1試合当たりの得点数
リーグ | 試合数 | 得点 | 1試合当たりの得点数 |
Bundesliga | 1530 | 4451 | 2.91 |
La Liga | 1900 | 5306 | 2.79 |
Premier League | 1900 | 5180 | 2.73 |
Serie A | 1900 | 5164 | 2.72 |
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欧州にはさまざまなサッカーリーグがあり、リーグによってエンターテインメント性の高さは異なると思われています。しかし、こうした見方はどこまで正しいのでしょう?あるいはこれは「神話」にすぎないのでしょうか? エンターテインメント性とは、言い換えれば1試合でどれだけ多くの得点やシュートが生まれるかです。これが欧州サッカーの4大リーグでベッティングをする際にどう役立つか知りたい方は、この記事をお読みください。
これらの国に関しては、さまざまな統計があります。多様なサッカーリーグでベッティングをする際は、統計の基準となるレベルを知っておくと役に立ちます。これが有効なのは、人はある国のサッカーに関する固定観念にとらわれることがあるからです。たとえば、イタリアが非常に守備的なサッカーを好むのに対して、Premier Leagueは世界一エキサイティングなリーグだというのがよくある見方です。これらは、欧州サッカーにまつわる神話の例です。
しかし、こうした見方は本当に正しいのでしょうか? この問いに対する答えを知れば、ベッティングの際に判断材料となります。幸い、得点やシュートのデータはオンラインのあちこちで確認できます。
得点の多さによって守備力を測るのであれば、確かにSerie Aは欧州の他のトップリーグと比べて最も守備的に見えます。実際、過去5シーズン(2012/13~2016/17)の数値を示した下記の表を見ると、1試合当たりの得点数が最も少ないのはイタリアでした。
リーグ | 試合数 | 得点 | 1試合当たりの得点数 |
Bundesliga | 1530 | 4451 | 2.91 |
La Liga | 1900 | 5306 | 2.79 |
Premier League | 1900 | 5180 | 2.73 |
Serie A | 1900 | 5164 | 2.72 |
ただし、この図は変更となる場合があります。ポストシーズンのプレーオフやファイナルラウンドを除いて、2016/17シーズンのSerie Aは1試合当たりの得点数がイタリア史上9番目に多く(出典: http://www.worldfootball.net/stats/ita-serie-a/1/)、1950/51シーズン以降では最多となりました。
2017/18シーズンはまだ序盤ですが、10月の国際マッチデーによる中断期間前の時点で、Serie Aの1試合当たりの得点平均は史上13番目に多くなっています。イタリアの守備的指向の影響を受け、この流れもいずれ変わるのでしょうか? 時がたてばいずれわかるでしょう。
上記の表では、Premier Leagueの得点数がドイツやスペインより下回っていることも注目に値します。過去20シーズンを見てみると、Premier Leagueが1試合当たりの得点数でトップ7入りしたことは1度もありません(8位から10位の間には入っていますが)。
得点というのは、どちらかと言うとまれな出来事です。エンターテインメント性のレベルを判断するには、シュート数を指標とした方が良いかもしれません。サッカーで打たれるシュートの数は得点のおよそ10倍にのぼるからです。この4大リーグの2016/17シーズンに注目してみましょう。1試合当たりの得点数では、Premier Leagueが最低ランクです。
しかし、下記の表を見ればわかる通り、シュート数が最も少ないわけではありません。
リーグ | 試合 | シュート数合計 | 1試合当たりのシュート数 | 枠内シュート数合計 | 1試合当たりの枠内シュート数合計 |
Serie A | 380 | 10059 | 26.5 | 3546 | 9.3 |
Premier League | 380 | 9729 | 25.6 | 3288 | 8.7 |
Bundesliga | 306 | 7636 | 25.0 | 2703 | 8.8 |
La Liga | 380 | 9143 | 24.1 | 3387 | 8.9 |
ただ、イングランドは1試合当たりの枠内シュート数も最低ですから、得点数が最低なのはこのあたりに原因があるのかもしれません。イタリアはシュート数と枠内シュート数ともにトップを走っています。
個々の試合が最もエキサイティングな、あるいは最も退屈なリーグはどれかと考えると、Serie Aのエンターテインメント性が際立ちます。上記の表を見ると、1位から最下位までのリーグの1試合当たりのシュート数の差はわずか2.4本です。ただし、これはあくまで平均ですから、個々の試合にも注目してみましょう。
2016/17シーズンは4リーグ合わせて1,446試合が行われました。このうち合計シュート数が32本を超えた試合は約10%で、19本を下回った試合もほぼ同じくらいの割合でした。エキサイティングな試合が最も多いリーグから最も少ないリーグまでランク付けするとしたら、各国のエキサイティングな試合の数はどれくらいでしょうか?
