ケリー基準の比較
最終資金 |
ケリー基準の賭け(4%) |
定額法の賭け(4ユニット) |
<100% |
38% |
24% |
<80% |
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賭け方(マネーマネジメントの戦略)の利用は、ベッティングで継続的な利益を得るための重要な鍵になります。ケリー基準は、さまざまな理由で使用されるベストオプションとしてこれまで何度も述べられてきましたが、実際にはどのようなものなのでしょうか? ケリー基準にはどのくらいリスクが潜んでいるのしょうか? 詳しくは続きをお読みください。
ケリー基準の大部分は、最も効率的なマネーマネジメントの戦略で構成されており、勝てるベッターの資金増加率を最大化します。ピナクルのベッティングリソースには、ケリー基準とは何なのか、どのような仕組みなのか、有利な点や不利な点を再確認できる複数の記事が掲載されています。この記事では、賭け方の単純なリスク評価について説明します。
ピナクルのライターであり、マルタ大学の数学者でもあるDominic Cortis氏は、ケリー基準とは資金が指数関数的に増加するように期待値よりも高いオッズの結果に基づいて賭けるベッティング資金の比率を計算する方法と述べています。
1956年、AT&Tのベル研究所で働いていたJohn Kellyが開発したケリー基準は、最適なベットサイズの計算を経済的に無駄がなく数学的にも正確な方法で提供し、期待するリターンとリスクの比率を考慮して資金全体の増加を最大化します。これは以下の単純な方程式によって求められます。
ケリーの賭け率 = エッジ – 1 / オッズ – 1
エッジは、実際のブックメーカーのベッティングオッズよりも有利な、単純に保持している(または保持していると思う)アドバンテージです。例えば、公平なオッズの結果が2.00(50%の成功確率)だと考えたが、ブックメーカーは2.10だとした場合、エッジは2.10/2.00 = 1.05と計算できます。
「エッジ」は単に期待値を説明する別の方法です。上記の方程式のオッズはデジマル表記で表すことができます。 すなわち、この例では、ケリーの賭け率は0.05つまり5%になります。
ケリー基準は、比例法の賭け方の例であり、賭けのサイズは既存の資金のサイズに比例します。それゆえ、資金が増加または縮小すると賭けのサイズも上がったり下がったりします。逆に、賭けが事前に決定されたサイズに固定されている場合は、賭けは一定のままになります。
ケリー基準が特別なのは、得られるアドバンテージの大きさとベッティングオッズの高さも考慮していることです。アドバンテージが大きく、またはベッティングオッズが低くなるにつれ、賭けのリスクは高まります。
明らかに、複数の結果や試合を同時にベッティングする際に、ケリーの賭け率の計算には問題があります。ピナクルはこの問題に対処する記事を掲載しました。ただし、残りの一部については、一度に1つのベットに適用できるケリー基準の簡略化した形式のみを説明します。
比例法のマネーマネジメントの戦略のように、ケリー基準を使用して技術的に破綻することは間違いなくありません。負けが増え、賭けが小さくなっても、理論上、ゼロにはならないでしょう。
既知の数学的なアルゴリズムに基づくカジノゲームとは異なり、サッカーの試合のように複雑なシステムの実際の確率を「把握」することは不可能です。
しかし、実際に生じた損失が到底受け入れられない限度に達することがあるのは明らかです。このため、資金サイズの分散や、これに十分対処できるようにリスク選好が堅固であるかどうかを考慮することがおそらくより適切になってきます。
ピナクルのゲストライターで、株トレーダーのJoe Peta氏は、ケリー基準の問題は「期待するリターンの計算がいくらになっても、分散だとおかしいくらい投資対象にならないくらい高い」ということを以前述べていました。彼は、ベットのうち52%を2.00のオッズで勝つ合理的なベッターを念頭に置くべきだと言います。ケリー基準では、賭け率は4%となっています。
一連の250ベットで仮定した場合、資金が最後までに少なくとも40%減る確率が10%以上あると主張します。彼は正しいのでしょうか?
