イベント:UFC 265
日程: 2021年8月7日
会場: トヨタセンター (米国、テキサス州)
Lewis対Gane:テール・オブ・ザ・テープ
Derrick ‘The Black Beast’ Lewis |
選手 |
Ciryl ‘Bon Gamin’ Gane |
36 |
年齢 |
31 |
191 cm |
身長 |
196 cm |
119 kg |
体重 |
111 kg |
201 cm |
リーチ |
206 cm |
16勝5敗0分 |
UFCの記録 |
6勝0敗0分 |
25勝7敗0分 (無効試合1) |
MMA全体の記録 |
9勝0敗0分 |
50% |
打撃の正確性 |
54% |
2位 |
UFCランキング |
3位 |
この試合によって、UFCのヘビー級暫定王者が決定します。主催者は当初、公認ヘビー級王者のFrancis NgannouがUFC 265のタイトル防衛戦でLewisと対戦するように計画していましたが、ベルトの防衛には時期が早すぎるとNgannouが感じているとの報告を受け、その試合の代わりにLewisが暫定王者決定戦でGaneと対戦することとなりました。
これはLewisにとって、2月のUFCファイトナイト185でCurtis Blaydesを相手に2ラウンドKO勝利を収めて以来の試合であり、その試合ではパフォーマンスオブザナイトも受賞しています。彼はその勝利で4連勝を飾り、2016年12月以降で自身最長の連勝記録となっています。また、この試合はLewisにとってUFCで2回目の王者決定戦であり、前回は2018年11月のUFC 230でDaniel Cormierを相手に敗戦を喫しています。
Ganeが前回オクタゴンで対戦した際は、6月のUFCファイトナイト190でAlexander Volkovを相手に判定勝ちを収めています。その勝利でMMAキャリアにおける無敗記録が9試合に伸び、UFCのヘビー級ランキング3位に躍り出ることとなりました。GaneはUFCの過去6試合でパフォーマンスオブザナイトを一度受賞しており、今回がUFCで初のタイトル戦となります。
Lewisは、Ganeの能力を恐れておらず、試合でどのような戦術を用いてきても対応できると主張しています。「奴は賢いファイターだから、面白い戦いになるだろう。だが、奴がヒットアンドアウェイの戦法をとっても、変則的なキックを多用してきても問題ない。俺にも見せ場があるはずだ」と述べています。
一方でGaneは、自身の優れた敏捷性がこの夜の試合を左右する可能性があると公式に宣言しています。「俺は動きが速いから、俺の攻撃は当たっても奴の攻撃が当たることはない。奴の弱点は動きが遅いことで、俺にとっては好都合だ。俺の足を十分に活かせるからな」と言っています。
Lewis対Ganeのオッズ分析
この試合についてベッティング市場では、Ganeが1.302*のオッズで有力な本命となっており、この数字は約74%の勝率に相当します。Lewisは3.650*のオッズでアンダードッグとなっており、これは試合の勝率が26%であることを意味します。ラウンドのオーバー/アンダーは4.5に設定されており、オーバーのオッズが2.450*、アンダーは1.581*です。
Ganeのオッズは、過去5試合の平均クロージングオッズ1.352よりもわずかに低く設定されています。31歳のGaneが確実な本命となるのはいつものことですが、Lewisのオッズは実際にGaneの最近の対戦相手と比較して、平均的な勝率であることを示しています。彼のオッズは、Volkov (2.32)、Jairzinho Rozenstruik (2.92)、Don’Tale Mayes (3.45)よりも高くなっていますが、Junior Dos Santos (4.27)とTanner Boser (5.60)よりは低くなっています。
Ganeのオッズはオープンからクローズの間で頻繁に下がる傾向にあり、その平均的な振れ幅は過去5試合で5.1%です。これは、彼が勝つと確信した場合、できるだけ早くベットすることでわずかながら良いバリューを得られる可能性があることを示しています。
