4 6, 2021
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2021年オスカー:ベッティングプレビューと受賞予想

第93回アカデミー賞プレビュー

2021年オスカー:作品賞と監督賞のオッズ

主演男優賞・主演女優賞の予想

オスカーの有力候補はどの作品、俳優なのか

2021年オスカー:ベッティングプレビューと受賞予想

新型コロナウイルス感染症の世界的流行による2か月間の延期を経て、ついに今年も映画界最大の賞、第93回アカデミー賞の受賞者が4月25日に発表されることになりました。有力候補は誰で、バリューが高いのはどのノミネートで、ベッターは何に注目すべきなのでしょうか。オスカーシーズンに最大限の成果を上げる予想ができるよう、ぜひ最後までご覧ください。

2021年オスカーの開催まで

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により世界の映画界が大きく混乱した1年間を経て、アカデミーは昨年6月に今年のオスカー授賞式を2月28日から4月25日に延期することを決めました。その結果、ノミネートの選考対象期間が延長され、今年のノミネートは2020年1月1日から2021年2月28日までに公開された作品が対象となっています。2019年と2020年に続き、今年は総合司会なしで行われる3回目のオスカー授賞式となります。

昨年の受賞式で、オスカーでは女性や民族的マイノリティが過小評価されているという長年の批判が再燃したことから、今年ノミネートされた候補者には多様性という点でこれまでとの違いが見られます。最も注目すべきは、オスカー史上初めて2名の女性(『ノマドランド』クロエ・ジャオ監督と『プロミシング・ヤング・ウーマン』のエメラルド・フェネル監督)が監督賞にノミネートされたことです。

また、スティーヴン・ユァンとリズ・アーメッドはそれぞれアジア系アメリカ人、イスラム教徒として初めて主演男優賞にノミネートされ、チャドウィック・ボーズマンは同部門で死後にノミネートされた初めての黒人俳優となりました。さらに、ヴィオラ・デイヴィスとアンドラ・デイの主演女優賞へのノミネートにより、1973年以来初めて2名の黒人女性が同部門にノミネートされています。

新型コロナウイルス感染症を理由に「バーチャル」形式の式典を推し進めた他の受賞式典とは異なり、オスカーの主催者はドルビーシアターとユニオンステーションに集まるよう求めるとしました。実際、プロデューサー陣は「誰もが受賞式の夜を安全に楽しめるようあらゆる手を尽くしている」と述べています。

2021年オスカー:作品賞オッズ

映画

オッズ

ノミネート部門数

ノマドランド

1.260*

6

シカゴ7裁判

10.600*

6

ミナリ

10.730*

6

プロミシング・ヤング・ウーマン

11.970*

5

ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア

30.880*

6

マンク

41.760*

10

サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ

45.380*

6

ファーザー

116.280*

6

今年の主要な賞の受賞者:

  • ゴールデングローブ賞(作品賞ドラマ部門)、放送映画批評家協会賞 – ノマドランド

クロエ・ジャオ監督の新しい西部劇『ノマドランド』(1.260*)は、今年すでにゴールデングローブ賞と放送映画批評家協会賞の両方で作品賞に相当する賞を受賞していることから、まぎれもない作品賞の最有力候補となっています。レビュー集積サイトMetacriticによって2020年の最優秀映画の評価を受けたこの作品は、観客からも批評家からも温かく迎えられ、映画批評サイトRotten Tomatoesは「忘れられ虐げられた人々の詩的な人物像分析」と形容しています。

しかし、近年は作品賞の有力候補だった4作品のうち3つが受賞を逃していることから、この部門では有力候補が受賞するという予想はいささか危険を伴うことが示されています。中でも注目すべきは、2019年にクロージングオッズが1.321であった『Roma ローマ』ではなく『グリーンブック』が、そして昨年はクロージングオッズが間違いなくトップの1.389であった『1917 命をかけた伝令』ではなく、『パラサイト 半地下の家族』が作品賞を受賞したことです。

作品賞にノミネートされている映画8作品の中で、有力候補となっているのは『ノマドランド』です。

『ノマドランド』を追うのは、『シカゴ7裁判』(10.600*)、『ミナリ』(10.730*)、『プロミシング・ヤング・ウーマン』(11.970*)の3作品で現在オッズは拮抗しています。

『シカゴ7裁判』はアーロン・ソーキンが脚本・監督を手掛けた作品で、共謀罪に問われたベトナム戦争反対運動の活動家たちの事実に基づくストーリーです。さらに注目なのは、昨年『アイリッシュマン』と『マリッジ・ストーリー』で受賞を逃したNetflixが作品賞を獲得する可能性がこれまでで一番高いと考えられることです。

昨年『パラサイト 半地下の家族』が作品賞を受賞し、韓国映画の人気を押し上げることとなった中、『ミナリ』は米韓共同制作で、1980年代にアメリカ農村部に移民した韓国人の一家を描いた作品です。昨年のサンダンス映画祭では観客賞を獲得し、この波に乗って、オスカーでも外国語映画をより適正に評価すべきと主張する層からの支持を得られるでしょう。