極めて正しいと思われます。これらのパラメーターで10,000回モンテカルロシミュレーションを実施してみたところ、最終の資金の14%は最初の資金の60%に満たず終了しました。これは、各250の賭けが4つのユニットで固定された、均等に賭ける戦略のたった9%に匹敵します。(100ユニットの開始資金を想定)
以下の表は、ケリー基準と定額法の賭けの比較を詳細に説明したものです。以前の記事で述べたとおり、比例法の賭けは、利益を最適化するのにより適していますが(このシミュレーションでは、ケリー基準と定額法の賭けの平均的な最終手持ち資金は、それぞれ149ユニットと140ユニットでした)、負けている期間から巻き返すのに時間が長くかかっています。
失があるのに最終手持ち資金の比率が高いのは、単に、比例法の賭けによって多くの資金を分散した結果です。ケリー基準の賭けでは、シミュレーションのおよそ10のうち4つは損失が出て終了しました。一方、定額法の賭けでは4つのうちたった1つでした。
最終資金 |
ケリー基準の賭け(4%) |
定額法の賭け(4ユニット) |
<100% |
38% |
24% |
<80% |
24% |
17% |
<60% |
14% |
9% |
<40% |
4% |
6% |
<20% |
0% |
2% |
アドバンテージが大きい場合、リスクはどのように変わるのでしょうか? ケリー基準の賭けが8%で、イーブンマネーの賭けの勝率が54%のシミュレーションを再実行しました。長期間にわたって、これらの数字を達成することができるベッターはほとんどいません。
52%のイーブンマネーベットは勝ちますが、最終的に勝つことができるのはそれらのうちたった49%だと考えた場合、長期間にわたって、資金を失うことになるのは言うまでもありません。
当然のことですが、各賭けのエッジまたは期待値を2倍にすると、ケリー基準は定額法の賭けと比較して、予想利益がかなり良くなっています(平均最終手持ち資金はそれぞれ494と260)。ただし、これはパフォーマンスにおいてかなり大きな分散を犠牲にしています。
わずかな多額の資金によって歪曲されるため、平均または予想最終資金は多くなります。しかしながら、定額法の賭けの戦略と比較して、はるかに変哲もなく失われた資金があります。最終資金の平均値はわずか223です。ケリー基準の戦略に従って、8%のアドバンテージがある250のイーブンマネーベットを実施すると、資金の40%を失う可能性がまだ14%あります。Joe Peta氏は、投資で8%のリターンを誇示するような自尊心のある金融機関系投資家はそのようなリスクをきっと受容するだろうと述べています。
最終資金 |
ケリー基準の賭け(8%) |
定額法の賭け(8ユニット) |
100 |
29% |
9% |
<80% |
21% |
7% |
<60% |
14% |
6% |
<40% |
9% |
4% |
<20% |
3% |
3% |
これらのシミュレーションでは、勝率は正確にどのくらいなのか、すなわち、ブックメーカーのオッズよりも有利なアドバンテージは正確にどのくらいなのかが分かることを想定しています。ただし、Joe Peta氏はが気付かせてくれたとおり、スポーツベッティングの結果をモデリングすることは、ブラックジャックのカードカウンティングではありません。
既知の数学的なアルゴリズムに基づくカジノゲームとは異なり、サッカーの試合のように複雑なシステムの実際の確率を「把握」することは不可能です。ブックメーカーのオッズよりも有利なアドバンテージを正確に把握していないことによる、ケリー基準の戦略の成功の意味については、私のツイッターで最近議論しました。その影響がどのくらいになるか調査することにしました。
ケリー基準でいくらベットするのか決定する際、またそのリスクを管理する際に、平均アドバンテージを正確に把握することこそが重要なのです。
52%のイーブンマネーベットは勝ちますが、最終的に勝つことができるのはそれらのうちたった49%だと考えた場合、どのような賭け方に従っていたとしても、長期間にわたって、資金を失うことになるのは言うまでもありません。関心事の中には、あらゆるベットでアドバンテージを正確に把握していないことが、ケリー基準に関連する分散とリスクを増大させるのではないかというものがあります。
