3 20, 2020
3 20, 2020

試合中、リードしているチームが入れ変わる頻度は?

確率を理解する

引き分けの確率を計算する

リードが変わる頻度は?

コイン投げの知恵をスポーツの賭けに適用してみましょう。

試合中、リードしているチームが入れ変わる頻度は?

試合中は常に、どちらか一方がリードしているか、引き分けになります。リードが変わる回数は変化します。リードがどのくらいの頻度で変わるか、疑問を持ったことはありませんか? お伝えしたいのは、直観に頼ってお金を無駄にしないことです。詳細をお読みください。

確率を理解する

傘を持って出かけることから、賭け事に至るまで、私たちは日常的に、確率に対する自らの理解に基づいて物事を判断しています。ただ統計によると、私たちの生まれながらの本能は、最も信頼のおける協力者として私たちを正しい方向へ導いてくれることがある一方で、誤った方向へ私たちを導くことも少なくありません。

注意:当記事で紹介する心理的な落とし穴は、直観に反するものであり、非常に優れた統計学者たちをも驚愕させました。理論へ進む前に、私たちの生まれながらの本能をテストしてみましょう。 

同じレベルの腕前のスヌーカープレイヤー2人が対戦しています。リードは何回変わると思いますか?フレームの回数を重ねるほど、リードにいくらかの変化があると思いますか?

ここでは、同じレベルの腕前と仮定するので、最も有名なランダム化の方法「コイン投げ」を例にします。表が出れば一方のプレイヤーがリードし、裏が出ればもう一方のプレイヤーがリードするとして、リードの変化を観察しましょう。リードを変化させるためには、まず、劣勢にあるプレイヤーがもう一方に追いつく必要があります。それでは、引き分けになる頻度から見てみましょう。

コインを6回投げる場合、6回連続で表が出る可能性が低いということを、私たちは直観で理解しています。6回投げるときの表裏の組み合わせは64通りあります。6回とも全部表または全部裏に、同じように投げられる確率は2/64、つまり約3%です。 (1 x ½ x ½ x ½ x ½ x ½)

コイン投げでは、表か裏どちらが出る確率も毎回50%です。だからといって、コインを6回投げれば表と裏が必ず3回ずつ出るわけではありません。

実際には、コインを6回投げて表と裏が3回ずつ出る確率は、20/64 (およそ31%)、つまり1/3ほどです。では、コイン投げ6回を1セットとして3回繰り返した場合、そのうちの1セットで表と裏が3回ずつ出ることが保証されるでしょうか? こちらも、必ずそうなるわけではありません。 

引き分けの確率を計算する

では、コインを投げる回数がその都度違う場合、表(H)と裏(T)が同じ回数になる可能性は? どの段階でも、表か裏のどちらかがリードするか、同じ回数になります。表と裏、同じ回数を出すためには、投げる合計数を偶数にする必要があります。

私たちは、投げる回数が2回、4回、6回、8回と増えるほど、表と裏が同じ回数になる可能性が高くなると思いがちです。これは、私たちが平均の法則を直観的に適用しているからです。平均の法則とは、「サンプルサイズが増えるほど、母集団の平均に近い結果が得られる」とされる一般論のことです。もっとわかりやすく言えば、雨の日が一週間続いた後に、次の日は晴れると予想してしまう理由が、この平均の法則にあります。

統計学的に言えば、これは間違いです。それも、大きな間違いです。

John Haighは著書『Taking Chances』の中で、コイン投げを連続で行ったときに、どこかの時点で表と裏が同じ回数出る確率を調査しています。

コイン投げの確率

表(H)と裏(T)が同じ回数出る確率
投げた回数 2 4 6 8 10
同じ回数になる可能性 1/2 3/8 5/16 35/128 63/256
確率 50% 37.5% 31.25% 27.34% 24.6%

回数から導き出されるパターンは直観に反するものであり、数学的素養のある人でも、このデータを1回見ただけでは信じることはできません。データでは、投げる回数が増えるほど、同じ回数になる確率が低くなることが明らかになりました。

コインを20回投げる場合、20回目に表と裏が同じ数になると思いますか? 表と裏が同じ回数になるのは、2回目、4回目、6回目…、16回目、18回目、20回目のどのタイミングでも起こります。11通りの可能性の中から、どれにお金を賭けますか?最後の方、最初の方、または中間の回にしますか?

多くの人は中間のどこかの回を選ぼうとします。しかし、アメリカの統計学の教授、David Blackwell氏による研究で、中間には完全な対称性があることがわかりました。表と裏が最後に同じ数になる確率は、16回目と4回目とで同じです。また、0回目と20回目がそれぞれ最も確率が高く、中間に近づくほど低くなります。 

最後に同じ数になる可能性

20回連続で投げたときに、最後に同じ数になる可能性
最後に同じ数になるタイミング 0または20回目 2または18回目 4または16回目 6 または14回目 8または12回目 10回目
確率 17.62% 9.27% 7.36% 6.55% 6.17% 6.06%

つまり、早い段階で同じ数にならなければ、同じ数になるまで時間がかかる可能性があるということです。

リードが変わる頻度は?

上記のことは、リードの変化の頻度にとって何を意味するでしょうか?以下の表は、コインを101回連続で投げたときに表と裏のリードが変化する回数の確率を示しています。 

リードが変わる確率

リードが変化する回数 確率
0 15.8%
1 15.2%
2 14%
3 12.5%
4 10.7%
5 8.8%
6 6.9%
7 5.2%
8 3.8%
9 2.7%
10 1.8%
11 2.6%

リードが変わる回数が4回以下である確率は68%です。5回~9回変わる確率は27%、10回以上変わる確率は4%~5%です。

さらに興味深いのは、半数の回で、後半で引き分けが発生しませんでした。つまり、中間の時点で表か裏のどちらかがリードしていれば、後半も同じ状態が続くということです。 

コイン投げの知恵をスポーツの賭けに適用してみましょう。

この時点で賭け事への応用がはっきりした形になっていることを願います。コイン投げの実験から、同程度の技術を持つプレイヤー間での勝負では、一般的に、引き分けにならない時間が長くなり、その後おそらく数回の引き分けが発生することがわかりました。引き分けが発生する可能性は、中間点よりも、初めまたは終わりのほうがはるかに高くなります。

Haighの調査では、同程度の腕前のスヌーカープレイヤーが対戦した場合、16フレーム目でリードしているプレイヤーが、最後の32フレームが終わった時点でリードを維持する可能性は50%であることが算出されています。サッカーにも同じロジックを適用できるでしょうか? リーグは技能水準が異なる複数のチームで構成されています。そのため、この法則が適用されると仮定するには、さらなる調査が必要です。

損失回避など、考慮すべき状況的要因が多いため、すべての結果がコイン投げのように明確になるわけではありません。損失回避とは、ただ勝つことを目指すのではなく、負けることを回避するという状況の方がよいパフォーマンスとなる傾向をいいます。コイン投げの実験 には、スポーツの賭けをする人にとって、理論的でありながらも、参考にすべきパターンがあります。

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