一方、Lewisのオッズは、過去5試合の平均クロージングオッズ2.374よりもかなり高く設定されています。彼は5試合のうち3試合で本命となり、その全てで勝利を収めています。そしてアンダードッグとなった2試合では、1勝1敗の記録を残しています。
Lewisのオッズは最近の試合前に明らかに上がっており、最も顕著なDos Santosとの試合では、2.05でオープンしたオッズが2.90でクローズしています。これは、ベッティング市場が示すように彼が意外な勝利を成し遂げると考えた場合、8月7日に近くなってからベットする方が良い可能性があることを意味します。
Lewis対Gane:格闘スタイル分析
LewisはKOのスペシャリストであり、攻撃では量よりも質を重視しています。実際に、1分あたりの有効打数(2.59)がGane (5.13)よりも大幅に少なく、打撃の正確性(50%)もGane (54%)に劣っているにもかかわらず、これまでMMAであげた25勝のうち20勝がKO勝ちです。
Ganeは、受けたパンチ(2.60)の約2倍ものパンチ(5.13)を繰り出しています。
彼は強力なパンチに頼ることが多く、それは攻撃の78%が相手の頭部を狙ったものであることからも分かります。すばやくダメージを与えて相手に反撃の機会を与えないようにすることを好み、過去8試合のKO勝利のうち6試合が2ラウンドまでに決着しています。
Lewisは強烈なパンチを持っているにもかかわらず、グラウンドでの戦いも苦にせず、実際にスタンディングポジションから攻撃を仕掛けたのはわずか38%です。彼はMMAのキャリアでサブミッションによる勝利を1度しか挙げていませんが、Gane (0.33)よりも高いKO率(0.52)に加え、地味なテイクダウン防御率(55%)も十分に備えています。
Ganeの格闘スタイルはより多才であり、必要な手段を用いてなんとしても勝利をつかむために、単純に相手に打ち勝つ試合展開に持ち込むこともできます。前述のように優れた打撃率を誇りながらも、Ganeが挙げた9勝のうちKO勝ちはわずか3試合であり、サブミッションによる勝利や判定勝ちの比率も同様となっています。
実際、Ganeは相手の体のあらゆる部分を均等に攻撃する傾向があり(42%が頭部、28%が上半身、30%が足)、卓越した打撃の防御率(63%)など、防御のスタッツも印象的です。その結果、Ganeは受けたパンチ(2.60)の約2倍ものパンチ(5.13)を繰り出すことでKO勝利に結び付けることも、相手を徐々に弱らせてサブミッションの機会を伺ったり、必要に応じて距離をとった攻撃でポイントを挙げて勝利につなげたりすることもできます。
クリンチの状態やグラウンドポジションから攻撃を仕掛けたのはわずか9%ですが、スタッツはGaneの方がLewisよりもレスリング能力が高いことを示しています。Ganeは15分あたりのテイクダウン(0.82)とサブミッション(0.33)の試みがLewisよりも多く、不気味なことに驚異的なテイクダウン防御率100%を誇るため、Lewisが試合を床に持ち込もうとするとかなりの困難に直面するでしょう。
Lewis対Gane:バリューはどこにあるか?
この試合でGaneのオッズが高い理由は明確です。彼の方が多才な選手で、これまでのMMAキャリアで敗北を喫したことがなく、その攻撃姿勢はLewisの防御能力よりも期待が持てます。
しかし、この試合の行方は、オープニングの数ラウンドをLewisがどれだけ支配できるかによって大きく左右されると考えられます。Lewisが早い段階で相手の頭部に向けて強力なパンチを次々と繰り出し、Ganeが確実な防御戦略を確立できない場合は、KO負けの可能性があるとGaneが思い始めるかもしれません。
反対に、GaneがLewisの最初の猛攻をうまくしのげば(防御に関する彼のスタッツは、それが確かに可能であることを示しています)、31歳のGaneがいつもの多才さを発揮して試合を支配し、より多くの攻撃を繰り出す結果になることが簡単に予想できます。その結果KOになるか判定勝ちになるかを予想するのは難しいのですが、2.450*でオーバー4.5のラウンドであれば、ベットにバリューがあることが簡単に証明されるでしょう。
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