連勝に賭ける

連勝を呼ぶのはスキルか、運か?

コインを使ってスキルを評価する

Floyd Mayweatherの例

連勝に賭ける

スポーツ界のトップスターが安定して負けを回避する能力を備えていることは間違いありません。Roger Federerはウィンブルドンで、Jurgen Kloppはホームで、Floyd Mayweatherはリングで勝利を重ねました。しかし、こうした連勝は優れたスキルによるものなのでしょうか、それとも単なる運の良さなのでしょうか? 詳しくは続きをお読みください。

上に挙げた人物は皆、それぞれの分野のトップ選手ですが、彼らが過去において、また現在においても、才能のある他の選手(しかも場合によっては自分と同等に才能のある選手)を上回る勝利を収めてきたのは、なぜでしょうか? 実のところは、才能と同時に、運も連勝の重大な要因なのです。

選手をコインに置き換える

プロスポーツでの成績や個性から離れ、これらの連勝を数学的な出来事として考えると、連勝に関する認識の歪みをかなり簡単に理解できるようになります。ボクシング界のスター選手Floyd Mayweatherを例に、試合がスキルベースの対戦ではなく、コイントスだと想像してみましょう。

コインを100回投げたとすると、75%の確率で、表(または裏)が6回以上続けて出ることになります。また、10%の確率で、表(または裏)が10回以上続くのを目撃することになります。

この一連の結果を次のように示すとしましょう。ここでは「O」が表を、「X」が裏を意味します。

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人間の自然な行動として、最も簡単に定義できるパターン、つまり4行目の長いOの連続に意識が向きます。これは、この区間が他よりも注目に値するということでしょうか? 表が主導権を握ったのでしょうか? 表がスキルの高さを発揮したのでしょうか? そんなことはありません。これはコインです。確率論では、こうした連続が起こる場合もあるということが示されています。

テニス選手、ボクサー、マネージャー等についても、上記のパターンと似たような流れで、連勝や連敗によって(連勝の方が特に強烈ですが)判断が歪められる場合があります。そして、そのパターンが続く可能性を高く評価し過ぎるのです。

例えば、OとXを、勝ち(win)を表すWと負け(lose)を表すLに置き換え、次のパターンを見てみましょう。

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第一印象で「???」にはどのような結果が入ると思いますか? ほとんどの人は、勝ちが続くと考えるでしょう。それでは、次の図を見てください。

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こちらの「???」には何が入ると思いますか? 当然、このパターンを続けて「WWWWW」を入れます。このスペースには何でも入る可能性があるのにも関わらず、です。なぜでしょうか? これは単に人間の脳が、パターンを作り、そこに論理性がなくても、そのパターンにこだわるようになっているからです。また2つ目の人間の心理、ギャンブラーの誤謬も意思決定に関係してきます。

スキルの要素

もちろん、最高レベルのスポーツ選手がランダム性のみによって偉業を成し遂げていると考える人はいないでしょう。彼らがそうした偉業を達成する立場にあるのは、彼らの才能のおかげだということは明らかです。本質的には、彼らのスキルは、細工したコインを使うのと同じことになります。他のコインより「表」(つまり勝ち)が多く出る傾向はありますが、結果が決まっているというわけではありません。

例えば、Rafael Nadalがクレーコートでプレーする場合、Nadalをかなり偏りのあるコインと考えることができます。ここ数年のNadalのクレーコートにおける勝率を見ると、平均成功率が95.4%で、勝ちが運によるものでないことは明らかです。しかし、例えば最良のシーズンだった2010年には、ツキも大きな役割を果たしていた可能性があります。

さて、Federerがウィンブルドンを制覇したのは、彼の方がPete Samprasよりずっと優れていたからでしょうか? それとも、1970年代にNBAのLakersが歴史的連勝の後に優勝したときと同じくらいの最高潮だったからでしょうか?

おそらく、というのが答えです。現実的には、連勝は複数の要素が組み合わさった結果であり、運はその要素の1つです。ツキによる結果を無視したのでは、チームが連勝する確率を過大評価してしまうという状況から抜けられないままになります。

アメリカのスポーツ界では、ツキは流れを決めるのに大きな役割を果たすと考えることができます。平等主義的な構造によってチーム間で人材が公平に分けられるので、欧州サッカーのように1つのチームが支配する可能性は低くなるからです。

連勝のほかに、指標として使用するあらゆる形式のガイドについて、同じ注意を払う必要があります。5回分の結果がLLWWWであるチームがWWLLLのチームを破ると、本当に信じるべきでしょうか?

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