UFC 269では、UFCライト級王座決定戦が組まれており、Charles OliveiraがDustin Poirierを相手にタイトル防衛をかけて闘います。Oliveiraは初防衛でベルトを守ることができるでしょうか。それとも、PoirierがConor McGregor戦での連勝に続いてここでも勝利を収め、新チャンピオンになるのでしょうか。詳しくは、Oliveira対Poirierの予想の続きをお読みください。
イベント:UFC 269
日付:2021年12月11日
会場:T-Mobile Arena (米国、ラスベガス)
Oliveira対Poirier:テール・オブ・ザ・テープ
Charles ‘Do Bronx’ Oliveira |
選手 |
Dustin 'The Diamond' Poirier |
32 |
年齢 |
33 |
178cm |
身長 |
175cm |
70kg |
体重 |
70kg |
190cm |
リーチ |
183cm |
19-8-0 (1 NC) |
UFCの記録 |
20-5-0 (1 NC) |
31-8-0 (1 NC) |
MMA全体の記録 |
28-6-0 (1 NC) |
52% |
打撃の正確性 |
50% |
チャンピオン |
UFCランキング |
1位 |
この試合はUFC 269で行われる2つのタイトル戦の1つです。もう1試合は、Amanda NunesがJulianna Penaを相手に女子バンタム級王座の防衛を目指します。
Oliveiraは、5月のUFC 262でMichael Chandlerと対戦し、2ラウンド目にパウンドでTKO勝ちして当時空位だったライト級タイトルを獲得しました。この勝利で9連勝を達成し、連勝中にOliveiraは7度もPerformance of the Night賞を受賞しました。実際、2017年12月のUFC 218でPaul Felderに敗れてからは無敗で、現在はUFC史上最多フィニッシュ(17)とサブミッション(14)の両方の記録を保持しています。
PoirierがUFCライト級正規王座に挑むのは今回が2度目です。前回は2019年9月にUFC 242でKhabib Nurmagomedovと対戦しましたが、3ラウンド目にサブミッションで敗れました。その後は、Dan Hookerに勝利し、Conor McGregorにも連勝しています。そのMcGregor戦連勝となった7月のUFC 264では1ラウンドTKO勝ちを収めました。
今回の試合に先立ち、Oliveiraは自信を持って次のように宣言しました。「9連勝して判定勝ちが1回だけなんていう大記録を持っているのは私の他には誰もいない。みんなが見たとおりだ。議論の余地はない。チャンピオンであることを証明するためにDustinに勝たなければならないと言う人も多いが、私がチャンピオンだ。私は、今年獲得したベルトを守る」
一方のPoirierは、この試合へのモチベーションを次のように説明しています。「星の巡りあわせで新たなチャンスが来たようだ。試合に向かい、やったぞと言う準備はできている。私のパンチを受けることもなく、劣勢になることもなく過ごすには、25分は長すぎるだろう」
Oliveira対Poirierのオッズの分析
Pinnacleのオッズでは、Poirierが1.609*でこの試合の本命となっており、勝利の確率は約60%です。アンダードッグとなったOliveira のオッズは2.410*で、試合の勝率に換算すると40%となります。ラウンドのオーバー/アンダーは1.5に設定されており、オーバーのオッズが1.606*、アンダーは2.390*です。
Oliveiraのオッズは、過去5試合の平均クロージングオッズ1.838よりも少し高く設定されています。この5試合のうち、本命でなかったのは1試合のみで、全試合で勝利を収めました。本命であるかどうかに関係なく、Oliveiraのオッズはオープンからクローズまでの間にわずかに上がる傾向があるので、勝利を確信しているなら、試合の夜までベットを遅らせるのが得策かもしれません。
Poirierのオッズ1.609*は、Oliveiraの過去5回の対戦相手の4人よりも勝利の確率が高くなっています。例外はTony Fergusonで、1.580でクローズしました。これは、過去5試合のクロージングオッズ2.770よりもかなり低い設定になっているということでもあります。
Poirierの過去5戦の内訳は、本命のときは2戦2勝、アンダードッグのときは3戦2勝1敗でした。過去3戦でPoirierが本命だったときはオープンからクローズまでの間のオッズが0.22の平均マージンで下がっています。これは、Poirierが期待通りの結果を出すと思うのなら、遅めではなく、早めに賭けた方がより良いバリューが得られるかもしれないということです。
