予想ゴール数とは? 予想ゴール数の解説

予想ゴール数とは?

予想ゴール数の関連用語

予想ゴール数を利用したサッカーのベッティング

予想ゴール数分析の限界とは?

予想ゴール数とは? 予想ゴール数の解説

予想ゴール数が、サッカーコミュニティで注目の話題となっています。予想ゴール数とはいかなるものか?この統計値が分析の改善にどう使えるのか? これを読めば、予想ゴール数という統計値について、必要なことがすべてわかります。

予想ゴール数の関連用語

予想ゴール数(xG)‐1つのチームまたは1人の選手が決めると予想されるゴール数で、打ったシュートの質と量に基づく。

90分あたりの予想ゴール数(xG/90)‐特定の1人の選手における90分あたりの予想ゴール数。

非ペナルティ予想ゴール数(npxG)‐予想ゴール数のトータルからペナルティに起因する予想ゴール数を引いたもの。

予想ゴールフォー数(xGf)‐1つのチームが決めると予想されるゴール数で、打ったシュートの質と量に基づく。

予想ゴールアゲンスト数(xGa)‐1つのチームが失うと予想されるゴール数で、打たれたシュートの質と量に基づく。

予想ゴールアシスト数(xA)‐1人の選手で予想されるアシスト数で、そのパスから直接打ったシュートの質と量に基づく。

予想得点数(xPts)‐1つのチームで予想される得点数で、予想ゴール数に基づく。

予想ゴール数とは何か? 予想ゴール数の解説

予想ゴール数とは、シュートがゴールになる可能性を評価する指標です。予想ゴール数(xG)の値が0.4のシュートは40%の可能性で決まるはず、というように、シュートの質を判断できます。xGが1というのは、1つのシュートがとりうる最高の値で、その選手は100%の可能性でシュートを決めることを意味します。

xGを計算する際にいくつの要素を考慮するかは、予想ゴール数モデルによって異なります。

非ペナルティゴール統計値は何に使う?

非ペナルティゴール統計値を使うと、選手のゴール数統計値と予想ゴール数統計値との比較に、選手のパフォーマンスをより正確に反映させることができます。ペナルティのxGは0.76のため、ペナルティキッカーに指名された選手は、そのおかげで大幅にxG/90が増大します。

しかし、自分自身でペナルティを得たとは限らないため、これを統計値に含めてしまうと、非ペナルティキッカーと比較する際のペナルティキッカーのパフォーマンスが公平なものでなくなるのです。

予想ゴール数はなぜ有用なのか?

予想ゴール数が有用なのは、サッカーを分析する際のサンプルデータ数が多いためです。サッカーは試合での得点数が少なく、ゴールはそう多くは発生しません。そのため、ゴール数のデータだけだと誤った判断を下しがちです。

相手側より多くのチャンスを作ったチームが、最終的に試合を落とすという例は、毎シーズン数えきれないほどあります。単純なゴール数のデータは、この事実を正しく反映しておらず、本当のゲーム内容を表していません。予想ゴール数は、各ポジションから決めたゴール数の平均を計算することにより、チャンスについても考慮するのです。 

予想ゴール数が使われる以前は、試合を分析するのにシュート数の合計や枠内シュートといった指標が使われました。しかし、ゴール数と同じく、これらの統計値も誤判断を招くものでした。シュート数合計は、ハーフウェーラインからのシュートもゴールエリア(6ヤードボックス)からのシュートも、同じようにカウントします。

Bundesligaの2014/15シーズン中、Borussia MönchengladbachのGranit XhakaとMainz 05のYunus Malliは90分あたりほぼ同数のシュートを打ちました。シュート数でみるとこの2選手は同じくくりに入りますが、下表のように予想ゴール数でみると違いがわかります。

Bundesliga 2014/15シーズンのXhaka対Malli

Bundesliga 2014/15シーズンのXhaka対Malli

 

Granit Xhaka

Yunus Malli

90分あたりのシュート数

2.08

1.96

NpxG/90

0.06

0.21

xG/シュート数(オープンプレイ)

0.02

0.12

90分あたりのゴール数

0.07

0.21

90分の試合でより多くのシュートを打ちながら、Xhakaの出した結果はMalliに及びませんでした。Malliは、Xhakaよりも短いプレイ時間で、Xhakaの0に対して6つのゴールを決めています。Malliは主に近距離のシュートを打っていて、70.7%がペナルティエリアの内側からでした。それに対して、Xhakaは64%がペナルティエリアの外側からでした。

つまり、MalliはXhakaよりシュート数は少ないものの、よりよい位置から打っていたのです。予想ゴール数によって、両者のシュートのどちらに高いバリューがあるかがわかり、また、迅速かつ容易にシュートの位置やタイプをデータ化することができます。これにより、2人の選手の違いをより適切に分析できるようになります。

予想ゴール数の計算に使用する要素は?

