マーチンゲール法がベッティングについて教えてくれるもの

イーブンマネーのベットにマーチンゲール法を使うと

マーチンゲール法を使うリスクと見返り

マーチンゲール法をモデリングして結果を見ると

ハウスエッジの効果を知ろう

マーチンゲール法がベッティングについて教えてくれるもの

マーチンゲール法は、スポーツベッティングでとても馴染み深い賭け方です。危険な落とし穴は誰にも明らかになっていて、簡単な数学で理解でき、誰でも使える手法です。ベッターがマーチンゲール法から学べることは何か、答えを知りたければ、ぜひご一読を。

まずは大事な点から。この記事には注意点があります。誰かがベッティングに関する話の中で、マーチンゲール法の利点を語っていたなら、あなたがとるべき正しいリアクションは「それは違うよ」と言って立ち去ることです。

マーチンゲール法はプログレッションを含む有名なベッティング手法で、負けてもそれを取り返すべく、賭け金を積極的に増やしていくものです。こういう類の損失のリカバーは、決して褒められたものではありません。その理由を私は今までも散々書いてきました。例えば「ベッティングリソース」に書いたdemonstrating the mathematical proof as to why it is flawed(不備の理由を数学的に証明する)といった記事です。

オッズ(正でも負でも)に対して想定されるアドバンテージが全ベットに対して一定であるような資金管理手法に関しては、賭け金の額をいじり回してそのアドバンテージを変えることは不可能です。リスクと報酬の配分を変更することしかできません。マーチンゲール法の場合、多くの報酬を得ようとしていますが、それには可能性こそ小さいのですが実に巨大なリスク、即ち完全な破産の可能性を負っています。

私はそれを承知の上で、起こり得るある種の破産のリスクを負わずに、マーチンゲール法を活用してうまく管理する方法を説明したいという誘惑に駆られています。そのためこの記事で、ベッティングとは一般的に、常にリスクと報酬のバランスで成り立っていることを分かりやすく証明したいと思います。多くを得たいなら、それだけ多くのリスクを背負い込まなければなりません。

ベガスの休日を最大限に楽しむ方法

ラスベガスのカジノに行くというのが、ずっと私の夢でした。カジノとは、是非知っておくべきなのですが、あまり見込みのないゲームだけを提供する場所です。カードカウンティングをすればブラックジャックのディーラーより優位に立てますが、すぐさま施設から追い出されることもあり得ます。

例えば、すべてのルーレットのプロポジションベットは勝ち目がなく、それはゼロの場合にハウスエッジが与えられるという数学的原理に基づいています。何チームものギャンブラーが無数のスピンを観察してきた、バイアスのかかったホイールの話を無視しても、利益を得る優位な状況には立てないと推測できます。

この現実を基に、ここで休日を過ごしながら楽しくプレイし、かつ寿命をできるだけ伸ばす最良の方法は何だろうと考えてきました。その点を考慮すると、ルーレットホイールにおけるイーブンマネーのプロポジションだけに関心が移ります。奇数か偶数か、または赤か黒かですね。

賭け金が一定だったら、どのくらい続けられるでしょうか?

もっともシンプルな賭け方は賭け金を一定にすることで、つまりどのベットにも同じ金額を賭けます。ルーレットにひたすら$1賭け続ける場合を考えます。この賭けを1,000回続けたら、どうなるでしょうか?

想定される見返りは、以下のような二項分布を示します。青い分布は、公平なオッズを仮定した場合に得られる可能性のある金額の範囲を示しています。一方赤い分布は、ルーレットホイールにゼロがひとつある場合の、2.7%のハウスエッジを考慮したものです。

In-Article-1-How-to-solve-a-problem-like-Martingale.jpg

公平なホイールの場合ですら、お金が相当貯まる可能性はごく小さいのです。$50を稼ぐ確率はたった5.7%です。ハウスエッジの要因を考慮すれば、見込みはさらに悪く、0.74%です。もちろん、$50を失うリスクも小さいので、バランスはとれています。ハウスエッジの影響を考慮したとしても、$50を失う可能性は23%のみで、$100を失う可能性はわずか1%です。

賭け金を一定にすると安全でしょうが、凄い見返りも得られません。ベガスで休日を過ごすなら、きっともっと面白い方法があるはずですよね?