一方、『プロミシング・ヤング・ウーマン』は、エメラルド・フェネル監督の監督デビュー作となるブラックコメディーです。性的暴行の被害を受けた友人のために復讐を企てる女性のストーリーで、切れのあるスリルを感じさせながら重大な問題に対する問題意識を啓発する作品として、批評家から称賛されました。

今年は他にもダークホースとして、フレッド・ハンプトンの伝記映画『ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア』(30.880*)、最多となる10部門でのノミネートを誇る『マンク』(41.760*)、聴覚を失ったヘビーメタルドラマーのストーリーである『サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ』(45.380*)があります。『ファーザー』(116.280*)を併せたこれら4作品はどれも、批評家から絶賛されていますが、受賞するために必要な勢いが得られていないようです。

2021年オスカー:監督賞のオッズ

監督

映画

オッズ

クロエ・ジャオ

ノマドランド

1.073*

デヴィッド・フィンチャー

マンク

13.640*

リー・アイザック・チョン

ミナリ

13.640*

エメラルド・フェネル

プロミシング・ヤング・ウーマン

25.240*

トマス・ヴィンターベア

アナザー・ラウンド

30.700*

今年の主要な賞の受賞者:

  • ゴールデングローブ賞、放送映画批評家協会賞 – クロエ・ジャオ(『ノマドランド』)

オッズが信頼できるとすれば、監督賞は『ノマドランド』クロエ・ジャオ監督(1.073*)が圧倒的に優勢です。この監督作品にはゴールデングローブ賞や放送映画批評家協会賞を含む数々の称賛が送られているのに加え、レビューでは、物語の構造を取っていないにもかかわらず心を引きつけられる作品の本質が高く評価されています。

デヴィッド・フィンチャー監督は、2020年公開の『マンク』で3度目の監督賞ノミネートを受けています。  

また、ジャオ監督がオスカーの歴史に名を残す可能性も大いにありうることが示されています。受賞すれば、女性監督としては2009年の『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグロー監督に続くわずか2人目の、そしてアジア人女性監督としては初めての監督賞受賞者となります。10年間にわたり本部門にノミネートされた50名の監督のうち49名が男性であったため、多くの人からジャオ監督の功績が認められるよう強く求める声が上がることでしょう。

デヴィッド・フィンチャー監督(13.640*)は、今回の『マンク』でも、愉快なひねりのあるストーリー展開を生き生きと描いた点が称賛されています。この作品は、脚本家ハーマン・J・マンキウィッツが『市民ケーン』の脚本を執筆するまでを描いたストーリーです。白黒映像を用いたフィンチャー監督を、ロサンゼルスタイムズ紙のジャスティン・チャン氏は「常に目が離せない目まぐるしさが楽しい作品」が生まれたと称賛しています。

リー・アイザック・チョン監督(13.640*)も『ミナリ』でノミネートされています。監督が脚本も手掛けたこの作品は、監督自身の子どものころの体験に基づくもので、シンプルな物語で感情の深みをとらえたことが評価され、多くの批評家から好評を得ています。韓国のポン・ジュノ監督が昨年『パラサイト 半地下の家族』で監督賞を受賞しており、チョン監督も同様に「欧米の観客に、初めはなじみがないように感じられるストーリーとつながりを持ってもらいたい」という強い希望を表明しています。

最後に、エメラルド・フェネル(25.240*)監督は、『プロミシング・ヤング・ウーマン』で女性のエンパワーメントに対する「まったく新しい奔放な解釈」を可能にしたとして、映画レビューサイトIndieWireで称賛されています。『アナザー・ラウンド』は、私生活と社会生活を向上させようとアルコールの摂取量を増やしていく4人の友人の物語です。トマス・ヴィンターベア監督(30.700*)は、この作品でコメディーとドラマの要素のバランスの良さが称賛されています。

2021年オスカー:主演・助演/男優賞・女優賞のオッズ

主演男優賞

主演女優賞

助演男優賞

助演女優賞

チャドウィック・ボーズマン - マ・レイニーのブラックボトム
(1.092*)

キャリー・マリガン - プロミシング・ヤング・ウーマン
(1.617*)

ダニエル・カルーヤ - ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア
(1.220*)

マリア・バカローヴァ - 続・ボラット
(2.520*)

リズ・アーメッド - サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ
(10.450*)

アンドラ・デイ - ザ・ユナイテッド・ステイツ vs.
ビリー・ホリデイ(5.580*)

サシャ・バロン・コーエン - シカゴ7裁判
(6.480*)

ユン・ヨジョン - ミナリ
(2.750*)

アンソニー・ホプキンス - ファーザー
(10.870*)

フランシス・マクドーマンド - ノマドランド
(6.090*)

レイキース・スタンフィールド - ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア
(12.570*)

グレン・クローズ - ヒルビリー・エレジー
(7.020*)

スティーヴン・ユァン - ミナリ
(37.000*)

ヴィオラ・デイヴィス - マ・レイニーのブラックボトム
(8.880*)

ポール・レイシー - サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ
(18.610*)

オリヴィア・コールマン - ファーザー
(7.470*)

