ベッティングにおいて自信は利点か欠点か?

自信はベッティングにどのように役立つか?

過剰な自信がベッティングに与える影響

ダニング=クルーガー効果

ベッティングにおいて自信は利点か欠点か?

一部のベッターにとって、自信は現れては消えるものですが、ベットの仕方に影響を与えることが多々あります。自信を成功し続けるために欠かせないものととらえる人もいれば、意思決定プロセスを妨げる可能性があるものと考える人もいます。この記事では、ベッティングで自信を持つことは良いことなのか悪いことなのかを分析します。詳しくは、この記事をお読みください。

さまざまなスポーツの専門家は、プレイヤーやチームが成功するための重要な要素として自信を引き合いに出すことがよくあります。自信によってパフォーマンスを向上させることができ、自信がないとパフォーマンスが落ちる可能性があるという事実は受け入れられたとしても、測定するのは間違いなく難しいでしょう。どの程度の自信がパフォーマンスに影響を与えるのかを判断することは難しいですが、なぜ自信がアスリートだけでなくベッターにも影響を与えるのかを理解することが大切です。

ベッティングと自信

過去のパフォーマンスを未来の成功の指標としている人はたくさんいます。これは、ホットハンドの誤謬と、人は事実であるかもしれないことよりも無作為の成功パターンに意味を見出すという傾向によって裏付けられています。自信の後押しが継続的な成功につながっている場合もあるかもしれませんが、ホットハンドの誤謬により私たちはこうした要因を過大評価し、関係する無作為性を見過ごしています。

ホットハンドの誤謬から生じるバイアスにより、「自信に満ちた」チームでない方に賭けると実際にはバリューがあるかもしれないと考えてみると面白いでしょう。市場は調子の要素などの概念の影響を受けたり、調子の良さが続く可能性を過大評価したりするので、市場での他の選択肢のオッズが本来より高くなり、バリューベットになるかもしれません。

自信はベッティングにどのように役立つか?

成功を続けているベッターのほとんどは、自分が努力した結果だと語るかもしれません。労力を注ぎ、ベッティング市場でバリューを見つけるために必要となる知識とスキルを身につけることに加えて、少しの運と物事を見守る適度な忍耐力も必要です。自信は必ずしもそれらをもたらしてくれるわけではありませんが、自分自身や自分のプロセスに疑いを持ち始めたときは(物事が計画通りにいかないとき、ベッターにとっては当然の出来事です)、モチベーションや忍耐力を得るきっかけになることがあります。

自分の能力やモデルの力に自信があると、向上心を持ち新しいことへの挑戦を続けやすくなります。自信だけでは決して十分ではなく、最終的にパフォーマンスの厳密なテストや評価によって、ベッティングの能力を判断することになります。しかし、確実に自信は成功を手にする道のりで起こる変化や避けられない負けに対処する力となってくれます。

負けが重なっても、自分は正しい、運が悪かっただけという自信に駆られ、同じアプローチを続けると、負けが続くだけです。

自信は最適なベットを見つけるために役立つだけでなく、そのベッティングを行う場合に力となります。ベッティングは自分の考えに基づいてお金を賭ける行為だとすると、その金額をリスクにさらすには自分自身と自分の予想能力に対してある程度の自信が必要になります。これは、リスクにさらす金額が大きくなるほどより顕著になります。自分自身と自分の決断に疑問を持てることは大切ですが、ベッターとして成功しようとしているなら、すべてをささげ、リスクを負うべき時があります。

ベッティングを仕事にして、収益を出せるほど十分な金額を稼ぎたい場合は、多額のお金をリスクにさらす可能性が高くなるでしょう(多額の各ベットや、比較的少額のベットを多数行う場合)。失って困る金額以上をベットしないことが大事ですが、そのお金をリスクにさらすには自分自身と、自分がベットするものに十分な自信を持つ必要があります。

過剰な自信がベッティングに与える影響

自信は、ベッターとベッティングで正しい決断をする能力に対して明らかにプラスの影響を与えます。しかし、自信によって起こりうる、注意すべき危険もいくつかあります。まず始めに最も明らかなのは、自信過剰です。

自信過剰は優越の錯覚による産物(または「平均以上効果」)で、その名前の通り、人は自身のスキルや判断に対して過剰な自信を抱くことになります。つまり、自分自身のパフォーマンスまたは他人と比べたときのパフォーマンスを過大評価します。簡単に言うと、自信過剰とは、実際よりも自分が優れていると考えることです。 