長期間にわたるベッティング履歴によって、平均アドバンテージがどのくらいなのかの手がかりが掴めます。1,000の€1ベットで€1,050のリターンがあれば、平均で5%のアドバンテージがあると合理的に考えます。アドバンテージを見積もる別の方法として、ベットする価格と市場の終値を比較する方法があります。
2.10のプライスをベットし、ピナクルが2.00でクローズする場合、私のデータ分析によると、5%のアドバンテージがあると分かります(ベッティングマージンを差し引く)。しかし、このような分析は、多数のサッカーの試合を集計することに基づいていました。平均アドバンテージを示唆する一方で、すべてのベットで同じと仮定してこの分析を使用することはできません。 スポーツイベントの結果に影響する多くの不確実性により、期待通りにならないことは当たり前です。
250のイーブンマネーベットのモンテカルロシミュレーションをもう1回実行しました。ただし、今回は、勝率を52%に固定するのではなく、勝率の正規分布により変動させました。平均は52%でしたが、特定の値は近辺に散らばりました。高くなるのもあれば、低くなるのもありました。
5%の標準偏差を適用し、値の約2/3が47%と57%の間に位置し、値の95%は42%と62%の間に位置しました。実際、それらの約1/3は50%未満に位置し、すなわちマイナスの期待値になりました。
結果はとても驚くべきものでした。ベットの1/3がマイナスの期待値になったにもかかわらず、ケリー基準の戦略における関連リスクは、実質的に変わりませんでした。基本的に、これは、全体的なアドバンテージを正確に把握しさえすれば、ベット単位で正確に把握することは重要ではないということを示しています。
最終資金 |
ケリー基準1(4%) |
ケリー基準2(4%)j |
100 |
38% |
37% |
<80% |
24% |
24% |
<60% |
14% |
14% |
<40% |
4% |
4% |
<20% |
0% |
0% |
ケリー基準1 - エッジが全ベットで正確に把握されている。ケリー基準2 - 平均エッジは把握されているが、各ベットの個別エッジは把握されていない。
この結論のロバスト性をテストするために、マイナスの期待値を持つ複数のベットを著しく増やした、さらなるシミュレーションを実施しました。
けの250のうち230(つまり92%)には、49%の勝率が割り当てられました。これは、人気のある2つ3つのベッティング市場向けのピナクルのベッティングマージンと実際同じです。残りの20の賭けには、86.5%の勝率が割り当てられ、250の賭けの平均は52%のままになりました。結果は完全に一致しました。
もちろん、実際のところ、賭けの92%に価値を見出だせないベッターが、残りの8%にかなりの利益を期待することはほとんどあり得ませんが、今回の実施では、以前に指摘した点を明確に示しています:ケリー基準でいくらベットするのか決定する際、またそのリスクを管理する際に、平均アドバンテージを正確に把握することこそが重要なのです。
ほとんどのベッターにとって何らかのエッジを見い出すことは、打破するのに非常に難しい問題です。ベッターは、現実の自分よりも優れていると思い込むと、ツキにだまされやすく、因果関係の錯覚に陥りやすくなります49%のイーブンマネーベットしか勝つことができず、当然、4%のケリー基準の戦略よりも頻繁に負けます(250のイーブンマネーベットを実施すると、損失につながる可能性は4つのうち3つ、一方、定額法の賭けでは5つのうち3つ)。
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筆者について
Joseph Buchdahlはwww.Football-Data.co.ukを管理するベッティングアナリスト。過去の試合結果、試合の統計、ベッティングオッズデータなどを提供しています。また、Fixed Odds Sports Betting: Statistical Forecasting & Risk Management(2003年)、How to Find a Black Cat in a Coal Cellar: The Truth about Sports Tipsters(2013年)、Squares & Sharps, Suckers & Sharks: The Science, Psychology & Philosophy of Gambling(2016年予定)の著者でもあります。
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