マーチンゲール法の活用と避けられない損失

一番簡単なマーチンゲール法は、イーブンマネーのプロポジションのベットで負けるたびに賭け金を倍にし、勝つまで続けるというものです。勝ったら賭け金を最初の金額に戻して、もう一度プログレッションを始めます。マーチンゲール法の危険性は誰の目にも明らかであるはずですが、最も自信過剰なギャンブラーですら、繰り返しプレイすると必ず連敗してしまうことがあります。プレイすればするほど、より長く連敗する可能性が高くなります。

大雑把に見積もっても、N回ベットした場合に連続で負ける最長回数の期待値は、オッズ/(オッズ-1)を底とするNの対数で得られます。イーブンマネーのプロポジションでは、8回ベットすれば3回連続で負ける可能性が高くなり、16回のベットでは4回、32回のベットでは5回となります。1,000回連続でベットすると、連続で負ける最長回数の期待値は9~10あたりに達します。Pinnacleは既に、a detailed article on the subject of losing runs(連敗する場合に関する詳細な記事)を発表しています。

マーチンゲール法をモデリングして結果を見る

資金が無尽蔵にあり、いくらでも好きなだけ金額を賭けさせてくれる無限に寛大なカジノがあったとして、公平なルーレット1,000回で期待する利益を$500、ゼロがひとつのハウスエッジの場合は$486とします。もちろん、どの前提も可能性はありませんがね。一番重要なのは、負けが続くと資金を使い切ってしまうか、または思い切り落ち込んで平常心を失ってしまうか、どちらかの事態を招くことです。

この限界を管理するために分別のあるアプローチは、目標を特定し、ルールを定めて、プレイに制限を設け、賭け金を一定に保った場合に行ったように、様々な結果の可能性をモデリングすることです。次の場合を考えてみましょう。

  1. いずれかのマーチンゲール法のプログレッションを$1の賭け金で始めて、1,000回ルーレットを行った後に$500勝つことを目標にします。
  2. 1,000回のプレイのいずれかの時点で破産するリスクを、50%までに制限します。
  3. 設定したポイント1と2のプレイを止める選択をする前に、受け入れ可能な最大の資金損失はいくらでしょう?

この質問に答えるには、モンテカルロシミュレーションを使います。下記の表は、モンテカルロシミュレーションを10,000回続けて行った結果を示しています。それぞれ1,000回連続のルーレットのシミュレーションに対して、設定したしきい値以下に資金が減少したらプレイを中止し、この方法を失敗とみなします。そうならなければルーレットを1,000回続けて、この方法を成功とみなします。また、このルーレットにはゼロが無く、公平と仮定しました。

資金のしきい値

勝った金額の平均値

負けた金額の平均値

破産

プロポジションオッズ

-50

503

-106

82%

5.69

-100

501

-188

73%

3.68

-150

500

-270

65%

2.82

-200

500

-341

59%

2.47

-250

500

-443

54%

2.15

-300

499

-496

50%

1.99

-400

498

-608

45%

1.81

-500

498

-774

40%

1.65

-750

498

-1088

31%

1.45

-1000

496

-1725

22%

1.29

再考察したベッティングプロポジション

予想通り、一連の賭けのいずれかの時点で負ける覚悟を決めるようにルールを設定すると、最終的には成功することが判明する場合が多くなります。マイナス約$300をしきい値とすると、1,000回のルーレットで$500勝つ確率は約50%です。残りの50%の確率で、損失の平均値はほぼ$500となることが予想されます。実質的に、ベッティングのプロポジションの公式を考え直しました。$500勝つリスクが$500、その場合のプロポジションオッズは約2.00(または分数表記で1/1)です。

こういったプロポジションオッズは平均の勝ちと平均の負けの比に近くなり、事実上この比が実際のオッズの尺度となります。ゼロが無い公平なホイールの場合、この2組のオッズは等しくなるはずです。

しきい値がマイナス$1,000であれば、より長い連敗にも耐えることができます。そのため、失敗する可能性が少なくなり、プロポジションオッズは1.29と小さくなります。もちろん、総額$1,725を失うリスクを負いたくないなら、単に最初のプログレッションの賭け金を減らせばよいのです。最初の金額を$0.29にすれば、リスク$500のプロポジションで$145程度勝つ可能性があります。

より控えめな賭け金一定の場合に比べれば、これは遥かに大きな損失を被るより大きなリスクを負っています。しかし、これで遥かに大きな勝ちを手に入れられるより大きな可能性が買えるのです。$1のベットで1,000回ルーレットをプレイしても$500失うことはまずありませんが、$500儲けることもまずありません。どちらかになる確率はごくごく小さいのです。

ハウスエッジの効果を知ろう

ゼロを用いて2.7%のハウスエッジを導入しても、本質は変わりません。下のチャートは、ゼロがひとつある場合と無い場合のルーレットでの、失敗(または破産)する割合を比べたものです。ゼロがある場合に、マイナス$300をしきい値とすると、58%の確率で失敗することが予想できます。

In-Article-2-How-to-solve-a-problem-like-Martingale.jpg

それでも50%のプロポジションを確保したいのであれば、最大許容損失のしきい値を約マイナス$440に増やす必要があります。この場合には、$486の儲けに対して平均で約$670の損失リスクを負います。ベットに勝つ確率はこの場合48.6%なので、勝った場合に期待できる利益は$500ではなく約$486です。これは大事な点です。

