世界各地のベッターが国際大会に注目しています。特に、4年ごとに開催されるワールドカップでは注目度も高まります。2022年の大会はこれまでとは違います。ヨーロッパのサッカーシーズンのさなかにカタールで開催されるためです。
いつもとは異なる状況のため、今回のトーナメントの予測は難しくなっています。国際サッカーは、どれほどの好条件であっても予測が困難です。ほとんどのチームが年間に10試合ほどしかプレイせず、試合同士の間も数か月を挟むためです。ただし、予選でのよい試合の影響など、過去のトーナメントにはある傾向が見られますので、ベット先の選択の目安にできます。
2018年のワールドカップは、若手対熟練者の戦いでした。フランスとクロアチアによる決勝戦では、19歳の元フィールダー、キリアン・エンバペが活躍し、この夏のロシアで最優秀若手選手賞を受賞しました。相手サイドでは、32歳のルカ・モドリッチが、このトーナメントのベストプレイヤーに贈られるゴールデンボール賞を受賞しました。
エンバペは、後半にゴールを決め、4-2でフランスを勝利に導きました。フランスのワールドカップ優勝は2回目でした。両サイドのベストプレイヤーを見れば、勝ったのは若手でしたが、ワールドカップにおいて年齢と経験はどれほど重要なのでしょうか?
これに必要な情報は、Wikipediaで検索すれば、無料で簡単に手に入ります。過去のワールドカップごとに、参加した国の一覧ページがあり、各選手の生年月日や出場回数も記載されています。
各トーナメントが終了すると、FIFAはパフォーマンスの記録を元に、チームの最終順位を決定します。このランキングを使い、各国がどの程度の成功を収めたのかを判断できます。
ワールドカップでのパフォーマンスに年齢が与える影響は?
1998年から2018年まで、過去6回の大会に注目してみましょう。これは、参加した32か国が今年のカタール大会と同じ顔ぶれであるためです。
最も注意すべきことは、ワールドカップ出場チームの年齢が上がることや出場回数の多さと勝利には大きな関係がないということです。-1(完全に相関なし)から+1(相関あり)の尺度によるスピアマンの順位相関係数を使用すると、出場回数や年齢とワールドカップの最終順位の間には、明確なパターンが存在しないことがわかります。
ワールドカップでの平均年齢vs. 順位
ワールドカップ開催年 |
平均出場回数vs. 順位との関係 |
平均年齢vs. 順位との関係 |
2018年 |
0.210 |
0.029 |
2014年 |
0.031 |
-0.042 |
2010年 |
-0.053 |
-0.167 |
2006年 |
0.058 |
0.105 |
2002年 |
0.245 |
0.018 |
1998年 |
-0.195 |
0.238 |
最終的に勝利につながるのは、選手の能力と優れたマネジメントの組み合わせです。上位10チームの選手の平均出場数を見ると、最も成功しているチームは米国です。米国は、2002年で準々決勝に進出しました。
最終的に勝利につながるのは、選手の能力と優れたマネジメントの組み合わせです。
ただし、その4年前の大会では、平均出場数が高かった(各選手が53の国際大会に出場した数の平均)にもかかわらず、米国は最下位になっていました。これは2002年のサウジアラビアや、その4年前のパナマと同様です。いずれも経験では上位のチームでした。
出場数で下位10位のチームが優れていたわけではありません(前述の出場数が多いチームと比較して悪いわけでもありません)。2002年のセネガルとスペインの場合、選手当たりの平均出場数は18でしたが、同年の大会では8強に残っています。いずれもそこで敗退しましたが、したがって、国際大会の経験の豊富さはそれほどの意味を持たないと言えます。これは今回でも同様でしょう。
カタールワールドカップ:年齢が経験に直結しない理由
経験と年齢は、考えるほどの関連性はありません。出場回数の上位10チームのうち、平均年齢の上位10チームにも該当するのはわずか2つです。平均年齢上位チームの成績もほぼ同様で、最高でも2チーム(1998年のデンマークとドイツ)が準々決勝に進出したのみです。
この調査で推測できることは、チームの平均年齢がわずかに上がると、経験も増えるということです。
最も若いチームが8強に残った例も2つあります。前述した2002年のセネガルがそうですが、同じアフリカのガーナもその8年後に進出しています。あの悪名高い、ルイス・スアレスによるハンドがなければ、ガーナは準決勝進出チーム中、選手の平均年齢が最も若いチームになっていましたが、それは実現しませんでした。
以上の例から、20年間の傾向が理解できたことと思います。ワールドカップごとに、どうしても例外は発生しますが、この調査によれば、チームの平均年齢がわずかに上がると、経験も増えるということが推測できます。
ワールドカップでの選手の平均年齢
ワールドカップ開催年 |
選手当たりの平均出場回数 |
選手の平均年齢 |
1998年 |
29.0 |
26.9 |
2002年 |
30.7 |
26.9 |
2006年 |
32.7 |
26.8 |
2010年 |
31.2 |
26.8 |
2014年 |
33.6 |
26.8 |
2018年 |
35.4 |
27.4 |
最終順位で各国をグループに分類すると、ある傾向が明らかになります。ワールドカップの上位6か国は、平均年齢の高い国が多いのですが、優勝国の場合は3番目に若い国となるのです。
ワールドカップの上位6か国は、平均して最も年齢が高いチームです。
出場回数についてはそれほど大きな差は見られません。ただし、出場回数の多い国上位6か国中4か国が、最終順位になると下位5か国に入っているのは興味深い点です。