Oliveira対Poirier:格闘スタイル分析
Oliveiraは柔術家と称されるにふさわしい技術の持ち主で、これまでのスタッツはその名に恥じません。UFCでの記録更新を別にしても、MMA31勝のうち半分強(19)がサブミッションによるもので、15分あたりのテイクダウン(2.64対1.50)とサブミッション(2.72対1.23)の両方でPoirierを圧倒しています。
Poirierは、1分間に与える有効打と受ける有効打が両方ともOliveiraよりかなり多くなっています。
驚くことではないと思いますが、32歳のOliveiraは、できるだけ早く対戦相手を床に倒すことを好みます。過去10勝のうち、2ラウンドより長引いた試合が2試合しかないこともこれを証明しています。仕掛ける攻撃の43%が相手の体や足に向けられ、相手のバランスを崩したり、テイクダウンの防御力を弱めたりする直接的な攻撃がよく見られます。
一方でOliveiraの強力なパンチ力も侮れず、最近の5試合のうちの3勝を含め、MMAキャリアの中で9回のノックアウト勝ちを収めています。1分間あたりの有効打は、Poirierの5.62に対して、Oliveiraはわずか3.26ですが、打撃の正確性では相手を僅差で上回り(52%対50%)、この点では量より質を重視していることがわかります。
現在の連勝記録の前、Oliveiraは6試合で4敗というかなり不本意な結果を残しました。そのうち、2敗はサブミッション、残りの2敗はTKOで、Oliveiraの戦術を使うことが(試合をグラウンドに持ち込んで負かすか、パンチで打ち負かすかにかかわらず)、有効なアプローチになり得ることを示しています。
Poirierは、より適応性の高いスキルセットを使うことができ、サブミッション狙いの戦術を展開したり、必要とあれば判定勝ちを取りに行ったりすることにも慣れています。MMA28勝のうち、14勝はノックアウト、残りの半分はサブミッションと判定勝ちで分け合っています。
1分間に5.62回の有効打を繰り出し、攻撃の79%が対戦相手の頭部を狙っていることから、Poirierの獰猛で容赦のないアプローチがうかがえます。また、Poirierのスタミナはライト級の選手の中でもトップクラスです。しかし、1分間に4.19回の有効打撃を受け(Oliveiraは3.01回)、防御率が54%であるという事実があります。これは、ダメージを与えるチャンスを対戦相手に与えているということであり、Oliveiraの実利主義の資質に特に向いているかもしれません。
32歳のOliveiraは、テイクダウン防御率61%を誇り、MMAキャリアの中でサブミッションで負けたのは2試合のみです。つまり、Oliveiraのレスリング能力に挑むのは容易ではないということです。一方、この試合でのPoirierの最大の心配事は、リーチが劣る(Oliveiraの190cmに対して183cm)ことではないでしょうか。最近の2つのMcGregor戦で効果的に利用したカーフキックを繰り出したければ、相手の締め付けを警戒する必要がありそうです。
Oliveira対Poirier:どこにバリューがあるでしょうか?
Poirierが最近好調であることは疑う余地がないにしても、この試合の本命がPoirierというのは間違いなくちょっとした驚きです。Oliveiraはほぼ完璧な状態で連勝中であり、この試合で繰り出せる勝利への手段も1つだけではありません。
確かに、Poirierの攻撃力は無視できませんが、Oliveiraのレスリング能力と強力な拳のどちらの犠牲にもならないためには、洗練された防御を見せることが求められるでしょう。そのため、Poirierは、Oliveiraに試合の主導権を握らせないためには攻撃し続けることが最も良い方法だと考える可能性があり、早めのノックアウトを狙う戦略をとっても不思議ではないでしょう。
この点を考慮すると、Poirierの勝利を確信している場合、予想にバリューを追加するにはアンダー(1.5ラウンド以内の決着)を考慮するのが明らかによさそうです。Oliveiraサイドからいうと、Oliveiraが短期決戦を好む傾向があることは十分に証明されているものの、彼が当夜の試合を急いで終わらせる直接の理由はないはずです。そのため、1.5ラウンドを超えると予想するのが価値のあることかもしれません。
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