リーグ
|
試合
|
シュート数33本以上
|
全試合に占める割合
|
シュート数18本以下
|
全試合に占める割合
|
Serie A
|
380
|
52
|
13.7%
|
29
|
7.6%
|
Premier League
|
380
|
41
|
10.8%
|
33
|
8.7%
|
Bundesliga
|
306
|
32
|
10.5%
|
35
|
11.4%
|
La Liga
|
380
|
24
|
6.3%
|
54
|
14.2%
|
国ごとの順位は合計シュート数の表と変わりませんが、ここではもっと明確な違いが表れています。エンターテインメント性の高い試合数で見ると意外にもイタリアがトップであり、スペインの2倍以上となっているのです。しかし、確かにこれが現実です。
ただ、1試合当たりの合計シュート数だけでは、確実にエキサイティングな試合かどうかはわかりません。エンターテインメント性を判断するには、最初から最後まで拮抗した試合展開であることが重要です。1試合当たりのシュート数が40本でも、そのうち35本を一方のチームが打っていた場合、両チームともに20本のシュートを放った場合(基準となる例)よりもエキサイティングだとは言えないでしょう。
昨シーズン、一方のチームが相手より15本以上多くシュートを打った試合は約10%で、その差が1本以下にとどまった試合は14.2%でした。興味深いことにこの点で見ると、最も拮抗した試合の割合が多いのはBundesligaです。
リーグ
|
試合
|
シュート本数の差が15本以上
|
全試合に占める割合
|
シュート本数の差が1本以下
|
全試合に占める割合
|
Bundesliga
|
306
|
24
|
7.8%
|
57
|
18.6%
|
Premier League
|
380
|
51
|
13.4%
|
51
|
13.4%
|
La Liga
|
380
|
26
|
6.8%
|
49
|
12.9%
|
Serie A
|
380
|
42
|
11.1%
|
48
|
12.6%
|
Serie Aの場合、シュート本数は多いものの、シュート本数で拮抗している試合数では最低ランクです(ただし、イタリア、スペイン、イングランドはほとんど差がありません)。
ある究極の方法を使えば、試合のエンターテインメント性の高さを判定できるかもしれません。チームが逆転勝ちする頻度を見るのです。前述の例と国ごとの順位が変わらないのは興味深いですが、納得のいく結果です。下記の表は2016/17シーズンを含む過去5シーズンを示しています。
リーグ | 1点差以上の試合 | 勝ち | 引き分け | 負け | 勝ち % | 引き分け % | 負け % |
Bundesliga | 1426 | 964 | 265 | 197 | 67.6% | 18.6% | 13.8% |
Premier League | 1746 | 1215 | 316 | 215 | 69.6% | 18.1% | 12.3% |
La Liga | 1761 | 1247 | 303 | 211 | 70.8% | 17.2% | 12.0% |
Serie A | 1761 | 1207 | 344 | 210 | 68.5% | 19.5% | 11.9% |
それでは、この記事から学べることは何でしょうか? これらの指標をもとに考えると、Premier Leagueは一般に思われているほどエンターテインメント性が高いわけではないようです。一方、Serie Aを守備重視だと考える人はいるかもしれませんが、実際はそうでもありません。
傾向を見ることは常に有益ですが、ベッティングをする際は慎重に扱う必要があります。Bundesligaは逆転勝ちする試合の割合が最も多いかもしれませんが、この期間のBayern Munichは先制した試合のうち何と91%で勝利していました。この点で平均を大きく上回る例としては他にBarcelonaがおり、先制点を挙げた試合の90%で勝利を収めています。
しかしそれでも、上記のデータは欧州サッカーにまつわるいくつかの神話が誤りであることの証明であり、特定のリーグ、さらにはリーグ内のさまざまなチームについて調べることがいかに有益か、ベッターに示すものとなっています。
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筆者について
Andrewにはメディアの学位を取得して銀行に就職したという一風変わった経歴があります。しかし、そのときにも彼の本当の情熱はサッカーにありました。ここ数年でスポーツに関するデータが急増し、彼はどの数字が「美しいゲーム」をベッターに示唆するかがわかるようになったと言います。彼は現在、フットボールのスタッツを分析し、試合の結果を予想することに全力を傾けています。
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