スポーツベットにおける平均値への回帰

スポーツベットにおける平均値への回帰
主に過去の成績に基づく予測システムでは、平均値への回帰を理解することがスポーツベッターにとって重要です。英プレミアリーグの2015-16シーズンはこれまで驚き以外の何ものでもありませんが、ちょっと考えてみましょう。この極端な結果は持続するのでしょうか? ここでは、統計をもとに考えていきましょう。

ランダムなシステムを扱う場合、最初の測定における極端な変数は二回目の計測で極端ではなくなる傾向を示します。この現象は平均への回帰と呼ばれます。

プレミアリーグの2015/16年シーズン前半におけるLeicesterの成績は、たとえば、同じ期間において期待を大幅に下回る成績となったChelseaと比べて、高いチーム評価を得るかもしれません。ただし、それぞれのチーム評価に貢献した要因のほとんどが偶然の要素によるものであったとしたら、平均への回帰の現象はこれらの評価が今後は持続しない可能性があることを示します。

チームパフォーマンスの測定

チームのパフォーマンスを測定する方法のひとつは、そのチームが市場予測に対してどのような成績を挙げたかを知ることです。例えば、あるチームの勝利オッズが2.00の場合、これはそのチームの勝率が(ブックメーカーのマージンの影響を無視すると)50%であると市場が信じていることを示します。もし勝った場合、そのチームは市場予測と比べて好成績だったことになり、もし負けた場合、成績が悪かったことになります。

ランダムなシステムを扱う場合、最初の測定における極端な変数は二回目の計測で極端ではなくなる傾向を示します。

このようなアプローチは、あるチームがオッズの示す勝率から逸脱する程度を計測するブライアスコアメソッドに質的に類似しています。主な違いは、予測からの逸脱方向のほかに、偏りの大きさを計測できる点です。

2015/16年のプレミアシップシーズンの前半20試合について、Pinnacleの予想に対してLeicesterとChelseaの成績はどうだったか見てみましょう。チームが試合に勝利するたびに、そのチームは [1 – 1/odds]と同じリスク調整スコアを獲得し、チームが負けるたびに、そのチームは[-1/odds]のスコアを獲得します。

シーズンが進むにつれて、これらのスコアは累積的に合計されます。以下の表は、LeicesterがPinnacleのベッティング市場で期待された内容よりも好成績であり、一方でChelseaの成績は期待を大幅に下回ったことを示しています。

Chelseaの前半20試合

相手チーム 日付 Pinnacleオッズ 結果 利益/損失 累計利益/損失
Swansea 2015年8月8日 1.39 引き分け -0.72 -0.72
Man City 2015年8月16日 3.87 引き分け -0.26 -0.98
WBA 2015年8月23日 1.65 勝ち 0.39 -0.58
Crystal Palace 2015年8月29日 1.37 引き分け -0.73 -1.31
Everton 2015年9月12日 2.01 引き分け -0.50 -1.81
Arsenal 2015年9月19日 2.45 勝ち 0.59 -1.22
Newcastle 2015年9月26日 1.63 引き分け -0.61 -1.83
Southampton 2015年10月3日 1.83 引き分け -0.55 -2.38
Aston Villa 2015年10月17日 1.34 勝ち 0.25 -2.13
West Ham 2015年10月24日 2.01 引き分け -0.50 -2.62
Liverpool 2015年10月31日 2.07 引き分け -0.48 -3.11
Stoke 2015年11月7日 2.07 引き分け -0.48 -3.59
Norwich 2015年11月21日 1.43 勝ち 0.30 -3.29
Tottenham 2015年11月29日 2.89 引き分け -0.35 -3.63
Bournemouth 2015年12月5日 1.38 引き分け -0.72 -4.36
Leicester 2015年12月14日 2.38 引き分け -0.42 -4.78
Sunderland 2015年12月19日 1.32 勝ち 0.24 -4.54
Watford 2015年12月26日 1.52 引き分け -0.66 -5.19
Man United 2015年12月28日 2.95 引き分け -0.34 -5.53
Crystal Palace 2016年1月3日 2.07 勝ち 0.52 -5.02

Leicesterの前半20試合

相手チーム 日付 Pinancle Sportsオッズ 結果 利益/損失 累計利益/損失
Sunderland 2015年8月8日 1.99 勝ち 0.50 0.50
West Ham 2015年8月15日 3.42 勝ち 0.71 1.21
Tottenham 2015年8月22日 2.69 引き分け -0.37 0.83
Bournemouth 2015年8月29日 3.57 引き分け -0.28 0.55
Aston Villa 2015年9月13日 1.86 勝ち 0.46 1.02
Stoke 2015年9月19日 3.10 引き分け -0.32 0.69
Arsenal 2015年9月26日 4.55 引き分け -0.22 0.47
Norwich 2015年10月3日 3.31 勝ち 0.70 1.17
Southampton 2015年10月17日 5.10 引き分け -0.20 0.98
Crystal Palace 2015年10月24日 2.21 勝ち 0.55 1.52
WBA 2015年10月31日 2.70 勝ち 0.63 2.15
Watford 2015年11月7日 1.88 勝ち 0.47 2.62
Newcastle 2015年11月21日 2.58 勝ち 0.61 3.23
Man United 2015年11月28日 3.26 引き分け -0.31 2.93
Swansea 2015年12月5日 2.80 勝ち 0.64 3.57
Chelsea 2015年12月14日 3.11 勝ち 0.68 4.25
Everton 2015年12月19日 3.65 勝ち 0.73 4.97
Liverpool 2015年12月26日 4.00 引き分け -0.25 4.72
Man City 2015年12月29日 4.25 引き分け -0.24 4.49
Bournemouth 2016年1月2日 1.94 引き分け -0.52 3.97

成績はどの程度偶然で説明できるでしょうか?

