの棒線は同じになると予想できます。実際に両者はよく似ています。各ケースにおいては、実際の損失はこれよりわずかに大きいのですが、おそらく本命-大穴バイアスのためでしょう。最後に、緑の棒線は市場のベストプライスだけにベッティングした時に経験したであろう実際の損失パーセンテージを示しています。
Pinnacleと他のブックメーカーとの違いは歴然としています。bet365、Interwetten、BetVictorでは市場のベストオッズの場合に損失パーセンテージがずっと低く、またBwinとWilliam Hillでは実際に利益になるのですが、Pinnacleは仮説で予測した通り、すべてのオッズで損失パーセンテージは大体同じです。マージンは最小でありながら、Pinnacleはそれでも市場でベストの場合にオッズによる収益のパーセンテージが最も大きいのです。
ここから、他の娯楽重視のブックメーカーの行動にかかわらず、Pinnacleのトレーダーは平均してサッカーの試合のベッティングの真のプライスがどうあるべきかを「熟知」していて、必要とあれば市場に刃向かうことも恐れないことが分かります。そうする場合もやはり利益のマージンを取っています。
Pinnacleと残りのブックメーカーとの差は歴然としています。
もちろん、これは他の娯楽重視のブックメーカーが、市場でベストオッズを出した時に何をするべきかを知らないという話ではありません。それどころか、彼らのデータ分析はおそらくPinnacleほど高度なものではないにせよ、するべきことを判断するには十分なもののようです。もっとも、そうでなければ娯楽重視のブックメーカーは常にPinnacleのオッズを真似ているはずです。しかしそうではなく、このデータは、彼らが市場でベストオッズを出した時にはその利益マージンのいくらか、あるいはそのすべてすら諦めるという選択を積極的に行うことを示しています。また、正確なオッズ、データ分析、勝者の受け入れよりも、販売促進、マーケティング、エンターテイメントを優先させるというブックマーキングモデルに一致していることも見てとれます。もちろん、この気前の良さを繰り返し存分に活用している顧客がいるなら、それは許容できないという交換条件があります。おそらくそのようなベッターはわずか5%です。そう仮定すると、これは明らかに、娯楽重視のブックメーキングモデルにとって有効な計算に基づくビジネス上の判断です。これは単にドレスの販売を安くすませる方法です。
2種類のブックメーカーの違いを強調するために、下の第2の棒グラフではbet365、Bwin、Interwetten、William Hill、BetVictorのデータをグループ化してPinnacleと比較しました。
また全オッズでのベッティングの損失パーセンテージと、市場のベストオッズだけでのベッティングの損失パーセンテージの差異について、統計的有意性検定(両側検定)を実施しました。オレンジと緑の棒線が同じであるはずとの仮説に基づいて、単に偶然その差を目にする可能性はどれほどでしょうか? Pinnacleではその値は79%です。集約した5社の娯楽重視のブックメーカーでは0.1%で、統計学的に非常に有意な結果となります。
これは、観察された差異は偶然ではまず起こり得ないことを意味します。そして偶然では説明できないなら、何らかの原因があるはずです。最も明らかな原因は、ブックメーカーがマーケティング戦術としてベッティングマージンに関して意図的により多くの価値を提供するという判断です。
これは暗に、Pinnacleのオッズに打ち勝つのは遥かに難しいことを示しています。しかし、この説明はあくまで平均的に正しいだけです。Pinnacleは他のブックメーカーと同じくミスをします。そしてそのミスを見つけるのがベッターの仕事です。幸いなことにPinnacleでは少なくとも、ミスの探求に成功したベッターに制限をかけることはしません。
Pinnacleでベットする理由バリューこそが、ベッティングにおいて長期的な成功を収めるための鍵です。Pinnacleでは、お客様にオッズで高いバリューを見出していただけるよう、最適な環境をご用意しています。
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