Deiveson FigueiredoはUFCファイターとして史上最短の期間で2つのタイトル戦を戦うことになるため、UFC 256でBrandon Morenoを相手にフライ級王座を防衛すれば、UFCで歴史的な偉業を成し遂げることになります。タイトなスケジュールにかかわらず、Figueiredoが再びベルトを防衛するのか、それともMorenoが4連勝を飾り、新しいチャンピオンとなるのか? 続きを読んで、Figueiredo対Morenoの予想にお役立てください。
イベント:UFC 256
日付:2020年12月12日
会場:UFC APEX (米国、ラスベガス)
Figueiredo対Moreno:試合前データ比較
Deiveson Figueiredo |
選手 |
Brandon Moreno |
32 |
年齢 |
27 |
165 cm |
身長 |
170 cm |
56.5 kg |
体重 |
57 kg |
173 cm |
リーチ |
178 cm |
9-1-0 |
UFC記録 |
6-2-1 |
20-1-0 |
MMA全体の記録 |
18-5-1 |
52% |
打撃の正確性 |
35% |
1位 |
UFCランキング |
#1 |
UFC 256の超ビッグマッチの編成は特に一筋縄ではいかず、何度も対戦選手が変更になりました。UFCは当初、Kamaru Usman対Gilbert Burnsのウェルター級のタイトル戦(UFC 251から延期になった試合)を計画していましたが、Usmanが未公表の怪我からの回復が必要であることに言及したため、この試合はキャンセルされました。
FigueiredoとMorenoの両者は前回UFC 255で戦ってから、たった21日しか経っていません。
その時点で、Amanda Nunes対Megan Andersonの女子フェザー級タイトル戦に注目が集まりましたが、この試合は、Nunesが未公表の怪我により参加を取りやめたため、2021年に延期されました。その後、Petr Yan対Aljamain Sterlingのバンタム級王者戦を組もうとしましたが、Yanにビザと移動の問題が発生したため、実現しませんでした。
その結果、Deiveson Figueiredoが、UFC 255でAlex Perezを相手にフライ級王座の防衛に成功してからたった21日しか経っていないにもかかわらず、再びオクタゴンに立つことになりました。
これは、UFCの歴史上最も短い期間で2つのタイトル戦を戦うことになります。これまでの最短記録は56日で、2006年9月23日のUFC 63でウェルター級王者の座を防衛し、2006年11月18日のUFC 65でベルトを失ったMatt Hughesと、2013年12月28日のUFC 168で女子バンタム級王者の座を防衛し、2014年2月22日のUFC 170で再び功績を残したRonda Rouseyの両者が残したものです。
Figueiredoは、今年の7月にUFC Fight Night 172でJoseph Benavidezを破り、空いたベルトを獲得してフライ級王者となりました。前述の対Perez戦での勝利は、彼にとって初のタイトル防衛戦でした。つまり今日までのUFCの10試合とMMAの21試合で1度しか負けていないことを意味します。これまでの5連勝の中で、Figueiredoはファイト・オブ・ザ・ナイトとパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトも獲得しています。
一方で、Brandon Morenoは3連勝してフライ級ランキングの1位に上昇しています。最初の5戦で2回の負けを喫したことで、彼のUFCキャリアは不安な幕開けとなりましたが、そこから這い上がり、ディビジョンで最も安定感のあるファイターの1人として広く知られるようになりました。Morenoの前回の出場試合もUFC 255であり、Brandon Royvalを相手に1ラウンド目でパンチによるTKO勝ちを獲得しました。
Figueiredo対Morenoのオッズ分析
マーケットでは、Figueiredoが本命で、ベルトの防衛に成功する可能性は72%をわずかに上回り、オッズは1.331*、一方Morenoは勝率が約28%、オッズは3.450*に設定されています。
Figueiredoのオッズは、過去5試合の平均クロージングオッズ1.74よりもわずかに低く設定されています。前述のとおり、32歳のFigueiredoは5試合すべてで勝利をおさめていますが、3試合で本命、2試合でアンダードッグでした。とりわけ、彼のオッズは大きく動くことが少なく、過去4試合ではオープンからクローズまでの動きが0.1以下でした。
ただし、Figueiredoのオッズが、大半の場合、試合の夜に向かって伸びることは注目に値します。これが示唆するところは、彼がフライ級王座の防衛に成功するだろうと信じているなら、12月12日が近くなるまでベットを控えることでわずかながら良いバリューを得られる可能性があるということです。
これに対し、MorenoはUFCの過去5試合(3勝1敗1分け)を、かなり低めの平均2.19というオッズでクローズしました。5試合のうち、勝利をおさめたRoyval戦では本命、その前の3試合ではアンダードッグ(結果は2勝1分け)であり、Alexandre Pantojaに負けた試合では彼と同じ1.94でのクローズでした。