ここで考えてみましょう。市場予想と比べたLeicesterの好成績とChelseaの不振ぶりは続くとみるべきでしょうか? もしこれらの傾向が主にプレイヤーの能力や経営スタイルなどの要因の結果であったとしたら、 少なくとも市場がチームの新しいスキルレベルを完全に再評価するまで、市場予測への回帰はほとんど期待できないでしょう。一方、もし主に偶然の結果であったとしたら、平均への回帰はより速く、より完全なものとなるでしょう。

平均への回帰が、偶然を含めて試合結果にどの程度影響するのかを測定するには、データをシーズンの前半と後半の二つに分けます。次にその二つのデータを比較します。もし平均への回帰が小さい場合、前半の極端な成績は後半において同様に極端な成績に関連することが予想できるでしょう。

すなわち、この成績は続くと見られます。また、平均への回帰が大きい場合、前半の極端な成績は後半における極端な成績とほとんど関連しないと予想できるでしょう。

以下のチャートはプレミアリーグおよびフットボールリーグの2012/13年から2014/15年シーズンにおける英サッカーチームの相関関係を表しています。276データポイントのそれぞれは、 1シーズンにおける各チームの前半・後半成績のペアを示しています。暗い線はデータポイントの平均トレンドを表しています。 

前半と後半のシーズン成績の相関関係

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ご覧のように、実質的に相関関係はなくほぼ完全な平均への回帰が見られます。このような相関プロットにおけるR2の値は、ある変数の可変性が二番目の変数の可変性をどの程度説明するかを定義します。

1 の図は完全な相関関係を示す一方で、0の図はまったく相関関係がないことを意味します。ここでは前半シーズン成績の変動が実質的には後半シーズン成績の変動のいずれも説明していないことが分かり、これら二つの間には因果関係がないことを意味しています。そして市場予測から離れたこの偏りは、基本的に運の問題です。

成績の悪かった下位20チームの平均成績はシーズンの前半で-4.05でした。 1チームだけ成績が悪化しましたが、後半の平均成績は-0.01に回帰しました。反対に、前半シーズンにおける好成績の上位20チームの平均成績は+3.71で、後半には+0.13に回帰しました。ここでも、 1チームだけが前半と比べて後半の成績が偏りました。

おそらくシーズンを通じてチーム成績を評価するのは長すぎるのです。38試合(フットボールリーグの場合は46試合)ではさまざまなことが起こり得るため、シーズンの前半と後半の成績がいい意味で継続するというのは、希望的観測にすぎません。

さらに、シーズンの後半に、純粋にチームのスキルレベルが変わった場合、ベッティング市場がそれをオッズに反映し始めることも示唆できます。今後の期待からの偏りは、ランダムプロセスに関わらず、以前よりも少なくなるでしょう。 

たとえば12試合といった短い期間を考慮すれば、おそらくその影響を抑えることができるでしょう。実際に、 多くの定量的予測システムはこのような短い期間を対象に、今後の試合の成績指標を提供します。

残念ながら、過去の6試合と今後の6試合の成績の相関関係は同じように少ないです。合計1,596の可能な相関ペアから、R2はやはり0.00から二つの有意な数字になります。わずか12試合の期間においてでさえ、市場予測と比べたサッカーチームの成績は、ほぼ完全に運の問題であることが考えられます。

ベッティング市場の知識

Pinnacleが提供するようなベッティング市場が実際に何を表しているかを考えると、なぜ運がフットボールベットの結果においてこのような大きな要因になるかという理由が明らかになるでしょう。試合の結果は単純に運の問題であると言っているのではありません。明らかに、Arsenal、Manchester City、Chelseaなどのチームは(多くの場合)Norwich、Sunderland、Bournemouthなどのチームよりも成績が良く、その高いスキルは彼らの勝算をより高くします。 

むしろ、ベットオッズの調整を通じて、ベッティング市場はこのチーム能力の差を考慮に入れていると言っているのです。勝率が高いと認識されているチームは通常より大きなベッティング利益を引き寄せます。したがってそのオッズは下がります。実際、オッズはチームごとのスキルの差のハンディキャップのようなものになっています。このハンディキャッププロセスを通じて、結果はより運の問題になります。

ベッターの多くがベットを通じて試合の予想結果について意見を述べるとき、(バッカーからの需要がレイヤーからの供給によってバランスが取れている)市場均衡と同様のプロセスにより、結果の確率についてかなり正確な評価に至ることが多いです。これは意外なことではなく、集合知の現象として知られています。

Pinnacleは最も賢明かつ最も効率的なベッティング市場として知られており、それこそがわずかなマージンで最高価格を提供することができる理由なのです。しかし、ベッティング市場はいつも完全に効率的であるとは限りません。これは特に、比較的少ないベッターが意見を述べ、金額のミスが見つかる可能性があるオープン直後の期間に当てはまります。  

最も鋭いベッターがクロージングラインよりも長いオッズにベットをする傾向があるのが、この期間です。しかし、最も鋭いベッターの結果でさえ短期間では運に支配される可能性があります。平均への回帰という現象を認識することで、ベッターは 運とスキルの影響をより理解することができるはずです。

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Joseph BuchdahlはウェブサイトFootball-Data.co.ukを管理するベッティングアナリストで、過去の結果、試合の統計、ベットオッズデータを提供します。彼はFixed Odds Sports Betting: Statistical Forecasting & Risk Management (2003年)、How to Find a Black Cat in a Coal Cellar: The Truth about Sports Tipsters (2013年)、Squares & Sharps, Suckers & Sharks: The Science, Psychology & Philosophy of Gambling (2016年予定)の著者でもあります。

 

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