ワールドカップ最終順位vs. 平均年齢および平均出場回数
トーナメントの最終順位 |
平均出場回数 |
平均年齢 |
出場回数ランク |
年齢ランク |
1 |
31.7 |
26.4 |
12 |
30 |
2 |
34.2 |
27.9 |
7 |
1 |
3 |
31.0 |
26.6 |
18 |
27 |
4 |
29.3 |
26.9 |
28 |
17 |
5 |
30.3 |
27.3 |
22 |
5 |
6 |
29.2 |
26.8 |
29 |
18 |
7 |
28.0 |
26.3 |
30 |
31 |
8 |
33.7 |
27.7 |
8 |
2 |
9 |
30.3 |
27.0 |
21 |
14 |
10 |
29.6 |
26.8 |
25 |
19 |
11 |
31.4 |
27.2 |
16 |
7 |
12 |
39.4 |
26.8 |
2 |
22 |
13 |
33.7 |
26.7 |
9 |
24 |
14 |
29.7 |
27.1 |
24 |
10 |
15 |
38.2 |
27.5 |
3 |
3 |
16 |
29.7 |
27.1 |
23 |
11 |
17 |
31.2 |
26.6 |
17 |
28 |
18 |
31.4 |
27.2 |
15 |
8 |
19 |
30.9 |
27.1 |
19 |
9 |
20 |
31.5 |
26.0 |
14 |
32 |
21 |
29.5 |
26.9 |
26 |
16 |
22 |
30.7 |
27.0 |
20 |
13 |
23 |
33.7 |
27.3 |
10 |
6 |
24 |
27.6 |
26.8 |
31 |
21 |
25 |
31.7 |
26.7 |
13 |
25 |
26 |
29.4 |
26.7 |
27 |
23 |
27 |
26.2 |
26.6 |
32 |
26 |
28 |
38.0 |
26.9 |
4 |
15 |
29 |
34.8 |
27.4 |
6 |
4 |
30 |
33.5 |
27.0 |
11 |
12 |
31 |
36.9 |
26.5 |
5 |
29 |
32 |
40.0 |
26.8 |
1 |
20 |
2006年のワールドカップを制したイタリアチームを対象から除外すると(チームの平均年齢は28.2歳)、私たちの調査によると、残り5か国の平均年齢はわずか26.0歳で、最終順位の中では最も若いことになります。
相関関係があっても同じ結果をもたらすとは限りませんが、過去6回のワールドカップ決勝戦では、若手のイレブンで始まったチームが勝利を収めています。
通常、トーナメントは長く厳しいシーズンの終わり頃に開催されるため、より若い選手がいると有利になるということも考えられます。相関関係があっても同じ結果をもたらすとは限りませんが、過去6回のワールドカップ決勝戦では、若手のイレブンで始まったチームが勝利を収めています。ただし、合計出場回数にはパターンが見られません。経験豊かなチームは、3つが上位まで駆け上りましたが、3つは最後のハードルでつまずいています。
年 |
チーム |
結果 |
選手当たりの出場回数 |
平均年齢 |
2018年 |
フランス |
優勝 |
41.6 |
25.8 |
2018年 |
クロアチア |
準優勝 |
55.6 |
28.9 |
2014年 |
ドイツ |
優勝 |
56.8 |
26.8 |
2014年 |
アルゼンチン |
準優勝 |
39.7 |
27.9 |
2010年 |
スペイン |
優勝 |
52.9 |
26.8 |
2010年 |
オランダ |
準優勝 |
48.5 |
27.7 |
2006年 |
イタリア |
優勝 |
39.2 |
29.0 |
2006年 |
フランス |
準優勝 |
55.1 |
29.3 |
2002年 |
ブラジル |
優勝 |
35.9 |
26.0 |
2002年 |
ドイツ |
準優勝 |
25.1 |
27.8 |
1998年 |
フランス |
優勝 |
29.4 |
27.6 |
1998年 |
ブラジル |
準優勝 |
51.8 |
28.9 |
年齢と出場回数を分析するために、シンプルな経験値スコアを使用します。当該チームでの平均出場回数を、平均年齢で割ることで算出します。年齢が若く、出場回数も多いチームのスコアは高く、年齢層が高く出場回数が少ない場合は低くなります。
最終順位でチームをグループに分類すると、過去6回のワールドカップでの平均経験値スコアは1.19になります。興味深いのは、優勝、準優勝、第3位のチームの経験値の差が0.04以内に収まることです。上位8チームのうち、平均値で0.1以上の差がついたのは1つのみでした。
トーナメントの最終順位 |
平均出場回数 |
平均年齢 |
経験値スコア |
1 |
31.7 |
26.4 |
1.20 |
2 |
34.2 |
27.9 |
1.23 |
3 |
31.0 |
26.6 |
1.17 |
4 |
29.3 |
26.9 |
1.09 |
5 |
30.3 |
27.3 |
1.11 |
6 |
29.2 |
26.8 |
1.09 |
7 |
28.0 |
26.3 |
1.06 |
8 |
33.7 |
27.7 |
1.22 |
言い換えると、年齢と経験の程よいバランスが好成績につながりやすいことを歴史が示しています。カタールでは何が見られるか、期待して待ちましょう。出場者が発表されたら、この32か国のデータがベッターの皆さんの役に立つことでしょう。
ワールドカップ2022を待ちかねている皆さん。 ぜひご登録のうえ、 Pinnalceが提供する注目のワールドカップ2022オッズでベットをお楽しみください。