均等賭けと割合賭けとの比較

均等賭けと割合賭け

均等賭けと割合賭けの収益分布

損失割合と利益割合の非対称性

均等賭けと割合賭けとの比較

この記事では、均等賭けと割合賭けの戦略を比較します。優れた期待収益を生み出すのは、どちらの手法でしょうか? 両者の収益分布を比較するには、どうしたらよいでしょうか? 詳しくは続きをお読みください。

ピナクルのベッティングリソースでは、以前から、数多くの賭け金戦略について比較、対比を行っています。私は、こうした戦略の予想利益と破産の確率に注目してきました。私の最新記事では具体的に、最も一般的に使用される2つの戦略、均等賭けと割合賭けを比較したいと思います。 

均等賭け 

均等賭けの戦略においては、ベッティングのオッズに関わらず、賭け金は常に同額です。ベットの勝率、あるいは負けのリスクを全く考慮しないことから、均等賭けはあまりにも融通が利かないと考えるベッターもいます。 

たとえば、ある事象について、2分の1、4分の1、8分の1の確率で他の事象が起こる場合に、同額の資金を賭けたいなどと思うでしょうか。そのベットに関するリスクに比例して賭け金を増減させる方が、理に適っているのではないでしょうか。 

短期間であればこういった主張にも利がありますが、長期間で見るとそうでもなさそうです。ベットするオッズが高くなれば、良くも悪くも、統計的なばらつきや運に左右されやすくなります。つまり、運が良いほど、利益が大きくなる可能性があります。そして残念なことに、運が悪いほど、損失が大きくなると推察できます。 

ただし、ベッティング履歴が長くなるほど、そのばらつきは小さくなっていきます。幸運と不運が相殺されます。先月の記事をご覧になった方であれば、oという「フェア」なオッズで、同じ賭け金をn回ベットした場合に得られるリターンの幅(または標準偏差、σ)を予測するのに使用した、簡単な公式が思い出されるかもしれません。 

σ=√(o-1)/√n

ベット回数が4倍になると、可能性の統計的なばらつきは半分になります。高いオッズに賭けると可能性の幅は広がりますが、やはりベット回数を増やすことで狭くなります。例えば、オッズ5倍で400回賭ける場合は、オッズ2倍で100回賭ける場合と可能性の幅が同一です。 

同額の賭け金をベットする際のオッズが高くなると、ベット単位では、資金を失うリスクは高まります。しかし、長期間に渡っては、この賭け金を減らして見込み利益を諦めることはありません(もちろん、プラスの期待値を持てるベッターであればですが)。 

オッズに関わらず同じ利益を出すための賭けでは、オッズの高い賭けに勝っても、あまり利益がないということになります。単純に、そう頻繁には勝たないという事実ゆえにです。そうなると、結局、わざわざ高いオッズに賭ける価値はあるのかと疑問を感じてしまう人もいるかもしれません。

割合賭け 

割合法による、あるいは比例法による賭け方では、賭け金を現在の手持ち資金に対する比率で計算します。それゆえ、勝って手持ち資金が多くなれば賭け金が増え、負けて予算が少なくなれば減少します。割合賭けの手法の1つであるケリー基準の支持者は、達成するにはリスク管理に対するかなり積極的な姿勢が求められるものの、資金を増やすにはこれが一番効率的な方法だと主張します。 

より一般的には、そのアピールポイントは、勝てるベッターであれば、単に均等賭けの場合よりも資金を速く増やせるという点にあります。少なくとも理論上は、割合賭けで破産することはないという点も注目に値します。毎回賭けに負けたとしても、資金の残り全部を注ぎ込むことはなく、その一部を投資するだけだからです。 

それでも、このマネーマネジメント戦略を均等賭けの手法と比較すると、一連の勝ち負けの絡み合いは、次に述べるように、かなり興味深い結果となります。 

均等賭けと割合賭けの利益分布 

ベッターに5%の期待値(EV)がある、つまり$100賭けるごとに$105を回収できると期待できる場合に、オッズ2.00倍で1,000回のベッティングを行ったと考えてみましょう。以下のヒストグラムは、10,000回のモンテカルロシミュレーションにより近似を出した、均等賭け(5ユニット)と割合賭け(5%)における利益の幅を示したものです。 

in-article-level-vs-percentage-staking-1.jpg

均等賭けでは、利益の見込みの幅は想定通り、釣鐘型の正規分布曲線を辿ります。平均(または中央値の)利益は250ユニットで、5%のアドバンテージがある5,000ユニットの折り返し時点で予想しうるものです。 

割合賭けの場合、分布の形は著しく異なり、利益が高い方の端に大きく偏っています。これも、驚くことではないでしょう。幸運が資金や賭け金を指数関数的に増加させることもあるからです。 

なお、図は明確にする目的で7,000ユニットで止めましたが、10,000回の試行における最大利益は、約95,000ユニットでした。この歪みは、平均利益に大きく影響しています。中央値が依然250である(約半数は利益が薄く、半数はより利益が出ることを示唆する)一方、平均は1,120であり、モンテカルロシミュレーションの出した少数の非常に大きな利益が重みを付けています。 

ヒストグラムの左側を詳しく見てみましょう。割合賭けでは、均等賭けに比べて、マイナスの結果が多くあることがわかります。このシミュレーションの結果では、約21%が実際に損失を被っていますが、これに対して均等賭けの場合はたったの約5%でした。 

均等賭けと割合賭けの収益分布 

利益を比較するのではなく、今度は2つの賭けの手法について、収益率を比べてみましょう。明らかに、非常に利益の出る割合賭けでは、賭け金のリターンの合計がかなり優れています。 