Morenoの3.450*というオッズは、過去5人の対戦相手に比べてFigueiredoに勝てる可能性が低いということも示しています。ただし、Morenoのオッズはオープンからクローズまでに伸びる傾向があり、過去5試合でも平均差は0.12で伸びているものの、Figueiredoの最近の挑戦者の何人かは大幅にオッズが下がるという経験をしています。
最も顕著な例はPerez(3.40から3.16)、Tim Elliott(2.90から2.55)、Pantoja(2.13から1.74)です。これは、番狂わせの可能性が低いMorenoへのベッティングを検討する場合は、すぐにでもベットすべきであることを示しています。
Figueiredo対Moreno:戦闘スタイルの分析
Figueiredoは、攻撃の52%がスタンディングポジションからで、69%が相手の頭部を狙っているという事実から、拳で攻め、できるだけ早く相手をパンチアウトしようと試みる傾向があることがわかります。このスタイルはいつも結果に結びついています。FigueiredoはこれまでMMAで20勝していますが、最終ラウンドまでいったのはそのうち3回だけでした。また、9回のノックアウト勝ちの中で2ラウンドよりも先に進んだ試合はありません。
Morenoは、判定勝ちをする傾向があります。
特に、この戦略は戦いを床に持ち込むときにも効果を発揮し、彼はそこで素晴らしい関節技をかけることができます。FigueiredoはMMAにおいて、8回サブミッションでの勝利を飾っていますが、その方法で負けたことはまだなく、15分あたり1.03のノックダウンと2.27のサブミッション回数を誇る一方、Morenoのノックダウンとサブミッションは、それぞれわずか0.27と0.54です。
この洗練された全力でのアプローチは、量より質への明らかな信頼によるものです。Figueiredoの1分あたりの有効打数はわずか2.43で、打撃の正確性は52%です。これは、彼が大きなダメージを与えるために多くの攻撃は必要ないと感じていることを示しています。
彼の防御能力もなかなかに素晴らしいものがあります。有効打とテイクダウン防御率はそれぞれ56%と59%で、それほど大騒ぎするほどには見えませんが、彼は危険な状況から打撃で脱することができると何度も証明しています。
Morenoはもともとサブミッションを得意としていましたが、UFCに参戦して以降は自分のスタイルを改良して判定勝ちを狙うようになりました。実際に、現在までMMAの18試合のうち10試合はサブミッションで勝利したものでしたが、UFCの過去4試合ではTKO勝ちまたは判定勝ちのいずれかで勝っています。
「ジ・アサシン・ベビー」ことMorenoは、相手にヒット数で勝ち、点を多く取ることで試合を制しようとします。彼はFigueiredoに比べて多くの有効打を決め(1分あたり3.00)、かつ受けて(1分あたり2.94)いますが、打撃の正確性(35%)は低く、攻撃を最大の防御として考える、容赦ない攻撃的なアプローチをとっていることがわかります。
それでも、そのようなアプローチを可能にしているのは、Morenoの強力な防御力です。彼は有効打(63%)とテイクダウン防御率(70%)の両方でFigueiredoに勝っており、MMAのキャリアではまだノックアウトやサブミッションでの負けはありません。フロアでのレスリングも得意とし、15分あたり1.75のテイクダウンを試みています。
しかし、今回のタイトル戦は両選手が前回の試合からたった21日しか経っていないという特殊な状況で行われるため、スタミナが通常よりもかなり重要な要素になります。
それぞれのアプローチの結果として、MorenoのUFC平均試合時間(13分56秒)はFigueiredoの時間(12分7秒)より2分長く、前者がこの試合で必要となるものを備えている可能性があることを示しています。
Figueiredo対Moreno:バリューはどこにあるか?
この試合が1、2ラウンドでの展開によって大きく左右されることを示唆する要素はたくさんあります。Figueiredoはおそらく早めのノックアウトを狙って、最初からいつものパンチ戦略を展開するでしょう。Morenoがこれをうまく乗り切ることができれば、試合をコントロールする能力と優れたスタミナが判定勝ちに有利に働くはずです。
Figueiredoのほぼ完ぺきなMMA記録が示すように、彼は手ごわいパンチ力と優れたレスリングスキルを組み合わせることが得意であり、それが驚異的な効果を発揮します。最近の多くの試合と同様に、ノックアウトやサブミッションでの素早い勝利は、明らかなバリューベットに見えます。実際、現在までUFCでの9勝のうち、最終ラウンドで判定勝ちになったのは1回だけです。
一方、Morenoの最も得意とする勝ち方は判定勝ちのようです。彼には、Figueiredoの最初の猛攻を乗り切ることができそうな優れた防御力とスタミナがあり、判定勝ちを獲得する能力を売りにしています。しかし、Figueiredoは間違いなくMorenoの対戦相手として最強の敵であり、Morenoが勝てるかどうかは自己最高のパフォーマンスにかかっています。