この割合は、1.73というオッズは負ける確率を計算した2.00というプロポジションオッズよりも相当小さいことを暗に示しています。本来、これはバリュー(価格)の損失を示していて、ハウスのマージンよりも相当大きいことに注意してください。これが暗に示すバリューは1.73割る2.00、つまり0.865です。これは、マーチンゲール法の採用に支払う値段としては高いと思えます。

イーブンマネーのルーレットのベットに対する期待値は37中の36、つまり0.973です。しかし、これは1,000回以上ベットを繰り返した場合の話です。賭け金一定の場合には、何らかの利益を得る確率が約20%、一方で何らかの損失を被る確率が80%あります。これを図で見るには、二項チャートで利益ゼロの線の左右の上にある、オレンジ色の曲線の下の領域を比較します。

これにより、ゼロが無い公平なルーレットでは、勝ちの実際のオッズが5.00で、実際のバリューは2.00割る5.00、つまり0.40です。

実際に、この制限を付けたマーチンゲール法を使った場合のバリューの損失は、最小損失金額のしきい値とプロポジションオッズに応じて変化します。プロポジションオッズが小さいほど(そして負ける確率が低いほど)、失うバリューも少なくなります。しきい値がマイナス$100の場合、負ける割合が暗に示すプロポジションオッズは、ゼロがひとつあるルーレットで約5.00、ゼロがない場合は約3.68で、つまり実際のバリューは0.74であることを示しています。

それに反して、しきい値がマイナス$1,000の場合、オッズはそれぞれ約1.4と1.29となり、実際のバリューは0.92です。しきい値に$10,000を設定すれば、バリューはほぼ0.99になります。この関係は奇妙なことに、本命-大穴バイアスを思い起こさせます。

リスクと報酬の配分

このような、制限を付けたマーチンゲール法を使ってベッティングのプロポジションを変える方法は、考えられる結果の分布をプロットして可視化することができます。下のチャートは、モンテカルロシミュレーションを10,000回実行した時の分布を示しています。公正なルーレットを使って、資金のしきい値はマイナス$300としています。これで、成功と失敗の特徴的な領域に分かれる様子が分かります。これを、賭け金一定の場合の本来の分布(オレンジ色の点線で表示)と比べてみましょう。

In-Article-3-How-to-solve-a-problem-like-Martingale.jpg

オッズを変えるとどうなるでしょうか?

制限を付けたマーチンゲール法に関するこの考察ではシンプルなイーブンマネーのプロポジションを扱っていますが、これをスポーツなどのあらゆるオッズやベッティング市場にも適用できます。必要な変更は、マーチンゲール法のプログレッション値の大きさだけです。この値は、オッズ/(オッズ-1)で決まります。つまり、3.00のオッズの場合、負けた後の賭け金は1.5の係数で増加します。オッズが1.50なら、係数は3です。

当然ながらベットしているオッズが高くなると、賭け金にかかる実際のリスクも大きくなり、ベットプロポジションをイーブンマネーベットとして再考察する必要が生じます。明らかに、高いオッズにベッティングすると連敗の期間も長くなります。

たとえば、公平なオッズ5.00でベッティングするとは、約$800勝つために約$800のリスクを負うことを意味します。それに比べて、1.50のオッズでベッティングすると、$333勝つために$333のリスクという効果的なプロポジションが得られます。勿論、先ほど説明したように、この点を考慮に入れて常に最初のプログレッションの賭け金の額を調整することができます。

これを自宅で(またはブックメーカー相手に)試さないでください。

この記事は実際のところ書くのがちょっと楽しいから書いたので、マーチンゲール法の使用やプログレッションを含むベッティングシステムを推奨する気はさらさらありません。しかし、ベッティングとはいかにリスクと報酬のゲームであるか、またリスクと報酬のバランスと分布を再考察するためにどのような資金管理手法を使用できるのかを、別の切り口で説明できたと思います。

皆さんの休日の過ごし方に関しては、もちろん最初に単に$500賭けて、勝とうが負けようが1回でやめて立ち去ることもできるはずです。でも、それからベガスで過ごすなら、何か別のことを見つけなきゃいけませんね。

最後に、スポーツベッティングではカジノと違って、ポジティブな期待を抱かせる機会が存在します。あなたが真にその機会を得る数少ないベッターのひとりであったなら、マーチンゲール法やその他のプログレッションを含むシステムに悩まされる必要はまったくありません。ただ、多くの法則をゆっくりと働かせるだけでいいのです。

ベッティングリソース - あなたのベッティングをパワーアップ

オンライン最高クラスの充実度を誇るピナクルのベッティングリソースでは、専門家によるベッティングのアドバイスをご覧いただけます。ベッティング経験の長さを問わず、ベッターの皆様がパワーアップできる知識をお伝えすることが目的です。