フルタイムのベッターになりたいと考える多くの人が、楽な生活を送るためには毎月いくら勝てばいいのかを計算します。Adam Chernoffは、彼の最新記事で、この「魔法の数値」を決めてこだわることが常に最良の戦略だとは限らない理由を説明しています。
「さて、自分の月収は$5,000で、生活費は$2,300で、妻の月収は$1,800だ。だから、自分が仕事を辞めてスポーツベッティングをするなら、生活していくためには最低でも$500は稼ぐ必要があるし、楽に暮らすならさらに$2,000は必要ということになる。ベッティングの資金は合計で$15,000集められるから、これで月に$500は稼げることになるが、最低3%は戻す必要があって、それ以上の部分がボーナスだ。」
読者の多くが、過去に心の中で同じように考えたことがきっとあると思います。スポーツベッティングを仕事にするという考えは非常に魅力的です。しかし、ベッティングがあまり推奨できるものでないなら、生活のための安定した仕事の機会を手放すことになります。
多くの人々がベッティング市場で生計を立てようとして短期間で失敗しますが、数値を設定することがその大きな原因となっています
思い切って足を踏み出した人々は、まず手始めに、月々の生活に必要な「数値」を決定しようとする傾向があります。
数値を定めるという考えは妥当です。たいていの人々は、毎月、楽に生活するために必要な金額と同額の予算をたてます。
たいていの人々は、楽に生活するために必要な額を下回る金額しか稼げない仕事に就くために、現在の仕事を手放そうとは考えないはずです。ベッティングで収入を得ようと考える場合、よく同様の比較が行われます。
問題は、数値を設定すると、それが目標というよりも、損失の原因や足かせになるという点です。多くの人々がベッティング市場で生計を立てようとして短期間で失敗しますが、数値を設定することがその大きな原因となっています。
数値のせいで行動を強いられる
スポーツベッティング市場は、カレンダー通りには動きません。その月の日付によってベッティングの機会が良くなったり悪くなったりすることはありません。数値に縛られたベッターが、負けのせいで目標より稼ぎが少なくなっている場合、月末に向けて賭けをして目標を達成しなければならないという思いが非常に大きくなります。
- 参考記事:もしやり直したらどうなるか?
毎月、生活に必要な目標値があると、悪い方に偏ってその月の期待値を下回っている場合、冷静でいることは誰にとってもほぼ不可能です。
数値のせいで最大化できない
数値目標のあるベッターは、常にこれが足かせとなります。行動を強いられるのとは逆に、消極的になるということです。十分に賭けないことで、ベッティング資金に損失が出ることがあります。この損失は、賭け過ぎの場合以上に大きくなる可能性があります。また、この状況は非常に陥りやすいものです。
月額目標があり、早い段階で順調に勝っていると、先行分の勝ちが帳消しになったり、既に達成している目標額を失ったりする恐れから、消極的になって、最大限に賭けない場合が多くあります。こうなると、勝ちを伸ばすことができません。
数値のせいで勝ちの認識を誤る可能性も
人間は、目的を成し遂げて大きな達成感を得るために努力するものです。スポーツベッティングでは、ベッターが非常に良い賭け方をしたのに結果が思わしくない場合が多くあります。
その一方で、ベッターがひどい賭け方をしたのに幸運に恵まれることもあります。数値を定めているベッターは、その数値目標をどのくらいの頻度で達成できたかで全体の勝ち負けを測るようになります。
ベッティングのプロセスとエッジにエネルギーを注ぐよう努力できれば、すぐに、そして二度と、数値について考える必要はなくなるでしょう
これで、簡単に勝ちの認識がおかしくなっていきます。確実にベッティングのプロセスから目をそらすことになります。
残念なことに、ほとんどの新しいベッターにとって、数値設定をしないことは非常に困難です。私がベッティングを始めた当初は、どの月も数値が私の伴侶でした。そのせいで、完全に精神面でおかしな状態になり、賭けの結果と感情的に結びついていました。
数値について考える段階を過ぎ、自分のベッティングプロセスに集中してエッジを見定めるところまで行くのに、数年かかりました。これと同じ段階にいる皆さんには、数値を手放すのは簡単ではないと断言できます。
しかし、ベッティングのプロセスとエッジにエネルギーを注ぐよう努力できれば、すぐに、そして二度と、数値について考える必要はなくなるでしょう。