多くのベッターは自分の予測力を理解した上でお金を賭けますが、その根拠となる分析は限られています。こうしたベッターや他の多くの人にとって、先の結果を予測する能力を過大評価すると、大きな犠牲を払うことになる可能性があります。ベッティングで負けに対処するのは当然のことで、それが自分のアプローチに疑問を持つきっかけになることがあります。負けが重なっても、自分は正しい、運が悪かっただけという自信に駆られ、同じアプローチを続けると、負けが続くだけです。

自信と他人の評価

自分のスキルに対する過剰な自信とそれがベッティングの意思決定プロセスに与えうる影響には危険が潜んでいますが、他の人の能力に対する認識に影響する場合も同様に害があります。これは、ベッティング市場で直面する競争レベルの理解をゆがめることになります。

自分の能力に過剰な自信を持ち、他人の能力を過小評価していると、数少ない成功しているベッターに仲間入りすることの難しさを軽く見積もってしまうでしょう。自分が他の人より優れていると思っていると、心構えや労働観に影響するだけでなく、チャンスを逃したり、お粗末な決断を下したりすることにもつながります。

自信の後押しが継続的な成功につながっている場合もあるかもしれませんが、ホットハンドの誤謬により私たちはこうした要因を過大評価し、関係する無作為性を見過ごしています。

市場がそれだけ競争の激しい環境であることを考えると、ベッターは市場全体を重視する必要があります。市場には、ブックメーカーと他のベッター両方がいます。ベットで素晴らしいオッズが利用できると思ったときは、なぜそれらのオッズが利用できるのかを考えると良いでしょう。George Akerlofが1970年の論文「The Market for Lemons: Quality Uncertainty and the Market Mechanism」で説明しているように、非対称情報は逆淘汰につながります。

たとえばサッカーの試合があり、アウェーチームのオッズは2.80だろうと思ったときに、実際のオッズが3.45だったとします。素晴らしいオッズだと思い、自分の計算に自信があれば、すぐにそのオッズを活用するでしょう。しかし、市場の他の人たちはどうでしょうか? なぜブックメーカーはそのオッズを提示しているのか? なぜ他の人がそのチームに賭けてオッズが下がるということが起こらないのか? 自分が気づいていない情報がどこかにあるのか? 自分が使用している情報はすべて正確なのか? 自信と疑惑の間に細い道があり、世界最高のベッターは瞬時に有利な側に立つことができます。

他の個人(テニスプレイヤー)や各グループ(NFLチーム)を過剰に信頼することもあります。これは、彼らが試合で勝つ可能性を過大評価することにつながります。反対に、イベントに参加する個人やチームに対する信頼が低すぎると、彼らの能力や勝利の可能性を過小評価することにもつながります。

自分自身と他人に対する自信のレベルは、ベットの対象とベットの金額に影響します。自分またはベットの対象に自信を持ちすぎるのは、長期的な成功を求めている人にとって非常に危険なことになり得ます。(特定のイベントまたは一般的な市場で)ベットしない方に対する信頼がなさすぎる場合も同様です。逆に、ブックメーカーまたはベッティング市場の能力を過大評価すると、自信喪失につながり、成功するために十分な価値を見つけたり、価値のあるオッズで十分なベットをするのに苦労したりすることになります。  

ダニング=クルーガー効果

他の人と比べて自分の能力に過剰な自信を持っている場合、もう1つの産物としてダニング=クルーガー効果があります。David DunningとJustin Krugerは、1999年に「Unskilled and Unaware of It: How Difficulties in Recognizing One's Own Incompetence Lead to Inflated Self-Assessments」という研究を行いました。日常生活で優越の錯覚がどのように現れるのかを示す興味深いストーリーがたくさんありますが、下記のグラフはDunningとKrugerが研究で発見した重要な内容を示しています。

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興味深いことに、DunningとKrugerによると、一流レベルのパフォーマーは自分の能力を過小評価し、苦戦している人たちは能力を過大評価する傾向にあるようです。テストのスコアがベッティングスキルに基づく場合、上記のグラフのどこに自分があてはまるかを考えてみると面白いでしょう。

自信は常にベッティングの一部です。ベットの対象、ベットのタイミング、ベットの金額に影響します。ベッターにとって重要なのは、自信が持つ影響を常に忘れないことです。最終的な目標を達成するための忍耐力をもたらしてくれることについては自信は良いものですが、判断を鈍らせることもあります。 

自信は、ベッティング市場で見られるたくさんのバイアスの原因となります。大多数のベッターは、これらのバイアスが持つ影響を認識していない可能性がありますが、中にはそれらを把握していて、自分の判断への影響を取り除こうとする人もいるでしょう。しかし、そうしたバイアスの真の原因を特定することに時間をかけ、それらを活かし、価値のあるベッティングの機会を利用できる人はごくわずかです。
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