例えば、ある割合賭けの利益は、2,462ユニット(対する均等賭けでは440)という利益を示していますが、そのために33,699ユニットがターンオーバーされました(対する均等賭けでは5,000ユニット)。実際、この例においてはターンオーバーに対する利益または収益は、均等賭けの場合(8.80%)よりも割合賭けの方が(6.85%)低くなりました。これが典型でしょうか? 次の図では、完全なモンテカルロシミュレーションですべての収益がどのような分布となったか示しています。 

均等賭けにおける平均収益は、5.00%でした。これを、2.51%とほぼ半分だった割合賭けの平均収益と比べてみましょう。図はさらに、割合賭けの場合は均等賭けと比べて、損失を被る結果がどれだけ高い可能性であるかについても、示しています。 

シミュレーションのパラメーターでは、たとえばベッティングオッズやベッターが有する期待値(EV)を別の値に変えることができます。 

この記事のために、EV対オッズの組み合わせを40パターン選びました。可能なパラメーターの組み合わせの数をさらに制限するために、割合賭けの金額については、フルケリー基準戦略で述べたものと同等のものだけで考えました。これは、EV/(オッズ-1)で計算するもので、EVはパーセントで表します。 

たとえば、既出のシナリオ(EV=5%、オッズ=2.00)では、ケリー基準のパーセントは5%/2.00–1=5%です。組み合わせ全40種の割合賭けについて、以下に示しています。均等賭けのシナリオでは、パーセントの大きさを使用しました。したがって、1.5%という賭け金の大きさを示す、EV=3%、オッズ=3.00の組み合わせについては、1.5ユニットの均等賭けを使用しました。 

さまざまなEV/オッズの組み合わせにおける割合賭けの大きさ 

次の2つの表では、モンテカルロシミュレーションで得られた平均収益を比較しています。均等賭けでは、収益は予想と一致します。若干のランダムノイズ分だけ増減していますが、私の限られた計算リソースを振り絞ればさらに下がるはずです。

これに対して、割合賭けによる収益は全般に予想値の約半分です。後述の説明でその理由を明らかにしますが、これは本当に予想外でしたし、直感とは違う気付きであったかもしれません。 

均等賭けで1,000回ベットした後の平均収益 

 

割合賭けで1,000回ベットした後の平均収益 

損失の出る可能性 

利益を出すことが期待される賢明なベッターでさえ、特定のベッティング履歴において利益を出すことに失敗する可能性はゼロではありません。もちろん、大数の法則というのは、ベッティング歴が長くなるにつれて可能性は収束することを意味します。それでも、均等賭けと割合賭けを比較する上で、1,000回のベッティング履歴シミュレーションでそういった可能性について考える価値はあります。 

最後の2つの表は、10,000回のシミュレーション試行に基づき、各EV/オッズの組み合わせが利益を出せない可能性を示しています。 

ここでも、平均収益においては、わずかにランダムノイズが残りますが、パターンの幅が広がっていることは明らかです。均等賭けと比べて、割合賭けでは常に、利益を出すことに失敗しやすいのです。いくらのオッズに賭けようと、自身のEVがどうであろうと、関係ありません。時には、無視できないほど大きな違いがあります。 

均等賭け1,000回後に利益がない確率 

割合賭け1,000回後に利益がない確率

例に挙げた方法により、ブックメーカーより3%有利な、合理的に賢明なハンディキャッパー(約2.00のオッズ)は、3ユニットのベッティングを1,000回行うと、約6回に1回の損失を出すことが予想されます。もし仮に、同じベッターが3%賭けを選択するなら、損失はおよそ3回に1回に増えるでしょう。 

解説:損失割合と利益割合の非対称性 

割合賭けが、少なくとも期待収益および利益の出る可能性という観点では、均等賭けに劣って見えるのはなぜでしょう。簡単に説明すると、以前の損失を回復させるためには、さらに大きな成長率が必要だからです。 

イーブンマネーベッティングの例を考えてみましょう。5%の賭け金を失うと、100ユニットの資金は95ユニットになります。これを取り戻すには、5/95(つまり5.26%)の利益が必要ですが、割合賭けの戦略では、次のベットは4.75ユニットとされてしまい、2.00というオッズで勝っても資金は99.75に戻るだけです。これに対し、均等賭けであれば、資金は100ユニットに戻ることになります。 

問題は、逆の場合でも同じです。先にイーブンマネーベッティングで勝った後、イーブンマネーベッティングで負けた場合、先に勝った分よりも明らかに多く負けることになります。この例では、先に勝ったか負けたかに関わらず、理論上ではこのベットの期待値は0%であるのに、最後に資金は開始時より少ない99.75となります。 

より一般的には、ベッティングオッズとは関係なく、負けた場合には回復にかかる時間は長く、勝った場合には回帰するまでの時間は短いということになります。 

もちろん、単純に金銭の話で言えば、利益期待値で実績のあるベッターは間違いなく、均等賭けによる場合の利益よりも多くの利益を出すことでしょう。結局、割合賭けではそこが重要です。 

それでもこの試行は、ギャンブルにおけるのと同様、リスクと報酬の間には常にトレードオフが必要だと考えさせる点で有用です。

割合賭けでは、起こり得る結果の分布は非対象の性質を持つという理由だけで、より積極的に利益が加速するのと引き換えに、想定よりも著しく悪くなる(そして潜在的にお金を失う)可能性が高まることを受け入れる必要があります。

ベッティングリソース - あなたのベッティングをパワーアップ

オンライン最高クラスの充実度を誇るピナクルのベッティングリソースでは、専門家によるベッティングのアドバイスをご覧いただけます。ベッティング経験の長さを問わず、ベッターの皆様がパワーアップできる知識をお伝えすることが目的です。