上述のとおり、シュートを打った位置は、そのシュートのxGを計算するうえで大きな要素となります。しかし、モデルがより洗練されるにつれ、さらなる正確性を追求するために他の要素も考慮することになります。

モデルによっては、シュートを打つのに使った身体部位から、ディフェンスの位置、攻撃のスピード、攻撃のポゼッションが開始された場所まで、あらゆることを考慮します。

参考資料: 予想ゴール数の計算

最も正確な予想ゴール数モデルはどれか?

どの予想ゴール数モデルが最も正確かについては、議論が分かれるところです。幸い、ピナクルのサイトには、種々の予想ゴール数モデルそれぞれについてメリットを述べた記事があります。 

予想ゴール数モデルを将来のパフォーマンス予測に使用する

単純なゴール数の分析がいかに誤判断を招くかについての好例が、2017年8月Premier LeagueでのArsenalとStokeの試合です。1対1という結果からは、互角の試合だったように受け取れます。しかし、この引き分けをもってPremier Leagueの将来を予測するとしたら、その結果が疑わしいのは明らかです。

下表に、予想ゴール数の観点も含めた試合の様相を示します。

Arsenal対Stoke xPts

Arsenal対Stoke xPts

チーム(xG)

予想得点数(xPts)

勝利の可能性(%)

Stoke(0.69xG)

0.79

17%

Arsenal(1.41xG)

1.94

55%

予想ゴール数分析を使うと、長期的な視点では、Arsenalがこの試合に勝利する可能性は55%と予想できることがわかります。得点結果のばらつきによる影響を最小化できるため、将来のパフォーマンスを予測するうえで、この方法は単純なゴール数分析よりもはるかに有効です。このデータを使えば、長期的にはArsenalのほうがStokeよりも良いパフォーマンスを出しそうなことがはっきりします。

参考資料: Premier Leagueの順位予測に予想ゴール数を使用する

予想ゴール数分析の限界とは?

他のあらゆるサッカー指標と同様、予想ゴール数も100%現実を反映できるわけではありません。よくある批判として、xGはシュートの平均を計算するため、エリートストライカーのシュート決めスキルや、世界的ゴールキーパーの反射神経などが無視される、というものがあります。もっともな批判で、Harry KaneやDavid De Geaレベルの能力をもつ選手個人の分析では、確かに考慮に値します。

Harry Kaneの予想ゴール数 対 実際に決めたゴール数

Harry Kaneの予想ゴール数 対 実際に決めたゴール数

シーズン

実際に決めたゴール数

予想ゴール数

2016/17

29

19.82

8.75

2015/16

25

22.73

2.27

2014/15

21

17.16

3.84

ディフェンスシステムの中には、攻撃を抑えて予想ゴール数を下回らせることに秀でたものもあるようです。その一例として、Sean Dyche率いるBurnleyはその独特な編成のディフェンスによって、いつも失点が予想を大きく下回ります。

また、チームがそのスタイルやメンバーを変えた場合は、過去の予想ゴール数統計値がそのまま適用できるとはかぎりません。予想ゴール数を使用して選手個人の能力を判断する際は、選手のポジションやチームメートも考慮に入れることが重要です。

驚くにはあたりませんが、例えば、Lionel MessiはSergio Busquetsよりも高いxG値をもっています。両選手は、チームに対して異なるスキルセットで貢献しているのです。さらに、弱いチームから強いチームへ移籍した選手は、多くの場合、予想ゴール数が改善します。

参考資料: 大きなチャンス1つは複数の小さなチャンスに勝るか

予想ゴール数をサッカーベット用に解釈する方法

上述のとおり、予想ゴール数は分析において非常に有用な指標となりますが、現実の状況を常に100%反映するわけではありません。ベッターにとって、チームと選手を分析する際には、BurnleyのディフェンスやHarry Kaneのシュート能力といった規格外の存在も考慮することが重要です。

ベッティングにおいて、予想ゴール数は、将来バリューが得られそうな規格外を見極めるのに役立ちます。短期的に予想ゴール数を上回ったり下回ったりしているチームは、平均値に戻る傾向があります。マーケットがそういった短期的なパフォーマンスの異常性を考慮していない場合は、この点でバリューを得られるかもしれません。

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