二元論的思考とベッティング:「良いベット」とは

二元論的思考とベッティング:「良いベット」とは

情報の扱い方というのは、ベッターが成功するために重要なものです。二元論的バイアスとは何でしょうか。YouTubeとBaltimore Ravensから、ベッティングの心理学について何を学べるでしょうか。良いベットとは何でしょうか。詳しくは続きをお読みください。

二元論的思考とは何でしょうか。

二元論的思考では、情報を互いに相反する選択肢に分類します。これはコンピューターが物事を二進数で考えるのと似たようなものです。すべては1か0かのどちらかであり、選択肢はその2つのみです。あいまいな部分はありません。

多くの人が、人間は本能的にこういった方法で情報を分類するものであり、こういった二元論的な思考方法に飛びつくのが当然だと主張します。

原始人にとっては、この思考方法に意味がありました。彼らにとって必要な判断をなす場合、特に即決するような場面には、こういった考え方がよく適していました。茂みでガサガサ動いているのは捕食者か否かを判断するような場合です。

入手可能な情報の比較検討に貴重な時間を費やして得られる結果は(その間に捕食者は飛びかかる用意をしているかもしれません)、食べられるリスクに値するものではありません。単純に茂みの音は捕食者であると分類して逃げる方が、リスクと報酬の観点から納得がいきます。

Richard Dawkinsは、 そのように情報を整然と「はい」か「いいえ」に分けて解決しようとするのは、「非連続的な思考の暴政」だと主張します。彼の提唱によれば、人はどちから一方に分類する方法で安心を求めます。脳にとっては、遠い祖先がやったように二元論で考える方が、2つの結論の間のあいまいな部分を検討するよりも、はるかに簡単だからです。

こういった二択での意思決定は、基本的なことをパッと決めるときには申し分ありませんが、今わたしたちが生きているのはニュアンスの世界です。そして、ベッティングの世界ほど、これが痛切に反映される場所はありません。

二元論的バイアス:カフェインとYouTubeの評価

二元論的意思決定は、情報の処理方法にどう影響するでしょうか。

FisherとKeilは「二元論的バイアス」というものに関する一連の研究で、この確認に着手しました。この研究では、参加者に対し、あるトピックに関するエビデンスを与えたうえで、そのエビデンスを要約して全体的な印象をよく捉えた評価を付けるよう求めました。

例として、カフェインと健康の関係を調査するさまざまな研究のデータを評価すると考えましょう。たとえばこの場合、参加者は、エビデンスの相対的な強弱に関係なく、影響があるかないかでデータを迅速に分類することになります。

概して、次のようなことがわかりました。「幅広い状況において、人はエビデンスを要約する場合、二元論的バイアス、つまり連続性のあるデータを明確に区別しようとする傾向を示します。エビデンスは個別の容器に押し込まれ、カテゴリー間の違いにより即決で判断が行われます」

言い方を変えると、参加者は示された相対的なエビデンスの強さを無視する傾向があり、代わりに個々のカテゴリーに分類して、そのカテゴリーの要旨を見ることを好みました。

これにより連続的なデータの意味は取り除かれ、一方に25%の可能性があるという結論は、単純に、確率の程度とは無関係に、そちら側に寄っているすべての結論と一緒にまとめられました。この結果、データは被験者にとって処理しやすいものになりましたが、情報の価値は落ちることになりました。

これはYouTubeのアクションでも見られ、ここで星評価に効果のないことが明らかになりました。評価の大多数が、星1か星5かのどちらかだったのです。

これは二元論的な意思決定の結果でした。ユーザーは、動画が気に入れば星5に分類し、気に入らなければ星1に分類します。この2つの異なるカテゴリー間にある情報はすべて失われました。結果として、YouTubeはシンプルな高評価と低評価のシステムに切り替えることになりました。