ゲイリー・オールドマン - マンク
(50.060*)

ヴァネッサ・カービー - 私というパズル
(13.300*)

レスリー・オドム・Jr. - あの夜、マイアミで
(19.610*)

アマンダ・セイフライド - マンク
(8.810*)

今年の主要な賞の受賞者:

  • ゴールデングローブ賞、放送映画批評家協会賞 - 主演男優賞:チャドウィック・ボーズマン -『マ・レイニーのブラックボトム』助演男優賞:ダニエル・カルーヤ -『ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア』
  • ゴールデングローブ賞 - 主演女優賞:アンドラ・デイ -『ザ・ユナイテッド・ステイツ vs. ビリー・ホリデイ』、助演女優賞:ジョディ・フォスター -『モーリタニアン』
  • 放送映画批評家協会賞 - 主演女優賞:キャリー・マリガン - 『プロミシング・ヤング・ウーマン』助演女優賞:マリア・バカローヴァ -『続・ボラット』

オッズを見ると、主演・助演/男優・女優賞の4部門すべてで圧倒的な有力候補が受賞した昨年とは異なり、今回は難しい選択になることが示されています。

主演男優賞の最有力候補は、『マ・レイニーのブラックボトム』でレヴィー・グリーンを演じたチャドウィック・ボーズマンでオッズは1.092*です。ボーズマンは2020年8月に結腸がんでなくなっているため、死後にオスカーの主演・助演/男優・女優賞部門でノミネートされるのは、2009年にヒース・レジャーが『ダークナイト』で主演男優賞を受賞して以来初めてとなります。ボーズマンの演技はこれまでのキャリアの中で「最もダークで、最も洗練されている」と称され、この数か月間で数えきれないほどの賞を受賞しました。

主なライバル候補と思われるのは、『サウンド・オブ・メタル』でルーベン・ストーンを演じたリズ・アーメッド(10.450*)と『ファーザー』でアンソニーを演じたアンソニー・ホプキンス(10.870*)です。2人はそれぞれ聴覚を失ったドラマーと認知症との折り合いをつけようとする年配男性の葛藤を、力強い感情で表現した演技で称賛されています。

今年の助演女優賞部門は最も面白く、接戦になることが確実視されています。

『プロミシング・ヤング・ウーマン』でキャシー・トーマスを演じたキャリー・マリガン(1.617*)には、多少芳しくない評価も寄せられましたが、主演女優賞の最有力候補となっています。Rotten Tomatoesが「役者としてのキャリアで最高の演技」と評している一方で、エンタテインメントビジネス誌VairetyのDennis Harvey氏は、彼女の起用が適切だったのかを疑問視しています。

マリガンでないとすれば、アンドラ・デイ(5.580*)、フランシス・マクドーマンド(6.090*)、ヴィオラ・デイヴィス(8.880*)の中の誰が勝ってもおかしくない状況です。ゴールデングローブ賞では、『ザ・ユナイテッド・ステイツ vs. ビリー・ホリデイ』で主役を演じ、他の役者なら平凡なレビューしか得られなかったはずの作品で支持を得たと評されたデイが、マリガンを破って主演女優賞を獲得しています。マクドーマンドが『ノマドランド』の演技で称賛を得た一方で、『マ・レイニーのブラックボトム』のデイヴィスは主演男優のボーズマンの前でかすんでしまったと一部の批評家は述べています。

助演男優賞部門は議論の真っただ中にありますが、ダニエル・カルーヤ(1.220*)が『ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア』で共演したレイキース・スタンフィールド(12.570*)を抑えて最有力候補となっています。ワーナー・ブラザース社はスタンフィールドの主演男優賞ノミネートを目指して推進活動をしていたため、この部門にスタンフィールドではなくカルーヤの名前が挙がったことは驚きと混乱をもたらしました。

『シカゴ7裁判』でアビー・ホフマンを演じ、IndieWireが「話題をさらった」と称したサシャ・バロン・コーエンのオッズは6.840*で、この2人の間につけています。一部からダークホースとの呼び声もあるレスリー・オドム・Jr.のオッズは19.610*となっています。

『モーリタニアン』でゴールデングローブ賞を獲得したジョディ・フォスターがノミネートすらされなかったことに反映されているように、今年の助演女優賞部門は最も面白く、接戦になることが確実視されています。オスカーでは『続・ボラット』に出演したマリア・バカローヴァが僅差で驚きの最有力候補となっています。オッズは2.520*です。一部の批評家からは、この作品のコメディー要素の目玉であり「魅力的で真に迫った」演技だったとの声が上がっています。

それを僅差で追うのが『ミナリ』ユン・ヨジョンで、オッズは2.750*です。渡米して家族に合流した直後に脳卒中を患う一家の祖母の役を演じています。助演女優部門の候補者としては他に、グレン・クローズ(7.020*)、オリヴィア・コールマン(7.470*)、アマンダ・セイフライド(8.810*)がいます。マーケットでは、有名どころよりもダークホース的な候補者が好まれているようです。

Pinnacleで、今年のオスカーの主要部門すべてのオッズをチェックできます。

オッズは変更される場合があります

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