成果バイアス

上で述べたように、人は可能であれば、情報を2つの個別のカテゴリーに分類することを好みます。これはベッティングにおいても同じです。

経験の浅いベッターにとって、良いベットとは単に勝てるベットのことです。悪いベットは負けるベットです。この2つのカテゴリー分けは理解しやすく、ベッティングの背後にあるニュアンスをしっかり理解していない部外者でも、感覚的にわかります。

しかし、これはまったくの誤りです。勝てるベットがひどいベットである可能性もありますし、一方、これまでで最良のベットが負けに転じる場合もあります。そういった単純な方法でベットを分類すると、有益な情報がすべて抜け落ちてしまいます。

これはデータポイントをイベントの結果によって「良い」か「悪い」のカテゴリーに分類しようというものですが、この考え方は、Baltimore RavensがNFLの2019年シーズンで仕掛けて失敗した2ポイントコンバージョンに関する論争で見られました。

数学的には、Ravensが下した2ポイントコンバージョンを狙うという判断は正しいものでした。しかし、その試みが失敗したため、数学的には正しい判断であったという事実にも関わらず、これを「誤った判断」のカテゴリーに分類した専門家もいました。

これらの専門家にとっては、そういったプレーの背景にある分析から得られる追加情報は、成果バイアス(試みが失敗したのは判断が悪かったせいに違いない)と二元論的バイアス(プレーを個別のカテゴリーに入れる必要性)の混在により取り除かれました。

良いベットとは? ベッターのように考える

ベッティングで成功する考え方を身に付けるためには、ベッターはそういったバイアスの避け方を覚える必要があります。勝ちと負けの間のグレーゾーンは、良いベットと悪いベットとを区別するものです。

ベッターは、確率で動きます。ベッターの考える確率がブックメーカーの確率より正確であれば、長期的に見てベッターの勝ちとなります。しかし、ベッターの確率が平均して正確であるかどうかを確かめることなど、できるのでしょうか。

十分な量のサンプルがなければ、その問題に明確な答えを出すことはほとんど不可能です。

ある有名な確率の数値を例として考えましょう。統計ウェブサイトFiveThirtyEightは、2016年のアメリカ大統領選挙でDonald Trumpが勝つ可能性は30%だとしていました。言うまでもなく、その後Trumpが大統領になりました。

この予測に対する一部の人の反応は、それは「誤り」だというものでした。人々が二元論的アプローチを好むと考えると、なぜその反応になるのかがわかるでしょう。FisherとKeilが行った二元論的バイアスに関する研究で示されたように、強度の弱まった予測を除外し(Trumpの勝率は30%であって0%ではない)、その予測を自分が満足できる「誤り」のカテゴリーに入れたのです。

しかし、これは明らかにナンセンスです。予測に従えば、Trumpは10回中3回勝つはずです。最後にはTrump勝利というシナリオになりましたが、この事実は予測の精度について何ら新しいことを示すものではありません。

同じ選挙を繰り返し行い、サンプルのサイズを有意なレベルまで大きくする必要があります(もちろん不可能ですが)。そうすることでしか、FiveThirtyEightのTrumpの勝率30%という予測が実際とどの程度近かったのかを確認することはできないでしょう。

カオスを制御する

これには当然のことながら困惑します。個々の予測が適正であったのかどうかは実際にはわからないし絶対に知ることもできない、というのは、本能に反します。

確かに、自分が有利だと本能的に感じた確率にベットしたことはありますが、同様のイベントの大きなサンプル全体でモデルを実行した場合以外に、自分が正しかったのだと断言する方法はありません。

ベッターとして、私たちは「良い」ベットのグループと「悪いベット」のグループの間にあるグレーゾーンで活動しています。勝つためには、安易な分類を離れて、個々のベットに関するありのままの確率を取り入れる必要があります。そのように分類できるかどうかは本当にはわかりえない可能性があるという知識を活かして、「良い」ベットにするよう努めるのみです。

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